夢うつつ♪つれづれ草子

書いて残しておきたい事が、たくさん出来ました(*^^*)
自分自身のための備忘録なんだけれど…いろいろ書きたいな♪

あさきゆめみし

2024-01-30 21:07:12 | 小説や漫画のこと
「光る君へ」に影響されまして、『あさきゆめみし』をまた読もうと思って、ひっぱり出してきました。
これは全く陽の当たらない場所に置いてあったにもかかわらず、紙の劣化が進んでしまっている😢


私が『あさきゆめみし』に出会ったのは連載もかなり進んでからと記憶しています。
コミックスの奥付けを見たら、第9巻からは初版を買っていました。
第1〜8巻は90年あたりに購入していて、それでもゆうに30年超えです。
でも『あさきゆめみし』に関しては一度も手放そうと思ったことはありません。

「光る君へ」のおかげ?で、『源氏物語』の解説本の出版がブームですね~
ということで、2冊だけ借りてきて💦さらっと読んでみました。
確実に言えることは、『源氏物語』の読み方が変わってきたということ。
光源氏よりも女性たちの心理を深く探ろうとしています。
そういう読み方をすると、もしかして別人が書いた?と思われたりもする宇治十帖は確かに紫式部の手によるものと確信できるようです。
本を読んで、「そうか~そういう捉え方があるのか〜」と唸りましたもの。
『あさきゆめみし』を読み直そうと思ったのも、はたして今のワタシはどんな感じ方をするのかな?という興味もあったからなのでした。

で、『あさきゆめみし』なのですが、読みはじめてすぐ、これは間違いなく名作、大傑作だと再確認出来たのでした。

まだ宇治十帖の分は読めてはいないのですが、「光源氏と藤壺の宮の愛は宿命であった」というテーマを第1巻で提示して、そこから全てのエピソードが広がっていくように、読者に印象づけていると思いました。

光源氏が藤壺の宮に「帝を愛していますか?」と問い、「おしたいしております」と返ってくると「では愛してはいないのですね?帝もあなた自身を見てはおられない。帝はあなたに私の母の面影を重ねている」と畳みかけるように藤壺の宮に断言する。(言外に、あなたが愛しているのは私=光源氏ですね、という含みを持たせている)
これを第四話目にバーンと持ってくる。

はからずも義理の親子になってしまったふたりの許されない愛。
義理の親子といっても藤壺の宮は5歳年上。正妻の葵の上が4歳年上なのだから、不自然ではない関係。

桐壺帝は藤壺の宮を桐壺の更衣の形代とし、光源氏は紫の上を藤壺の宮の形代とする。それでも満たされない光源氏は女三の宮に藤壺の宮の面影を求めようとして降嫁を受け入れる。
ラビリンスですね。

紫の上は光源氏が見ているのは自分でないことにうすうす気づく。それでも自分は光源氏の一の人(正妻)という誇りがあったので精神は保たれていたが、女三の宮(皇女)の降嫁は正妻の地位を奪われるということ。しかも紫の上には後見してくれる親族がいないので、逃げ場もない。出家も光源氏が許さない。せいぜい幸せな少女時代を過ごした二条院に戻ることくらいしかできない。
花散里や明石の上は、初めから光源氏の正妻を望む立場ではなかったので、女三の宮の降嫁は他人事として見ていられる。
紫の上の哀れが身に沁みますね。

というふうに、『あさきゆめみし』を読んでいると、少女漫画の王道的読み方になり、最近流行りの「女君たちの心理を深掘りして、そこから紫式部の真意を探り当てる」という読み方にはならないのでした。

それでは、女君たちの意志や立場はどうなの?ないがしろにされてばかりでは?!という意見もありましょう。
しかし、そこはさすがに大和和紀先生。
こうなったのはこういうのっぴきならない事情があったから!という明確な理由づけをしてあって、男君の身勝手だけが原因ではない、それは宿命であったり人間の業であったり……と読者にそれとなく知らせています。

しかしそうは言っても前回(たぶん10年以上前)読んだときに比べると、巻を追うごとに光源氏の身勝手さ(最上流の平安貴族としては常識の範疇なのだと思うけれど……)や独りよがりにやりきれない気持ちになったのでした。


当時の人々の結婚や性愛に対する考え方、慣習は今とはまるで違うのだからと、無理に現代的な解釈をせずに読んでいたのが少し前までだったと思うのです。
しかし、いくら平安時代の女人とて今の私達と同じような感情を持っていたはずで、それを押し殺せざるをえなかったのではないか?
女人たちの押し殺した感情を巧みに見え隠れさせながら紫式部が著したのが『源氏物語』で、その本音を探りながら読むようになったのが最近のことなのでしょうか?(あくまでも個人的な意見です)

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『PERFECT DAYS』映画を見ました

2024-01-25 20:26:10 | 映画やテレビや音楽のこと
月に1本か2本、映画を見にいきます。

これは先週見た作品。

🎬『PERFECT DAYS』

以下、公式ページからの引用です。

🌿 🌿 🌿 🌿 🌿 🌿 🌿

東京・渋谷でトイレ清掃員として働く平山(役所広司)は、静かに淡々とした日々を生きていた。同じ時間に目覚め、同じように支度をし、同じように働いた。
その毎日は同じことの繰り返しに見えるかもしれないが、同じ日は1日としてなく、男は毎日を新しい日として生きていた。
その生き方は美しくすらあった。男は木々を愛していた。木々がつくる木漏れ日に目を細めた。
そんな男の日々に思いがけない出来事がおきる。それが男の過去を小さく揺らした。

『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』など、数々の傑作を世に送り出し続けてきた名匠ヴィム・ヴェンダース。彼が長年リスペクトしてやまない役所広司を主演に迎え、東京・渋谷の公共トイレ清掃員の日々を描いた『PERFECT DAYS』。第76回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞し、米国アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表選出が決定した傑作が、ついに日本公開。ヴィム・ヴェンダース監督と役所広司、ふたりの静かなセッションが描き出す美しき日々。  
(引用ここまで)

🌿 🌿 🌿 🌿 🌿 🌿 🌿

もしも、これから見てみたいとお考えなら、これ以上の情報は入れないほうが良いと思います。
公式ホームページも事前にご覧にならないほうがいいし、下に書いたことも読まないほうがいいと、私は思います。
👇🆖

なので、ネタバレ注意⚠です❗

同じような日々が繰り返されるのですが、全く同じという訳ではなく……
一日の終わり、平山が寝入る前に必ず木漏れ日の映像が流れるのね。
何度も何度も流れるものだから、途中からちょっと不安になったのですよ。
良くないことが起こらないといいなぁと。

カセットテープ、古本屋の100円の文庫本、フイルムカメラ、手作りの盆栽。

これらが役所広司さんの手にかかると全てが愛おしいのです。

平山はスカイツリーが見える下町に住んで掃除道具を積んだ自分の車で職場まで移動する。
職場は渋谷区の公共トイレね。
その日のシフトに合わせて順繰りにいくつか。
これがまた、どれひとつとして同じものはなくおしゃれなんだわ。
そして、昼ごはんを食べるために立ち寄る神社の参道のベンチに腰を下ろして、樹々を見上げる。
木漏れ日が光る。
それを写真におさめる。

良くないことは起こらなかったけれど、平山の周囲が動きだします。

木漏れ日はひとつとして同じにはならない。
同じように過ぎていく毎日だけれど、2度として同じ日はなく、毎日は一瞬の木漏れ日のよう。
だからね、変化のない日々でも、今日は今日しかないんだよ。
タイトルが「木漏れ日」でも良かったかもと思いました。


平日午後だし〜空いているよね~と思ったら予想外に混んでいました。
見終わってからそれも道理だと思いました。
安易に使いたくない言葉だけれど、語彙力がないので使うけれど、癒やされたひとときだったのでした。
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途中経過・4

2024-01-20 22:02:23 | 観劇の周辺
寒中お見舞申し上げます。

今日は大寒です。
能登の地震から3週間になろうとしていますが、現地の方々が暖かく過ごせますように。
寒い中、現地で作業をなさっている方々には感謝しかありませんが、健康を損ないませんように。
祈るばかりです。

🌿 🌿 🌿 🌿 🌿 🌿 🌿

こんなに大変な思いをしている人たちがたくさんいるのに、こんな話題ですみません。

12月からの宝塚歌劇団の動きを簡単にまとめようと思います。

◆12/5
公演日程の見直しが発表されました。
労働基準監督署の勧告を受けてあわてて💦という面も否めません。

星組大劇場公演と東京公演、花組大劇場公演、雪組東京公演のそれぞれの公演回数を減らし、新人公演については東京のみとしました。
しかし、大きな問題が!
すでに前売り済みの公演が複数あり、大ブーイングに。
お正月休みにムラで観劇するのを楽しみにしていた方がたくさんいたと思います。
救済措置として消えた公演のチケットを持っていた方には、同組の次の本公演のチケットを用意するようですね(公にはされていませんが)。
何もしないよりはずっといいけれど、星組初日の2週間前の発表は、やっつけ仕事としか見えませんでした。
労基署の勧告に従いましたよ〜これでいいですよね~的な。

月組の梅田芸術劇場公演とバウホール公演は当初の日程での公演ということです。

◆12/19
宙組博多座公演とバウホール公演の中止が発表されました。
これは当然でしょう。
道義的な問題が大きいですが、宙組のメンバーのモチベーションが現時点では定かでありません。
有愛きいさんのご遺族との接触は出来ているのでしょうか?
宙組生徒さんたちはご遺族と会う機会は訪れるのでしょうか?

花組東京公演の日程変更の発表。何公演か少なくなりました。
トップコンビの退団公演なのに、東西で10公演くらい減りましたか?

110周年ということで予定されていた、祝賀式典、タカラヅカスペシャル、大運動会の中止が発表されました。
これについては、111周年にあたる2025年に行うのではないかと個人的に思っています。

雪組の全国ツアーは1公演減りましたか?。
2公演✕3日連続がなくなったのは良かったです。

◆12/25
本来ならば宙組東京公演の千秋楽の日です。
この日付で、退団を発表していた宙組生2名(優希しおんさんと花宮沙羅さん)のお名前が公式ページからひっそりと消えました。

◆12/26
雪組トップスター彩風咲奈さんが退団を発表されました。
劇団に対するはっきりした物言いは退団が決まっているからだという憶測がありましたが、やはりそうでしたね。
咲ちゃんの退団については別に書きたいと思っています。

◆23年内に立ち上げるはずだった調査委員会?の立ち上げを歌劇団は断念したようですね。誰も火中の栗は拾いたくのでしょうか?かえすがえす、最初の調査委員会をきちんとしたものにしておけばと、歌劇団の初動の甘さが露呈するばかりです。

その他、文春砲では演出家さんたちもかなり叩かれていましたね。
鵜呑みにはしませんが。
芸術家の世界は特殊とは言われるものの・・・尋常ではない部分があるのは否めないようですね・・・


あくまでも個人の備忘録なので間違いもあると思います。
(しかもひと月も前のことを書いている・・・)
その際は申し訳ありません。


現在は、星組、雪組、月組(梅芸)が公演中で、もうすぐ月組バウホール公演も幕を開けるでしょう。
どの公演も完走できるといいですね。
花組の新しいトップコンビも発表されまして、また楽しみがふえました。
こう書いていくと、あの日以前に戻りつつあるようですが・・・
ぜんぜんそうではありません。
いちばん怖いというか避けたいのは事実の風化です。
宝塚歌劇団全体から膿を出し切らねばならない問題なので、宙組ばかりを問題視するわけではないのですが、やはり当事者としての宙組の動向は気になります。
宙組の先行画像が出て、お稽古が始まって、有愛きいさんのご遺族との関係は何も改善しないままに、しれっと幕が上がる・・・
これだけは避けてほしいし、避けてはいけないことだと思います。

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昨年のクリスマスプレゼント

2024-01-15 16:07:22 | 映画やテレビや音楽のこと
寒中お見舞申し上げます。


今更の話題ですが、お付き合いください。

プレゼントとは言ってもモノではないのです。
「とても濃密で胸高鳴る時間🎁」をもらったのです。
プレゼントしてくれたのは、大空ゆうひ様💖

どういう事かと言いますと・・・

我が市の某ホールで某イベントがありまして、そのゲストでゆうひさんが来てくれたのでした。
なんということでしょう❕
家から車で5分の距離にゆうひさんが💖



はい、クリスマスイヴイヴのこういうイベントです。
指揮者の山田和樹さんが音楽のお仲間を招いての、トークと歌と演奏の2時間だったのでした。

ふふふ・・・最前列で拝見しました💖
ゆうひさんにお会いするのは、丸4年ぶり(前回は19年12月でした)。
もう、彫刻のように綺麗で見とれるばかり💖
X(旧Twitter)で見るお写真よりも痩せられているような気がしました。
マキシ丈のスカートが黒だったのですが、紅い爪の指が映えること。
でも、トークやら音楽を使った言葉遊びなどでは、臨機応変の頭の回転の鋭さを発揮。
ああ、いつものゆうひさんの声だわ〜変わってない〜🤩
そして、歌も何曲か聴かせてもらえました。

歌ってくれたのは(順不同)

「♪化粧」(中島みゆきさん)……「わたしが選ぶと暗い系の歌が多いんです」と言っていました。伴奏はフリージャズピアニストの栗田妙子さん。(栗田妙子さんが参加されることを当日に知ったワタシ。最初はヤマカズさんとゆうひさんのおふたりの予定でした。が、途中で栗田さんの参加が決まって別刷りのフライヤーが出たらしいです。写真は手許にあったフライヤー)

「♪瑠璃色の地球」……ゆうひさんの音域に合わせた低めのキーで。大好きな曲なのでとても嬉しい。伴奏はヤマカズさんと栗田さんの2台のピアノで贅沢に。ヤマカズさんに「アルトですか?」と訊かれて「声質はソプラノらしいのですけど」「人間は生まれたときみんなソプラノなんですよ」とヤマカズさん。

「♪愛の讃歌」……あまりにも有名なこのシャンソンを歌詞の一言一言を愛おしむように大切に歌ってくれました。やっぱりゆうひさんにはシャンソンが似合う💖

「♪いつかの歌のように」
「♪花鳥燈華」
2曲ともゆうひさんのオリジナル曲です。忘れかけているファン失格のワタクシ⤵ゆうひさんが歌いだして、こんな感じだったわね〜と。CD持ってるのに💦

素材は準備してあったものの、基本的にはノープランらしく、ゆる~い進行。

協賛企業名(地元の会社が10社くらい?)をゆうひさんがいろいろな声音で読み上げて、その声音にあった演奏を瞬時に栗田さんがやったり。

「七つの子」(からす、なぜなくの〜です)の歌詞や、芭蕉の俳句をゆうひさんが読み上げて、ピアノと即興のセッションをしたり。芭蕉のほうは、ピアノ2台との豪華セッション🎤🎹🎹
これは読み上げるタイミングが大事ですね。
ある程度、演奏を聴いて雰囲気をつかんで、そのままの雰囲気でいくか?ここで流れを変えてしまうか?の瞬時の判断も求められます。

クリスマスイヴイヴですからね、ヤマカズさんと栗田さんの2台のピアノでのクリスマスメドレーもたっぷり聴かせてもらいました🎄🎵🎶

というふうな、盛りだくさんの内容で2時間。

最後はアンコールに答えて、ヤマカズさんと栗田さんがパラパラと「♪愛の讃歌」を演奏し、ゆうひさんが途中から加わって歌う……という感じでした。

ひたすら楽しかった〜🥰🥰🥰


開場を待っているとき、前にあきらかにゆうひさんのファンとわかるおふたり連れ(遠征組)がいらして、思いきって話しかけさせてもらったら、快く話の輪に入れていただいて、どうもありがとうございました☺️🙇

ヤマカズさんが絶讃されていた地元の和スイーツ。前に手土産に使ったことがあるのですが、先様の感想を聞けなかったので、まあふつうなのかな~と思っていました(箱売りしかしていないので、自分で買って食べたことがないのです💦)。ヤマカズさんのお墨付き(実はゆうひさんも)ならば、これからは手土産にどんどん使おう、と思ったのでした☺️


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『光る君へ』つれづれ

2024-01-10 18:40:11 | 映画やテレビや音楽のこと
24年の大河ドラマ『光る君へ』が今週から始まりましたね。

「源氏物語」が好きなので楽しみにしていました。
好きとは言っても通読したのは、円地文子先生の訳と「あさきゆめみし」だけですけれど💦
そして、今「源氏物語」マイブームが来ています。

紫式部の人と成りはほとんどわかっていなくて、脚本の大石静さんによると幼少期のエピソードは、ほぼオリジナルだそうです。
だから、まひろという名前ももちろんオリジナル。(一説には香子ではないか?とも言われていますね)

しかし、初回の放送を見る限り、今後に繋がる伏線がたくさん張られているなぁと思いました。
何よりも驚いたのは初回にしてまひろの母が亡くなってしまったこと!
え?ええーっ!と息を呑みました。
そのあとも切なかったですね。
父に「病で亡くなったことにするのだ」と言い含められて。

一方、道長はというと、元服前で三郎と名乗っていて、まだ海の物とも山の物ともつかない感じ。
ただ姉の詮子との仲の良さは初回からクローズアップされていました。
「怒るのは嫌いだ」というセリフが心に留まりましたが、娘の彰子とその所生の皇子たちのためなら何でもやってのけた望月の人は、どのようにして出来上がるのでしょうね。

番組HPを見ますと、まひろと道長の関係は【ソウルメイト】とあります。


最近、興味深い「源氏物語」解説本を読みました。
大塚ひかり氏の『嫉妬と階級の源氏物語』(新潮選書)です。

これによると、藤原道長とはそんなに遠くない先祖はいっしょだったのに、紫式部の家系は受領階級にまで落魄れてしまった。
それが紫式部には悔しくてならなかった。
道長と関係を持ったものの受領階級の子女では道長の妻どころか妾でもない「数ならぬ身」の【召人(めしうど)】としてしか扱われない。
紫式部が「源氏物語」の桐壺帝を、醍醐帝をモデルにしたのは、自分の先祖が殿上人として華やかだった時代だから。
一族の娘も入内し、皇子をもうけたそうです。

だから受領階級の子女である明石の君を幸せにしてやっている(娘の明石の上は国母)。
これは受領階級の子女である紫式部の願望なのではないかと。

それなりの家に生まれたのに受領階級の妻になった空蝉には、落ちてしまった身分を嘆かせるとともに凛とした態度を取らせている。
夕顔の娘で、筑紫で育てられ上洛して源氏に引き取られた玉鬘の生き方も詳しく描き、好意的。
また八の宮の召人から生まれた娘の浮舟(八の宮に認知されていない)にもかなりの枚数を割いている。
それもこれも、受領階級の子女である紫式部ならではの目線なのではないかと。
そして彼女らの生き方におのれの思いを語らせたのではないかと。

などなど目から鱗の解釈が、満載だったのでした。

だから、ソウルメイト=召人かと考えたのですが、大石静さんの考える?目論む?道長とまひろ(紫式部)の関係は、きっとそんなに軽々しいものではないのでしょう。


そして、角田光代さんの訳の「源氏物語」が文庫になりましたので、今年はその全8巻を読み通したいと思います😐
全3巻でハードカバーで出版されたときは、購入を躊躇ったのです。厚いし高いし積読本になりそうだし。
でもお手頃価格の文庫版なら、もし訳文に馴染めなくて読む気になれなくなっても、潔くリタイアできます。

で、昨秋発売の第1巻は読み終えたのですが、読みやすい訳文だと思いました。
「源氏物語」に深い思い入れがない角田光代さんなので、文章に余計な感情が入りこまず淡々としていて、感じ方は読者に委ねるところがいいのかなーなどと勝手に考えています。


さて、『光る君へ』に話を戻しますと、ドラマでは「源氏物語」を再現したりはなさそうですね。
当時の日本の人口がどれくらいだったかはわかりませんが、家族を入れてもせいぜい数百人の平安貴族たち。
確かにとても狭い世界の中での物語ではありますが、今後の展開が楽しみですね。
「お花畑の貴族社会のおとぎ話」で終わらない骨太な脚本だといいな!


さて、ここからは、どうでもいいひとり語り💦🙇
この時代の人物でいちばんの推し(笑)は藤原行成さん。
能書家で有名ではありますが、名門の生まれなのに、祖父と父が早くに亡くなり後ろ楯もなく(花山天皇の外戚であったが花山天皇は早々と失脚した)、無官だった時代もあり・・・一条天皇の蔵人頭になってからは実力を発揮して重用されました。
彼と清少納言とのやりとりが「枕草子」に記してあって、おふざけで詠んだ和歌が後世まで伝わる破目になりました。
祖父も二十歳で亡くなった父も歌人だったので、こんな戯れ歌が後世に伝わってしまうとは😱と草葉の陰で忸怩たる思いなのではないかな?
道長寄りの人物ととらえられていますが、定子所生の敦康親王の家司を最後まで勤めるなど、義理堅い人物でもあったようです。
コメント (2)
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