リタルダンド(ritardando,rit.) ‥‥ 音楽用語でだんだんゆっくりと。
7月15日(金)~初日 7月20日(水)ソワレ~アフタートーク有り
パルコ劇場にて観劇 暑くも寒くもなくほぼ快適でした
渋谷は見事に若い人ばかりで、歩くだけでもおばさんには場違い感が~
初日の、クライマックスに突入したところで、かなり揺れました
ちょっとざわついたものの、誰ひとり席を立つことなく芝居は続き、5分後くらいに無事に終演しました
劇場スタッフさんも、落ち着いていたように思います。
でも、正直なところ、かなり怖かったです
以下、おもいっきりネタバレしています。
出演者は7人。
セットは潤治と洋子のマンション。
下手側がダイニング、その奥にキッチン。上手側はリビングでその奥は続きで潤治の仕事部屋らしい。一番上手はベランダ。
下手にアップライトピアノがあり、荻野清子さんの生演奏。
新婚6ヵ月めの、写真コーディネーターの洋子(一路真輝)の夫・潤治(吉田鋼太郎)は音楽雑誌の編集長だが、若年性アルツハイマーに冒されてしまう。
洋子は潤治の部下の編集者藤原(伊礼彼方)・吉野(高橋由美子)やライター(市川しんぺー)たちの助けを得て、病と戦っていく。
そこに、潤治の死別した先妻の息子・恵治(松下洸平)や、洋子の兄(山崎一)も絡んで‥‥
潤治のアルツハイマーは容赦なく進行し、新しい記憶から失われていき、洋子を先妻の“めぐみ”と呼ぶようになる‥‥
だが、潤治が書き続けているメモに「洋子」という文字があり、洋子を「好きなんです」「必要なひと」とたどたどしいながらも必死に主張し、さらにはどうしても思い出せなかった自作の曲の歌詞を思い出して歌いだすという奇跡が起きる‥‥
こうやってストーリーを書いているだけで、悲しくなってきます‥‥
『リタルダンド』には夢はありませんが、希望はたくさんあります
洋子@一路真輝
“役名が日本人”という一路さんの舞台を観るのは、退団後は初めてです。
衣装や髪型は、ポスターや制作発表の時とは違って、本当に等身大。
でも、一路さんは5年前とは違って、等身大の日本女性がとても似合う女優さんになりました
それをいちばん強く感じたのが、床の拭き掃除をしながらのお芝居です。
いろいろ小道具を使うのだけれど、セリフを言いつつの流れがものすごく自然
一路さんは家庭を持ったのだなぁ~と実感しました。
『リタルダンド』は「音楽劇」なので、台詞にならない心情は歌で表現されています。
いわゆるミュージカルナンバーではないので、歌い上げるわけではありません。
一路さんの、気持ちがメロディになって、思わず口をついて出たような歌が、さすがでした。
それでも初日は“歌っています”と感じたのが、2回目の観劇では、肩の力が抜けていたと思います。
共演者の皆さんは、歌がお上手な方ばかりでした
劇中で圧巻なのは、やはりクライマックスの潤治@吉田鋼太郎さんの歌です。
一騒動あった後、かなり病状の進んだ潤治が、ダイニングの床に座り込んで、、今までどうしても思い出せなかった歌をつぶやくように歌いだす‥‥(初日はここで地震に見舞われ気がそぞろになったのは残念なことでした)
抱きしめる洋子‥‥
わたしはこの最後の場面で、アルツハイマーである潤治に支えられている洋子を目の当たりにして、希望を感じたのです。
潤治の病状は、これからも確実に進行してゆくのだろう。
けれどもこの二人ならば、手を取り合って、最後のその日まで歩いてゆけると思ったのでした。
7月15日(金)~初日 7月20日(水)ソワレ~アフタートーク有り
パルコ劇場にて観劇 暑くも寒くもなくほぼ快適でした
渋谷は見事に若い人ばかりで、歩くだけでもおばさんには場違い感が~
初日の、クライマックスに突入したところで、かなり揺れました
ちょっとざわついたものの、誰ひとり席を立つことなく芝居は続き、5分後くらいに無事に終演しました
劇場スタッフさんも、落ち着いていたように思います。
でも、正直なところ、かなり怖かったです
以下、おもいっきりネタバレしています。
出演者は7人。
セットは潤治と洋子のマンション。
下手側がダイニング、その奥にキッチン。上手側はリビングでその奥は続きで潤治の仕事部屋らしい。一番上手はベランダ。
下手にアップライトピアノがあり、荻野清子さんの生演奏。
新婚6ヵ月めの、写真コーディネーターの洋子(一路真輝)の夫・潤治(吉田鋼太郎)は音楽雑誌の編集長だが、若年性アルツハイマーに冒されてしまう。
洋子は潤治の部下の編集者藤原(伊礼彼方)・吉野(高橋由美子)やライター(市川しんぺー)たちの助けを得て、病と戦っていく。
そこに、潤治の死別した先妻の息子・恵治(松下洸平)や、洋子の兄(山崎一)も絡んで‥‥
潤治のアルツハイマーは容赦なく進行し、新しい記憶から失われていき、洋子を先妻の“めぐみ”と呼ぶようになる‥‥
だが、潤治が書き続けているメモに「洋子」という文字があり、洋子を「好きなんです」「必要なひと」とたどたどしいながらも必死に主張し、さらにはどうしても思い出せなかった自作の曲の歌詞を思い出して歌いだすという奇跡が起きる‥‥
こうやってストーリーを書いているだけで、悲しくなってきます‥‥
『リタルダンド』には夢はありませんが、希望はたくさんあります
洋子@一路真輝
“役名が日本人”という一路さんの舞台を観るのは、退団後は初めてです。
衣装や髪型は、ポスターや制作発表の時とは違って、本当に等身大。
でも、一路さんは5年前とは違って、等身大の日本女性がとても似合う女優さんになりました
それをいちばん強く感じたのが、床の拭き掃除をしながらのお芝居です。
いろいろ小道具を使うのだけれど、セリフを言いつつの流れがものすごく自然
一路さんは家庭を持ったのだなぁ~と実感しました。
『リタルダンド』は「音楽劇」なので、台詞にならない心情は歌で表現されています。
いわゆるミュージカルナンバーではないので、歌い上げるわけではありません。
一路さんの、気持ちがメロディになって、思わず口をついて出たような歌が、さすがでした。
それでも初日は“歌っています”と感じたのが、2回目の観劇では、肩の力が抜けていたと思います。
共演者の皆さんは、歌がお上手な方ばかりでした
劇中で圧巻なのは、やはりクライマックスの潤治@吉田鋼太郎さんの歌です。
一騒動あった後、かなり病状の進んだ潤治が、ダイニングの床に座り込んで、、今までどうしても思い出せなかった歌をつぶやくように歌いだす‥‥(初日はここで地震に見舞われ気がそぞろになったのは残念なことでした)
抱きしめる洋子‥‥
わたしはこの最後の場面で、アルツハイマーである潤治に支えられている洋子を目の当たりにして、希望を感じたのです。
潤治の病状は、これからも確実に進行してゆくのだろう。
けれどもこの二人ならば、手を取り合って、最後のその日まで歩いてゆけると思ったのでした。