ヴァルトシュテッテン男爵夫人は香寿たつきさん。
二演目からの出演だから、初演メンバーとキャリアはあまり変わりません。
だから名曲「星から降る金」はとても堂々と歌い上げます。
その歌いぶりによって、男爵夫人がヴォルフガングに求める、「自分の才能を開花させるためには親からも故郷からも離れなくては」という主張がとても強く感じられます。
あげくに、二幕でも「星から降る」をリプライズして、「大人になった男にはもう父親は必要ないのよ」と言いはなち、結果的にヴォルフガングの苦悩が増してしまう…
涼風真世さんと香寿さんがWキャストの時は、涼風さんの方が、ヴォルフガングの才能により強い執着を示した役作りに思えたのですが、今回の香寿夫人は涼風夫人を超えていました。
「星から降る金」をどう聴かせるかで、ヴァルトシュテッテン男爵夫人の印象が変わってくるのですよね…
今回の新キャストの春野寿美礼さんは、どんな歌い方をしているのでしょう?
ナンネル・モーツァルトも新キャストになりました
花總まりさん。
誤解を恐れずに言ってしまいますが、芳雄くんファイナルなのだから、ナンネルは初演以来の高橋由美子さんでよかったのでは?と感じます。
花ちゃんにはこのあと、タイトルロールの大役が控えているのだし。
自分にも才能はあったはずなのに、“女”という理由だけで音楽への道を閉ざされてしまったナンネル。
そのあたりを高橋由美子さんは、地に足が着いた人間らしさを出して演じていたと思います。
花ちゃんは、良くも悪くも、この世の中で生きていくことの息苦しさを感じさせるナンネルでした。
ナンネルとレオポルドは、弟の、息子の才能をどこまで理解していたのか?考え出すときりがないのですが…
ヴォルフガングの才能を“憎むほどまでに愛していた”のは、コロレド大司教だったのかな?と思います…
さて、帝劇では千穐楽だったので、主要キャストのご挨拶がありました。
初演~3演目まで芳雄くんとダブルキャストだった中川晃教くんや、小池修一郎氏も登場して、和やかな千穐楽でした
まだ梅芸公演も残っていますしね
ご挨拶の模様は、カットなしで、toho channel がYouTubeにupしてくれていますので、興味のある方は、視聴なさってくださいね
(終わり)