夢うつつ♪つれづれ草子

書いて残しておきたい事が、たくさん出来ました(*^^*)
自分自身のための備忘録なんだけれど…いろいろ書きたいな♪

『一度きりの大泉の話』読みました!

2021-05-21 12:22:11 | 小説や漫画や映画やテレビや音楽のこと。



不器用で繊細で、ご自分にあまりに正直な、萩尾望都先生の長い長い独白でした。
感情を抑えて淡々と綴られた文章の行間から感じられるのは、時には切なさでした。
とはいえ、当事者の口から語られる少女漫画の黎明期の歴史は、いきいきとしてたくましくもあり、興味深かったです。
とても読み応えがあります!
(5月のアタマに一気に読んで、「blogに書きたい!」と思ったものの、内容の複雑さになかなかまとめられませんでした。でも、今にして思えば、読んだ直後の興奮そのままに書いたほうが良かったです。鉄は熱いうちに打たないと!!)


「萩尾望都先生と竹宮惠子先生が、一時期、大泉でいっしょに暮らしていた時期があって、そこは《大泉サロン》と呼ばれて、後年活躍することになるたくさんの少女漫画家さんたちが出入りしていた」というざっくりしたことは、知っていたのですが、これはそんな時代の、萩尾望都先生の目線での《大泉ストーリー》です。

※大泉は西武池袋線の大泉が最寄り駅。池袋駅から20分くらいでしたでしょうか?学生時代に私は、ひとつ手前の石神井公園駅あたりに住んでいたので、時代は多少違うのですが、勝手に親近感をいだいてしまいます。


萩尾望都先生と竹宮惠子先生を語る上で、重要な方がいます。
増山法恵さんという、おふたりを繋ぎ、おふたりの創作活動にも影響を与えた、おふたりと同年代の方です。

竹宮惠子先生に「いっしょに住みましょう」と誘われて、萩尾望都先生が漫画に専念するために上京したのが、1970年10月のこと。
両先生ともすでにデビューして、新人ながらそれなりの評価を得ていました。
当時、望都先生と文通していた増山法恵さんが見つけてくれたのが、大泉に住んでいた増山さんのすぐご近所の、あまりきれいではない(笑)物件でした。
2階建てで、ここは誰の部屋、とか決めないで、全て共同で使っていたということ。
おふたりの仕事が忙しくなり、名前も売れてくると、デビューしたての漫画家さんや漫画家志望の方々の出入りが頻繁になります。
アシスタントに入ってもらったり、漫画について語り合ったり。
本のなかには、《大泉サロン》を訪ねてきた漫画家さんや望都先生と交流のあった漫画家さんの名前がたくさん出てくるのですが、多士済々、おお、あの方もこの方も、という感じで、驚くと同時にとても懐かしかったです。
因みに《大泉サロン》と名付けたのは、出入りしていた漫画家さんのおひとりだそうです。

望都先生は増山さんに勧められて、いろいろな本を読み映画を見て、それは創作活動の糧になっていったとのこと。
そして、増山さんには温めていた物語があり、望都先生にも語ってくれましたが、竹宮先生とは意気投合して熱く語り合っていたということ。
竹宮先生と増山さんは「少女漫画に革命を起こす!」と意気込んでいたということ。
そんな中で、竹宮先生は『風と木の詩』の構想を徐々に固めていったそうです。
その頃、望都先生は『ポーの一族』の連載をスタートさせていて、やがて「小鳥の巣」を発表したのでした。
ギムナジウム、転入生、薔薇、少年たちの友情・・・
才能溢れる創作者たちの間に齟齬をきたしても、それは仕方がなかったことなのかもしれません。
しかも時代は、少女漫画が次々と新しい扉を開けていった黄金時代に突入したての頃。
「何か新しいものを描きたい!」という気運が漲っていました。

そうして・・・
1972年11月頃に《大泉》から引っ越して下井草に別々に住むことになって(徒歩圏内)、その下井草でおふたりの別れは突然、やってきたのでした。
望都先生にとっては、考えても考えてもよく訳のわからない経緯だったようです・・・
ただ、「私は配慮が足りなくて、どこかで人を傷つけてしまったのだ。(中略)もっと用心して人に接しよう (本文より引用)」というのが、何とも切なくて・・・

そのような状況下で「小鳥の巣」は描かれていたのですね。

その後、望都先生は「空気がきれいでいいわよ」と勧められて、埼玉の木原敏江先生のご近所に引っ越されたそうです。(1973年5月頃。)
木原先生には何度か、「個性のある創作家がふたり、同じ家に住んではダメなのよ」と言われたそうです。

望都先生と竹宮先生の訣別については、まわりの漫画家さんたちは詳しい事情はわからないまでも、それぞれ大人の対応をしてくれたそうな。


この本のうしろの1/3くらいは、この別れがあったあとに、望都先生が創作についていろいろと考えたことや、現在の心境などが綴られています。

この本の執筆は、2016年に竹宮惠子先生が発表された自叙伝的な『少年の名はジルベール』をきっかけに、萩尾望都先生にも《大泉》時代の取材依頼が増えて身辺が騒がしくなってきたせいだと思われます。
取材をお断りしてもきりがないので、一度だけはっきりと発表して、あとはもう構わないでおいてください、という萩尾望都先生の決意表明!
先生の望むように、「大泉のことでどなたかに利用されるのも、お断り申し上げたい。過去は再び埋めて、静かに暮らしたい。(本文より引用)」となりますように。

辛くて閉じ込めてしまったはずの想いを、こんなにも詳しく真摯に語っていただき、どうもありがとうございました。






そしてこれは萩尾望都先生の《大泉ストーリー》でしたので、『少年の名はジルベール』の方も是非、読んでみたいと思います。

~♪~♪~♪~♪~♪~♪~

月刊「Flowers」で『ポーの一族』の連載が半年ぶりに再開しています。
4年前の作品の再開以来、時代はあちらへこちらへと時空を飛び、モーさまの壮大な構想を感じます。
絵柄は多少変わってしまいましたが、この後の展開がとても楽しみです。
アランはいつか必ず復活しますよね!
エドガーがひとりでずっと生きていくのは寂しすぎる・・・



コメント (2)
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『アウグストゥス∕Cool Beast!!』大劇場千秋楽LIVE中継

2021-05-14 17:15:28 | ライブビューイング・配信
無観客で中継・配信されました。

🌼花組 大劇場千秋楽
 5月10日(月) 13時開演

🌼『アウグストゥス -尊厳ある者-』(作・演出 田渕大輔)

お芝居は初代ローマ皇帝になったアウグストゥスの話。
この時代の歴史に疎いせいもあるのでしょうが、うーん、入り込めませんでした。
カエサル(夏美ようさん)の凱旋式で、父の敵を打とうとしたポンペイア(華 優希さん)をアウグストゥス=オクタヴィウス(柚香 光さん)が、許し合うことが真の和解、と言ったあたりの導入部は興味をそそられたのですが・・・
オクタヴィウスとポンペイアが、物語の核心に迫っても一向に絡まない・・・雲を掴むような絡みしかないなぁ、と感じていましたら・・・その秘密は最後に明かされました。
拍子抜け😖⤵️
歌よりダンスより何より芝居が上手い華ちゃんのラストステージには役不足だなぁと、主役とヒロインがきちんと渡り合うお芝居が見たかった、と、とてももやもやしたのでした🥺

だからオクタヴィウスが悩んでも一人芝居のようになってしまい、空回りしている印象になってしまいました。
という残念な脚本だったのですが、れいちゃんはビジュアルは最高で、アントニウスとのやりとりには緊張感があり、アグリッパやオクタヴィアとは時にはほのぼのと、いろいろな表情を見せてくれました。

野心家のアントニウスに瀬戸かずやさん。敵役ではありますが、クレオパトラと出会ってから人生が変わっていくさまがドラマティックで、こちらは、あきらくんに相応しい最後の役だと思いました。

クレオパトラの凪七瑠海さんは女役が似合いますね。

オクタヴィウスの友人で補佐役のアグリッパの水美舞斗さんが、猛々しい武人の役なのだけれど、瞳が温かく笑顔が素敵でした。

カエサルを暗殺するブルートゥスに永久輝せあさん。
爽やかで凛々しい✨

で、今回のカエサルは「ブルートゥス、お前もか……」がありませんでしたね。
無いとさびしい言葉です😛

カエサル、ブルートゥス、とくれば、『暁のローマ』を思い出さずにはいられません。
2006年の作品なのでどれくらいの方が知っているのでしょうか?
あれはかなり簡略化された舞台装置(ローマの円形劇場をイメージしたもの?)と、衣装も脇やモブはかなりシンプルでした。
『暁のローマ』ではカエサル暗殺にいたるブルートゥスの心情が丁寧に描かれていたこともあり、今回はあっさりし過ぎて、物足りなさを感じました。
衣装については、時代に合っているのか疑問なものもありましたが、『アウグストゥス』の方が、断然見応えがあったと思います。
『暁のローマ』がブルートゥスの死で終わっているので、今回の『アウグストゥス』はその後の物語よね-と思いながら、見ていました🙂

娘役では、大神官の華雅りりかさんが高位の役に相応しく、オクタヴィウスの姉・オクタヴィアの音くり寿さんの歌はやはり聴きやすかったです。
クレオパトラやオクタヴィアの心情はわりと丁寧に描写されていたので、華ちゃんのポンペイアの(脚本上での)人物造形のあっさりし過ぎが、際立ってしまいました。


🌼『Cool Beast !!』(作・演出 藤井大介)

こちらは、花組はショーの組❗️😃というのを実感させてくれたショー。
美穂圭子さんが出演しているのを忘れていて、幕開きすぐに歌声を聴けて思いがけず嬉しかったです😃
カチャもシンガーとしての出演でしたね。

野獣=れいちゃん、花=華ちゃん、人間=あきらくん、というトライアングル。

れいちゃんが裸足で踊る場面、猛々しかったです😃
マイティやひとこさんの場面もあり、笑顔もすてきで頼もしかったです。
そして、大階段でスポットライトを浴びるあきらくん。
旧き良き時代の花男でした👏
男役の群舞は白燕尾で、黒塗りの舞台化粧に映えて、振りがすてきだな、と思ったら、羽山紀代美先生の振付だったのですね。
華ちゃんは大人の雰囲気があり、歌だって下手ではなく、早い退団が本当に惜しまれます😢
しかし、やっぱりショーは劇場で舞台全体を見ないと楽しめませんね😢

舞台上のいろいろな場所を4分割くらいにして映して、自分でお好みの画面をズーム出来るような配信があればいいのにね。(遠くない時期にそうなりそうな気もしますが、そのためにはアーカイブ配信が欲しいですよねー)


そして、『華 優希 サヨナラショー』。
華ちゃんは100期生なので、同期といっしょに「♪花詩集」から始まりました。
薄紫のドレスがとても可愛くて、もちろん華ちゃん本人も、ショーのどの瞬間を切り取っても超絶可愛かったです✨❇️
華ちゃんがいったん捌けたあとは、あきらくんの登場で、主演作や代表作のナンバーを何曲も歌ってくれました。(もし、2番手単独退団だったら、サヨナラショーが出来たのですよね?)
華ちゃんの代表作のナンバーが出尽くし?いったい何の曲で組のみんなと盛り上がるのだろう?と思っていたら、「♪Exciter」でした。
全ツでれいちゃんと組んでやっているのですね。
みなさん、いきいきと楽しそうです。
初演では、大階段を使った幕開けがかっこ良く、当時のトップ娘役の桜乃彩音さんが銀橋に出て踊るのもオトコマエで、また男役にとっても踊りながらたくさんアピール出来る花男にうってつけのショー。
このショーの再演時のお芝居であきらくんが新公主演を果たしたはず。(著作権の関係で映像が見れませんね😢)
「♪Exciter」が花組の代表作になったのも感慨深いものがありました。


無念なことに、無観客での階段下り、ご挨拶の千秋楽でした。
花組のみなさんが、大きな拍手で応援していました。
東京公演では、お客さまの前で公演出来ますことを願ってやみません。

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『ホテル スヴィッツラ ハウス』LIVE中継

2021-05-06 23:55:16 | ライブビューイング・配信
ひとつだけ観るとしたら、多くの方が「エリザベート・ガラコンサート」の配信を選んだであろう5月5日🎏

大阪での全日程が中止になってしまった(東京公演はやり遂げています)宙組公演のLIVE中継を見にいきました。
最初はエリザの配信を見るつもりだったのですが、公式HPで解説を読んだりしているうちに、「この時代のこのテーマなら見たい!せっかくだから映画館で。」となりまして、急遽、チケットを買いました。
(でも時節柄?映画館での一般発売はなくて、ぴあで買うしかなくて…手数料がけっこうかかるのよね…)

ある程度の期待はして見にいったのですが、これがものすごく良かった❗️
芸術表現に困難が襲いかかった第二次世界大戦下のヨーロッパと、現在の状況が奇しくも重なって、「劇場が生みだす魔法」を身をもって感じる結果となりました。

❇️『ホテル スヴィッツラ ハウス』
 ・5月5日 16時30分 開演
 ・梅田芸術劇場メインホール
 ・作・演出 植田景子

以下、微妙にネタバレしています🙇

中立国であるスイスには、戦時下の情報を求める人々が暗躍し、その一方で芸術を守ろうと熱い思いをかかえる人々も集まります。
そんなスイスのサンモリッツの「ホテル スヴィッツラ ハウス」を舞台に繰り広げられる様々な人々の様々な人生。

まず最初にアップになったゆりかさん(真風涼帆さん)の表情に射抜かれました。
思慮深さと清々しさが同居している大人の男。
この表情を見ただけで、この作品への期待が高まりました❗️
ロベルトは外交官を装いその実は諜報員という仕事柄、クールを装いながらも潤 花ちゃん扮するバレエダンサーのニーナに惹かれていき・・・一度は別れを決意し・・・というドラマチックな役です。
最近のゆりかさんの役ではいちばん好きかも😃

新しい相手役の潤 花ちゃんはバレエダンサーのニーナ。ホテルで行われるバレエ公演で踊るためにパリから来ました。
ダンサーだけあって、さすがにバレエシーンは上手いです。
またいろいろと苦悩する役なのですが、潤 花ちゃんの持っている少し大人びた雰囲気に合っていて、ゆりかさんとの相性の良さを感じました。

キキちゃん(芹香斗亜さん)はバレエ団のスポンサーで富裕な実業家のヘルマンですが、謎の多い人物です。
クールで淡々とした演技で「いったいこの人はどういう人なのかしら?」という謎をたっぷりと感じさせてくれました。
でも愛が報われる役ではないのよね・・・😢
最近はキキちゃんの眉間の皺ばかり見ている気がします。

ところで、キキちゃんの2番手歴って長過ぎませんか?花組時代に、望海風斗さんが雪組に異動になって以来だから6年くらい?
以前自分の下にいた95期のふたりに追い抜かれてしまった・・・😢
とはいえ、新コンビになって演目の幅が拡がるであろうゆりかさんをもう少し見ていたいし・・・
キキちゃんって「トップにするための2番手」だよね❗️

キキちゃんと行動を共にしている若い未亡人アルマが遥羽ららちゃん。
登場シーンはかなり多くて、ちゃんとストーリーに絡む大きな役で、ものすごく魅力的でした。
(景子先生が2番手の娘役をちゃんと描くのは珍しいですね💦)
コケティッシュで大人可愛い。
本公演でも、もっと大きく扱ってほしい娘役さんです。

ずんちゃん(桜木みなとくん)は才能ある振付師でバレエダンサーのユーリー。
ストーリーの芯には係わってはこないものの、戦時下のバレエダンサーというか芸術家の苦悩を表すようなエピソードがありました。

瑠風 輝くんはゆりかさんの仕事仲間のジャーナリストのエーリク。
誠実さがにじみ出ていました。
誰とでも合わせられて、どういう感じの役でも出来るのがこの人の強みだと思うのですが、もう一皮剥けてほしい。
98期もすでに研10で立派な中堅。
男役10年の真価が試される時期ですね。

専科からは万里柚美さんが心を病んでしまった子爵夫人で出演。
独特の品の良さがあってぴったりでした。

品の良さといえば、すっしー組長(寿つかささん)のバレエ団の主宰者でロシアからの亡命貴族という役もぴったり。


古くさい考え方かもしれませんが、宝塚歌劇には品の良さはいつの時代にも必要だなと思います。
そのために演目の幅が狭まってしまっても、それが宝塚歌劇の個性なのだと思います。
無理して、外部の舞台を真似たり、時代の風潮に乗ることはしなくて良いと思う。
この作品のなかでの万里柚美さんの子爵夫人の台詞、「この世にまだこんな美しいものがあったなんて✨」
宝塚歌劇はいつの時代もそういう存在であってほしいです。

閑話休題。

その他、下級生にいたるまで生徒さんが役をもらっていて、たぶん初めて台詞の声を聞いたけれどいい声だと思ったり(澄風なぎくん)、歌が上手いと思ったり(春乃さくらさん)、最下級生なのに演技もバレエも上手いと思ったり(泉堂 成くん)、発見も多かったのでした。


ゆりかさん扮するロベルトが追っているスパイは誰?というストーリー(いろいろなエピソードが絡まってわりと複雑。寝ると置いていかれる😁)が表にあって、それはそれでミステリー仕立てで面白かったのですが、やはり、この作品が伝えたい真骨頂は、「自由に芸術を謳歌できる時代はきっと来る!」「芸術を戦争の犠牲にしてはならない」ということ。
キキちゃん扮するヘルマンも、すっしーさん扮するバレエ団の主宰者も、ららちゃん扮するアルマも、そのためには命を惜しまない。

互いの感情を受け入れたロベルトとニーナは、再会を約束しながら、いったん別れます。
たぶんここで、ラストにしてあとは見ている人の想像の赴くままに・・・とする演出も有りだとは思いますが(外部のストレートプレイならそうなりそう。)・・・もやもやが残ることは否めません。

そこはちゃんと後日談がありまして☺️🎶


ラストは戦争が終わった1947年のホテル・スヴィッツラハウス。
バレエダンサーとして成功をおさめたニーナは、エーデルワイスの花束💐をかかえたロベルトと再会します。
かなり重いストーリーではありましたが、しみじみと良かった~と思ったのでした。


この舞台は配信しかしていないのですよね。
ということは、カメラが捉えていないモブの芝居というのは、誰も見ていないわけで・・・
それでも生徒さんたちは後方や隅っこで一生懸命に演じているのだというのは、よく伝わってきます!

無観客での配信公演は、この状況下での最善の選択であったとは思います。
でも、配信といえど、客席のざわめきや拍手がないことがこんなにも寂しいのだと、(スタッフを含めた)演者と観客双方の感情の高まりが《劇場》を生き物にするのだと、深く心に刻んだのでした。



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『エリザベート・ガラコンサート('16 宙組)』LIVE中継・2

2021-05-05 16:06:23 | ライブビューイング・配信
間が空いてしまいましたが、備忘録の続きです。


りくくんのルドルフは、繊細な役作りで、大好きなママ(シシィ)がずっと家を空けている間、彼なりに一生懸命生きてきたのだなぁと。
まぁさまと声の相性も良かったです。

せいこさんのゾフィーは再びこの役に巡り合ったことが嬉しくてたまらない、といった感じが伝わってきました。

天真みちるさんのツェップスは、まさにおじさま役者で、時間の経過がよくわかりました。

まりんさんのパパは温かいですね。

その他のみなさんも、丁寧な演技・歌唱で、宝塚の「THE・エリザベート」を堪能できました。
やっぱり、フルコスチューム・ヴァージョンは眼福ですね。
(でも、まぁさまのファンなのにトート閣下の衣装をあまり覚えていないことにプチ・ショック😣)


無観客とはいえ、パレードのあといったん幕は降りたものの、再び幕が上がって、せいこさん(純矢ちとせさん)が司会で、オーケストラの紹介のあと、何人かからご挨拶がありました。
頼りない海馬なのでどんどん忘れてしまっているのはお許しください・・・🙇

❇️みりおんのご挨拶(意訳)
「また、エリザベートが出来て嬉しいし、今まで共演したことがなかった方たちともご一緒できて嬉しい。」
(もっとたくさん話してくれたのですが……思い出せない😭)

❇️みっちゃんのご挨拶(意訳)
「去年、この話をいただいたときは、また男役がやれるか不安だったのですが、伴侶を得て子を持つ気持ちと改めて向き合うことが出来て、新しい役作りができました。このコンサートを観た小さな女の子から手紙をもらったのですが、将来、舞台の音楽を演奏する人になりたいと書いてあって、私たちの舞台を観て、オーケストラや衣装さんや照明さんやいろいろな仕事に興味を持ってもらえたら嬉しい」
みっちゃんは昨年、ママになったのですよね😃

❇️まぁさまのご挨拶(意訳)
「大阪だけで終わりかもしれないと思っていたので、配信という形でも公演出来て嬉しい。タカラヅカ・スペシャルでしか共演したことのない北翔さんとも共演できましたし・・・個人的なことになるのですが、花組で新人公演時代をいっしょに過ごした望海風斗さんと共演できて嬉しい。どうですか?」(と、のぞさまに話を振る。まぁさまは感極まって涙・・)

❇️のぞさまも感極まって・・
「いつかは(まぁさまと)いっしょにやれるかもと思っていましたけど、こんなに早くいっしょにやれる日が来ようとは・・・今度はお客様の前でやれたらと思います」
このガラコンサートが終わったら、のぞさまはどういう方向に進んでいくのでしょうか?
楽しみですね😃


無観客の公演しかできなくなり、出演者のみなさんはモチベーションを保つのが大変だったかもしれませんが、シアターorbから遠く離れた地で、こうやって公演を楽しめて、感謝です🎵


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『エリザベート・ガラコンサート('16 宙組)』LIVE中継

2021-05-03 01:07:00 | ライブビューイング・配信
ライヴビューイングの備忘録です。

❇️『エリザベート TAKARAZUKA25周年 スペシャル・ガラコンサート』

✴️5月1日(土) 12時開演

✴️'16年 宙組version
《キャスト》(敬称略します🙇)
・トート閣下・・・朝夏まなと
・エリザベート・・・実咲凛音
・フランツ・ヨーゼフ・・・北翔海莉
・ルイジ・ルキーニ・・・望海風斗
・ルドルフ・・・蒼羽りく
・ゾフィー・・・純矢ちとせ
・マックス・・・悠真 倫
・リヒテンシュタイン・・・芽吹幸奈
・マダム・ヴォルフ・・・大月さゆ
・ちびルドルフ・・・矢吹世奈

まぁさまとみりおんのトップコンビがそのままなので、'16年宙組ver.ですが、'14年の花組のメンバーも多数参加の公演です。

『エリザベート』は、ナンバーの流れが頭に入っているので、ゆったりとした気分で見ることができました。
「本当ならばここは盆が回るのよね」とか「トート閣下が銀橋から現れるのよね」とか思い出して懐かしかったです。
舞台のセットは基本的に5年前と同じ(だと思います)。
舞台上の生演奏で西野 淳さんの指揮。

『エリザベート』には見方や演出によっていろいろな角度からとらえられると思うのですが、まぁさまのトート閣下は、宝塚の王道、「物語を支配しつつも、苦悩する閣下」でした。
一幕最後でシシィが「♪私の人生は~私のもの」と高らかに歌いあげますが、その背後から現れたトート閣下の、何が何でもシシィの愛を手に入れてやる!という表情が本当に鬼気迫るものでした。
で、二幕では「♪私が踊る時」でシシィに差し出した手を振り払われてもまだ余裕があるものの、「死ねばいい!」と言って拒否されるあたりからはトート閣下の自信がだんだん崩れてきて。
ルドルフの死後、トートへの愛はなく、ただ死にたがるシシィを「死は逃げ場ではない!」と拒むあたりは、なんとかトート閣下は理性で踏み留まっている感じ。
そうして「♪最終答弁」を経て、ようやくシシィの愛を手に入れたトートの、まぁさまの表情はとても清々しかったです。
少年のようでもなく、帝王然として構えているだけでもなく、とてもバランスのとれたまぁさまのトート閣下だったと思います。
また、何度も何度もお着替えしたトート閣下のお衣装も、アップで見れて良かったです✨

今回初めて気づきましたが、トート閣下はけっこう拗らせ男子だったのね・・・
それと毎回思うのですが、「愛の湖を泳いで渡ろう」という歌詞・・・なんとかならないものでしょうか?聴いていてこそばゆい😝

みりおんのシシィは、全く危なげがなく、高音もきれいでした。
少女時代がすんなり嵌まっていて、これは見応えのあるシシィになるわねーという予感。
冷静に考えると、シシィの人生はわがままと無責任だらけなのですが💦そういう現実は一切忘れさせる、自分らしく生きることに一生懸命だったひとりの女性の物語を堪能できました。

フランツ・ヨーゼフのみちこさん。
シシィに求婚するあたり、下級生時代のみっちゃんの表情がふっと出てきて、懐かしかったです。
相変わらずの歌うまさん。

ルイジ・ルキーニののぞさまの透明感が半端なく感じました。
顔つきもものすごくスッキリしていました。
宝塚を3週間前に卒業して、10日後には舞台に立っているという離れ業。
夢の世界から解き放たれたのだけれど、現実世界にはまだ足を踏み入れていないという、ほんのひとときにしか出せないオーラなのだと思います。
ルキーニとしては、きっちりと仕事をこなしているという印象。
アップで映るのは嬉しいのですが、その目線の先がわからないのが残念です。
トート閣下をリスペクトしているのかとか、あの目線の先には誰がいるのだろうとか・・・

宝塚の生徒さんたちは、OGになってもこういう機会があれば、即座に男役スイッチが入るそうで、なので、卒業したばかりののぞさまも、現役で参加のまりんさんも全く違和感なく、カンパニーに溶け込んでいました。

(続きます)
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