緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

アルバート・ハリス作曲 「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」に挑戦

2014-02-01 22:52:06 | ギター
こんにちは。
先週に引き続き今日も休日出勤でした。
平日も夜遅くまで働かされているが時間外手当など一切ないのです。
年俸制といって、成果により報酬が支払われるというもの。だから会社が好業績でも成果に乏しければかなり年収が下がることもあります。
今自分にとって欲しいのは時間ですね。ギターを弾いたり、CD,レコードを聴いたりする時間がもっとあればいいんだけど。
去年の夏だったか、セゴビアの1968年のイタリアでのライブ録音を紹介しましたが、その中でセゴビアは珍しい曲を弾いていました。
アルバート・ハリス作曲 「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」という曲です。



この曲を聴いた時、いい曲だな、と思いました。
古典的形式をとりながらも、和声は現代的です。現代的といってもタンスマン、アセンシオ、ポンセ、デュアルテといった作曲家の作風や彼らが好んで用いる和声と共通するものが感じられますね。
このアルバート・ハリスという作曲家。インターネットで検索しても殆ど出てきません。出てきても、経歴等の情報は得られませんでした。とてもマイナーな作曲家と思われます。セゴビアがこの作曲家をどういう経緯で知り、この曲を弾くことになったのか、興味のあるところです。楽譜はショット社から1970年に出版されました。先のライブ録音のすぐあとですね。
この曲の雰囲気ですが、暖かい曲です。地味で派手さが全然ないし、簡素な書法で作曲されています。でも気持ちのやすらぐいい曲です。
殆ど知られていませんが、もっと演奏会や録音などで弾かれていい曲ですね。
セゴビアがスタジオ録音をしなかったから、今まで埋もれていたのでしょう。
多分この曲を好きになる人は少なからずいると思う。
曲の構成は、主題と7つの変奏曲からなり、終曲の第7変奏はフーガで締めくくられます。
セゴビアは第3、第6、第7変奏を省略していました。
第3変奏は難しそうですね。第4変奏はホ短調のとても美しい曲です。この第4変奏だけでも弾く価値は大いにあります。



この曲、難易度は中~上級程度ですが、楽譜に運指が殆どついていないので、曲をものにするにはかなりの時間がかかりそうです。
久しぶりにギターの新らしいレパートリーに取り掛かります。明日からこの曲に挑戦です。

【追記】
youtubeで日本人の方(プロ?)が演奏する動画を見つけました。

【追記(20150322)】
1989年に発売されたセゴビアのデッカでの録音集に全曲録音(スタジオ録音)がありました。





【追記(20150322)】
アルバート・ハリスの他の曲目(COLUMBIA MUSIC CO.)を下記に掲載します。





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4 コメント

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Unknown (けんいち)
2015-03-22 19:08:40
こんにちわ。ブログ、楽しく読ませていただいています。
特にギター関連のものは大変興味深く貴殿の博識さには感心しています。
さてハリスの曲ですがセゴビアはこの曲を全曲省略なしにスタジオ録音しております。1989年ごろ国内で発売されたセゴビアコレクションの第16巻でその演奏を聴くことができます。(1969年録音)
この曲にはちょっとしたエピソードがあって、うろおぼえですがハリスがセゴビアのために書いたこれとは違うギター曲の譜面をセゴビアが紛失してしまい、そうとはいえないセゴビアがもう1曲書いてほしいとハリスに依頼して書いてもらったのがこの曲だということです。つまりハリスへの謝罪の意味も込めてこの曲を録音したようです。
今後もブログの更新を楽しみにしておりますのでよろしくお願いします。
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Unknown (緑陽)
2015-03-22 21:45:04
けんいちさん、はじめまして。
アルバート・ハリスに関する貴重なコメントありがとうございます。
おっしゃるように1989年発売のセゴビア録音集第16巻に全曲録音がありました(本文に画像を追加しました)。
このCDは発売されてからすぐに購入したのですが、15年前のこと、記憶からはずれていました。
1968年ライブ録音の方が印象に残っていたのですね。
このCDの解説文によると、ハリスは1916年イギリス生まれ。生涯の殆どをアメリカで過ごし、ギタリスト兼作曲家であり、映画音楽の分野で活躍したとのことです。
それとこのハリスの曲(ヘンデルの主題と変奏とは違う曲)を最近どこかで見た記憶があるのです。
中古楽譜の売り場だったか、手持ちの楽譜の裏表紙の広告だったか、記憶が定かではないのですが、アルバート・ハリスの名前を見て、ああ、あのハリスか、と思ったことは覚えています。
もし見つかったらレポートしたいと思います。
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Unknown (けんいち)
2015-03-22 22:31:20
緑陽様、はじめまして。
早々のコメント、ありがとうございます。
件の紛失されたハリスの曲は後日見つかったようです。
コロンビアから出ている「ソナチネ」という曲ですが、この曲ではないですか?
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Unknown (緑陽)
2015-03-22 23:50:24
けんいちさん、コメントありがとうございました。
またハリスついてご教示下さりありがとうございます。
最近、ハリスの他曲を目にしたのは、おっしゃるようにコロンビアのカタログからでした。
本文に写真を掲載しておきましたが、私が目にしたのは、
Concertino de California,for guitar and string quartet(ギタと弦楽のためのカルフォルニア協奏曲)の方でした。
他にも、けんいちさんのコメントにありました、Sonatina(ソナチネ)の他に、Homage to Unamuno、Suite(7 Pieces)の2曲があります。
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