夢うつつ♪つれづれ草子

書いて残しておきたい事が、たくさん出来ました(*^^*)
自分自身のための備忘録なんだけれど…いろいろ書きたいな♪

'21年に読んだ本の中から(小説)

2021-12-31 23:52:59 | 小説や漫画や映画やテレビや音楽のこと。
読書家ではないので、たいして本を読んでいるわけではありませんし、たぶん、傾向も偏っているだろうなとは思いますが、'21年に読んだ小説の中から印象深かった何冊かをまとめてみたいと思います。
ネタバレしていますので、ご注意ください。

📖『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ 中央公論新社 '20/4 発売)

'20年本屋大賞受賞作。
52ヘルツで哭くクジラがいるという。だがその声は他のクジラたちには聞き取れない。52ヘルツのクジラはその存在を一生誰にも気づいてもらえない。
ネグレクトされて母親に「ムシ」と呼ばれている少年。心に深い傷を負って辺鄙な村での生活を始める貴瑚(きこ)。関わり合うようになったふたりの再生の物語です。(←あまりにも大雑把な言い方💦)
印象的だったのは、よそ者を排除しているように思えた老人世代の真っ当な考え方が、最後には「ムシ」を未来に導いていってくれたことでした。


最近のブームなのかもしれませんが、ネグレクトやDVやいじめやトランスジェンダーやストーカーといった社会現象を掘り下げた作品が多いように思います。


📖『むらさきのスカートの女』(今村夏子 朝日新聞出版 '19/6 発売)

'19年上期芥川賞受賞作。
この作品が話題になったころ、図書館で借りようとしたら(買えばいいのに🤨)、待ち人数が凄く多くて、まぁいいか、読まなくても~となったのでした。
で、今年の秋、いつも利用する分館にリクエスト本を受け取りに行って何気なく見た書架にこの本があり、借りてきたのでした。(その後、SNSで話題になったようですね。)

むらさきのスカートの女をストーカーする黄色のカーディガンの女。
黄色のカーディガンの女は、巧妙な方法でむらさきのスカートの女を自分と同じ職場に就職させることに成功するのだが・・・
好意にみせかけた悪意の物語(と、私は解釈した。)
これは読後、じわじわきました。


📖『自転しながら好転する』(山本文緒)

今年、お若くして亡くなられた山本文緒さんの最後の長編小説。
東京から故郷の北関東のショッピングモールのショップに転職した、30代女性のリアルを描いています。
連載を単行本化する際に、プロローグとエピローグを加筆したそうで、それがあるのとないのでは、全体の印象というか読後感が変わってくるなぁと思いました。
私は加筆前のほうが好きかも。

山本文緒さんは好きな作家さんでした。
エッセイ的な文章も面白かった。
一時期、鬱になられて、克服されて創作活動に戻られました。
『自転しながら~』は山本文緒さんの7年ぶりの新作で、これからの活躍が期待されていたのに、とても残念です。
遅まきながら、ご冥福をお祈りいたします。


📖『身もこがれつつ ~小倉山の百人一首~』(周防 柳 中央公論新社 '21/7 発売)

百人一首をご存じの方ならば、99番後鳥羽院、100番順徳院の前の98番に、藤原家隆の爽やかな歌があることを覚えていると思います。(その前の97番は、百人一首を編纂したとされる藤原定家の歌。本書のタイトルは定家の歌の一節から取られています。)
歌作りの定家、歌詠みの家隆といわれたふたりはライバルと目され、後鳥羽帝の歌壇で活躍しますが、やがて、後鳥羽上皇は承久の乱を引き起こし敗れます。
定家は後鳥羽上皇との係わりを断って、鎌倉方に寄っていった。
しかし家隆は、零落しようとも後鳥羽上皇に寄り添い続けた。
なぜ定家はそうせざるをえなかったのか?に到る経緯が、定家の若い時からの歌壇を取り巻く状況を描くことで、丁寧に説明されています。
そして百人一首の成立の過程も。
ああ、そうなのか……と納得させられる。
また、家隆がものすごくいい男に描かれている。
定家と家隆の深い友情、と後鳥羽帝との三角関係。
斬新な設定でした。
回想場面が多く盛り込まれて、読みにくい構成ではありましたが😥'21年に読んだ歴代モノの中では、いちばん面白かったです。


📖『グッバイ・イエロー・ブリックロード』(小路幸也 集英社 '21/4 発売)

〈東京バンドワゴンシリーズ〉の第16作。毎年、GW前に新作が出ます。
古本屋を営む堀田家の物語なのですが、登場人物たちがちゃんと歳をとっていくので、堀田家を見守るような感じで、毎年新作を発売直後に読んでしまう。(発売日に日比谷シャンテの3階の書店で購入して、帰りの新幹線の中で読み耽ったのも、良いおもひでです🙄)
辻褄合わせや荒唐無稽な部分もあるけれど、まあ、このシリーズはこれが持ち味というかお約束よねーと思いながら読んでいます。


さあ、'22年。
読み返したい漫画もあり、ここには書きませんが💦読みたいラノベもあり……
そこそこ本を読んでいけたらいいな、と思います。

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