明日からは9月です。
今さら~なのですが・・・
8月15日に映画館で月組の東京千秋楽のLIVE中継を見ました。
すぐにいろいろ書いてみたのですが、さっさとUPしたいところ、ちょっとUPする勇気が出なくて今に至ってしまいました。
でも、楽しめた部分もたくさんあったので、主に『桜嵐記』についてはUPしようと思います。
千秋楽の第一番の感想としては、「美園さくらちゃん、今までよく頑張ったね❗️👏」ということ。
たぶん、千秋楽を見てそういう気持ちになった方は多いのではないでしょうか?
私はこの最後の最後で、美園さくらちゃんがとても愛おしくなりました。
今後、美園さくらちゃんの過去作を見る機会もあると思うのですが、見方が変わることでしょう。
🈷️【桜嵐記】
上田久美子先生のオリジナル。
南北朝時代、南朝に仕えた楠木正行が主人公。
四条畷合戦をヤマ場に、南朝に仕える女房・弁内侍との悲恋を描きます。
「歴史をあるべき形に戻すために戦う」と正行に言わせているのは、ウエクミ先生らしい表現だと思いました。
以下、敬称略します。
楠木 正行(珠城りょう)、楠木 正時(鳳月 杏)、楠木 正儀(月城かなと)の三兄弟は、それぞれにキャラが立っていていい兄弟だなぁと思いました。
為すべきことは、真っ直ぐに為す正行。
「安全第一で」「戦いよりもこちら(料理)が好きだ」と言う正時、いいなぁ。ちなつさんに合うキャラですね💓(でも徹底的にブラックな役のちなつさんも見て見たい😃)
おちゃらけているようで理知的な正儀。その浪速言葉(で合ってる?💦)も相まって、清涼剤的なキャラでした。
弁内侍(美園さくら)。
北朝方にむごたらしく殺された両親と兄たちの仇をとるために、騙されたふりをして高 師直のもとに向かおうとしているところを、正行に救われます。
日本ものが似合う顔立ちではないのですが、佇まいや演技力で魅せてくれました。
プライドが高かった公家の女房が、ひとりの恋する女性になっていく様が可愛らしかったし切なかったです。
高 師直(紫門ゆりや)。
瞠目しました❗️あのプリンスなゆりやさんが、美しさをかなぐり捨てて挑んでいました。見た目だけでなく、上級生の貫禄やスキルもあって、師直の人物像がものすごく伝わってきました👏
この公演のあと、専科に異動が決まっていますが、正直なところ、「プリンスのままだったら、なかなか公演に呼ばれないかも😓」と心配だったのですが、この高 師直を見て「専科いけるかも」と思い直しました。
足利尊氏(風間柚乃)。
相変わらず達者な演技です。
北朝方に楠木一党を誘うために楠木の館を訪れる場面。
並み居る上級生たちをものともせずに堂々として、あの場面は見応えがありました。
後村上天皇(暁 千星)
世が世ならば賢帝なのだと思う。
理屈では南北朝は和議を結ぶべきとわかっていても、父・後醍醐天皇の呪縛から逃れられない心優しい帝でした。
桜の絶景の中で、正行に最後にかけた一言、「戻れよ」がじーんときます。
後醍醐天皇(一樹千尋)
迫力満点。
南朝の人々がいかに後醍醐帝を敬っていたかがよくわかる存在感。
楠木正成(輝月ゆうま)
三兄弟の父。
回想シーンでしか登場しませんが、後醍醐天皇の一の家臣としての存在感もあり、また、幼い三兄弟の父親としての温かさも感じられました。
ゆうまくんもこの公演のあと、専科に異動します。
『月雲の皇子』で夏美ようさんと堂々と渡り合う演技を見て、この人誰?と調べて、初めて「輝月ゆうま」を知りました。まだ研5だったので、驚いた記憶があります。
ジンベエ(千海華蘭)
この人にも瞠目しました❗️
こんなに演技が上手かったのだと。
ジンベエは、庶民の(=いわば観客の)目線で物語を見て語っています。
ジンベエ、生き延びて良かった~、と思いました。
百合(海乃美月)
正時の妻。
たおやかだけれど、強い意志を持った女性。
百合には、自分を離縁する正時のまことの気持ちが手にとるように分かっていたのでしょう。
黙っていても百合という人物像が伝わってきます。
老年の楠木正儀(光月るう)
物語の最初と最後を受け持ちます。
三兄弟は皆、戦いに散ったわけではなく、正儀は生き延びたと知るとホッとしますね。
(史実では、正儀のその後の人生は、北朝に付いたり南朝に戻ったりと波瀾万丈。その史実を盛り込んで、物語の世界観を揺るがせてしまう脚本家もいるだろうけれど、正儀のその後に一切触れなかったウエクミ先生の脚本はさすがと思いました。〈滅びの美学〉に撤していますね。)
老年の弁内侍(夏月 都)
自害せずに正行の菩提を弔う人生を送ったのですね・・・とこちらも生きていたことにホッとします。
(例え、配役が発表された時点で分かっていたにしても。)
美園さくらちゃんに寄せたメイクや口調で、人生の繋りを感じました。
白雪さち花さんや晴音アキさんが、居丈高な南朝の公卿を楽しそうに演じていました。(北朝の女房も演じていますので男女両方。)
もはや南朝の勝利はない。
武士たちだけでなく帝もそれがわかっている。
それでも戦いを止められない日々が続いていく。
史実ではあるのですが、ウエクミ先生の作劇のツボに嵌まったというか、しみじみと余韻の残る『桜嵐記』でした。
ショーでは、ちなつさんとありちゃんとさくらちゃんの三角関係のシーンが、スリリングでドラマチックで見ていてドキドキしました。
トップコンビのデュエットダンスで珠城さんが客席を見ている時が多く、最後だからさくらちゃんと眼を合わせると感極まってしまうからかしら?最後だから客席の風景を眼に焼きつけたいのかしら?とも考えましたが・・・さくらちゃんは相手役さんの横顔を見ながら踊っていたことになりますね。
そして、珠城さんのサヨナラショー、退団者のご挨拶と、滞りなく進みます。
光月組長が今後の日程を暗記していて、立て板に水のごとくにすらすらと👏
ゆりやさんとまゆぽんが、組を離れるご挨拶もちゃんとありました。
「まだ月組の紫門ゆりやです」って繰り返したゆりやさん。
研17ですもの、組を離れるのは寂しいですよね😢
退団者の階段降りのBGMは、「♪すみれ~」のピアノソロで、トップさんだけがオーケストラ演奏なのは知っていましたが、トップ娘役さんは「♪すみれ~」の前唱部分からのピアノソロでした。
いつもそうなのかな?
と、まあ、セレモニーは滞りなく進んで・・・
「え?この場でさくらちゃんにそんなこと言うの?」とざわっとした気持ちになったりしましたが・・・
さくらちゃんが「お世話になりました」と珠城さん個人に向けて御礼を言った珠城さんの返しが、あまりにも素っ気なかったので、悲しくなりました。
照れがあったのかもしれないし・・・自分だけでなく月組全体で美園さくらを見守ってきたのだよという気持ちが勝っていたのかもしれませんが・・・珠城さんの気持ちはご本人以外の誰にも分かりませんが・・・
もやもやしましたが・・・
このトップコンビは〈同志〉というより〈教師と生徒〉の関係に近かったのだな・・・と考えると腑に落ちる気がしました。
無事に公演が完走出来て(昨今、いろいろな舞台が休演や中止に追い込まれていることを考えると、あの大人数の舞台の完走は奇跡に近く、関係者の並々ならぬ努力の賜物と思います)、有観客の客席を前に、退団者の方々が階段を降りてご挨拶出来て、何よりでした。
これからの日々にも光がさしこみますように。
今さら~なのですが・・・
8月15日に映画館で月組の東京千秋楽のLIVE中継を見ました。
すぐにいろいろ書いてみたのですが、さっさとUPしたいところ、ちょっとUPする勇気が出なくて今に至ってしまいました。
でも、楽しめた部分もたくさんあったので、主に『桜嵐記』についてはUPしようと思います。
千秋楽の第一番の感想としては、「美園さくらちゃん、今までよく頑張ったね❗️👏」ということ。
たぶん、千秋楽を見てそういう気持ちになった方は多いのではないでしょうか?
私はこの最後の最後で、美園さくらちゃんがとても愛おしくなりました。
今後、美園さくらちゃんの過去作を見る機会もあると思うのですが、見方が変わることでしょう。
🈷️【桜嵐記】
上田久美子先生のオリジナル。
南北朝時代、南朝に仕えた楠木正行が主人公。
四条畷合戦をヤマ場に、南朝に仕える女房・弁内侍との悲恋を描きます。
「歴史をあるべき形に戻すために戦う」と正行に言わせているのは、ウエクミ先生らしい表現だと思いました。
以下、敬称略します。
楠木 正行(珠城りょう)、楠木 正時(鳳月 杏)、楠木 正儀(月城かなと)の三兄弟は、それぞれにキャラが立っていていい兄弟だなぁと思いました。
為すべきことは、真っ直ぐに為す正行。
「安全第一で」「戦いよりもこちら(料理)が好きだ」と言う正時、いいなぁ。ちなつさんに合うキャラですね💓(でも徹底的にブラックな役のちなつさんも見て見たい😃)
おちゃらけているようで理知的な正儀。その浪速言葉(で合ってる?💦)も相まって、清涼剤的なキャラでした。
弁内侍(美園さくら)。
北朝方にむごたらしく殺された両親と兄たちの仇をとるために、騙されたふりをして高 師直のもとに向かおうとしているところを、正行に救われます。
日本ものが似合う顔立ちではないのですが、佇まいや演技力で魅せてくれました。
プライドが高かった公家の女房が、ひとりの恋する女性になっていく様が可愛らしかったし切なかったです。
高 師直(紫門ゆりや)。
瞠目しました❗️あのプリンスなゆりやさんが、美しさをかなぐり捨てて挑んでいました。見た目だけでなく、上級生の貫禄やスキルもあって、師直の人物像がものすごく伝わってきました👏
この公演のあと、専科に異動が決まっていますが、正直なところ、「プリンスのままだったら、なかなか公演に呼ばれないかも😓」と心配だったのですが、この高 師直を見て「専科いけるかも」と思い直しました。
足利尊氏(風間柚乃)。
相変わらず達者な演技です。
北朝方に楠木一党を誘うために楠木の館を訪れる場面。
並み居る上級生たちをものともせずに堂々として、あの場面は見応えがありました。
後村上天皇(暁 千星)
世が世ならば賢帝なのだと思う。
理屈では南北朝は和議を結ぶべきとわかっていても、父・後醍醐天皇の呪縛から逃れられない心優しい帝でした。
桜の絶景の中で、正行に最後にかけた一言、「戻れよ」がじーんときます。
後醍醐天皇(一樹千尋)
迫力満点。
南朝の人々がいかに後醍醐帝を敬っていたかがよくわかる存在感。
楠木正成(輝月ゆうま)
三兄弟の父。
回想シーンでしか登場しませんが、後醍醐天皇の一の家臣としての存在感もあり、また、幼い三兄弟の父親としての温かさも感じられました。
ゆうまくんもこの公演のあと、専科に異動します。
『月雲の皇子』で夏美ようさんと堂々と渡り合う演技を見て、この人誰?と調べて、初めて「輝月ゆうま」を知りました。まだ研5だったので、驚いた記憶があります。
ジンベエ(千海華蘭)
この人にも瞠目しました❗️
こんなに演技が上手かったのだと。
ジンベエは、庶民の(=いわば観客の)目線で物語を見て語っています。
ジンベエ、生き延びて良かった~、と思いました。
百合(海乃美月)
正時の妻。
たおやかだけれど、強い意志を持った女性。
百合には、自分を離縁する正時のまことの気持ちが手にとるように分かっていたのでしょう。
黙っていても百合という人物像が伝わってきます。
老年の楠木正儀(光月るう)
物語の最初と最後を受け持ちます。
三兄弟は皆、戦いに散ったわけではなく、正儀は生き延びたと知るとホッとしますね。
(史実では、正儀のその後の人生は、北朝に付いたり南朝に戻ったりと波瀾万丈。その史実を盛り込んで、物語の世界観を揺るがせてしまう脚本家もいるだろうけれど、正儀のその後に一切触れなかったウエクミ先生の脚本はさすがと思いました。〈滅びの美学〉に撤していますね。)
老年の弁内侍(夏月 都)
自害せずに正行の菩提を弔う人生を送ったのですね・・・とこちらも生きていたことにホッとします。
(例え、配役が発表された時点で分かっていたにしても。)
美園さくらちゃんに寄せたメイクや口調で、人生の繋りを感じました。
白雪さち花さんや晴音アキさんが、居丈高な南朝の公卿を楽しそうに演じていました。(北朝の女房も演じていますので男女両方。)
もはや南朝の勝利はない。
武士たちだけでなく帝もそれがわかっている。
それでも戦いを止められない日々が続いていく。
史実ではあるのですが、ウエクミ先生の作劇のツボに嵌まったというか、しみじみと余韻の残る『桜嵐記』でした。
ショーでは、ちなつさんとありちゃんとさくらちゃんの三角関係のシーンが、スリリングでドラマチックで見ていてドキドキしました。
トップコンビのデュエットダンスで珠城さんが客席を見ている時が多く、最後だからさくらちゃんと眼を合わせると感極まってしまうからかしら?最後だから客席の風景を眼に焼きつけたいのかしら?とも考えましたが・・・さくらちゃんは相手役さんの横顔を見ながら踊っていたことになりますね。
そして、珠城さんのサヨナラショー、退団者のご挨拶と、滞りなく進みます。
光月組長が今後の日程を暗記していて、立て板に水のごとくにすらすらと👏
ゆりやさんとまゆぽんが、組を離れるご挨拶もちゃんとありました。
「まだ月組の紫門ゆりやです」って繰り返したゆりやさん。
研17ですもの、組を離れるのは寂しいですよね😢
退団者の階段降りのBGMは、「♪すみれ~」のピアノソロで、トップさんだけがオーケストラ演奏なのは知っていましたが、トップ娘役さんは「♪すみれ~」の前唱部分からのピアノソロでした。
いつもそうなのかな?
と、まあ、セレモニーは滞りなく進んで・・・
「え?この場でさくらちゃんにそんなこと言うの?」とざわっとした気持ちになったりしましたが・・・
さくらちゃんが「お世話になりました」と珠城さん個人に向けて御礼を言った珠城さんの返しが、あまりにも素っ気なかったので、悲しくなりました。
照れがあったのかもしれないし・・・自分だけでなく月組全体で美園さくらを見守ってきたのだよという気持ちが勝っていたのかもしれませんが・・・珠城さんの気持ちはご本人以外の誰にも分かりませんが・・・
もやもやしましたが・・・
このトップコンビは〈同志〉というより〈教師と生徒〉の関係に近かったのだな・・・と考えると腑に落ちる気がしました。
無事に公演が完走出来て(昨今、いろいろな舞台が休演や中止に追い込まれていることを考えると、あの大人数の舞台の完走は奇跡に近く、関係者の並々ならぬ努力の賜物と思います)、有観客の客席を前に、退団者の方々が階段を降りてご挨拶出来て、何よりでした。
これからの日々にも光がさしこみますように。