高校生か、大学生だった頃か。
正月休みの深夜番組で昔の映画がテレビで放映されていた。
「忍ぶ川」という日本映画であった。
加藤剛と栗原小巻主演の古い映画であった。
この時の映画のストーリーは、加藤剛と栗原小巻が扮する男女が出会い、やがて愛し合うようになるが、男性が戦争に召集され、終戦後、大怪我を負って足が不自由になって戦地から帰還したが、女性は既に別の男と結婚してしまい、ラストシーンはその女性の娘が婚約者を振り切って、本当に好きな、」確か陶芸家の男のもとに行くことを決心する、という内容だったことを覚えている。
とにかくこの映画がとても印象に残っており、40年近く経っても忘れなかったのだが、最近またこの映画を観たいと思うようになった。
レンタルDVDを借りようとしたが、結構長い間貸し出し中だったので、先に原作の小説(三浦哲郎著、新潮文庫)を買って読んでみた。
原作を読んだが、40年近く前に観た映画のストーリーとは違っていた。
この小説は、2人の姉が自殺、2人の兄が失踪で行方不明、という呪われた悲惨な過去を持つ大学生の「私」と、貧しい家で苦労して育った小料理屋の娘「志乃」の美しい純愛が描かれたものだった。
後でDVDも観たが、このDVD(1972年制作、白黒映画)のストーリーは原作と同じだった。
私は原作よりも映画の方がより美しく感じた。
「私」と「志乃」の関係がとても初々しく、純粋で、今の時代には消滅したものを感じさせてくれる。
昔の小説で男女の恋愛を描いた作品を読むと、日本の恋愛というものが、外国では全く見ることのできない、独自性、それはとても高貴で美しく、清冽で、抑制されながらも激しい情熱を秘めていることが伝わってくる。
映画を見れば分かるが、特に女性の言葉使い、所作がとても美しく、思わず感心してしまう。
こういう日本の誇るべき独自性の強い、古くから受け継がれてきた地味でありながら美しいものが今の時代に亡くなってしまったのは残念に感じる。
またこの映画では東北の素朴な雪国の景色が映し出されるが、これもとても日本的で美しい。
昔の日本の時代にあこがれを持つ人にはお勧めできる。
次は、40年近く前に観た別ストーリーの「忍ぶ川」の映画を探したい。



【追記201901272305】
40年近く前に観た映画は「忍ぶ川」ではなく、「忍ぶ糸」という題名の映画である可能性が高いことが分かりました。
この映画はカラーでした(1973年放映)。
この「忍ぶ糸」の方が感動すると思います。
この映画の情報が少なく、DVD等も無いようです。
正月休みの深夜番組で昔の映画がテレビで放映されていた。
「忍ぶ川」という日本映画であった。
加藤剛と栗原小巻主演の古い映画であった。
この時の映画のストーリーは、加藤剛と栗原小巻が扮する男女が出会い、やがて愛し合うようになるが、男性が戦争に召集され、終戦後、大怪我を負って足が不自由になって戦地から帰還したが、女性は既に別の男と結婚してしまい、ラストシーンはその女性の娘が婚約者を振り切って、本当に好きな、」確か陶芸家の男のもとに行くことを決心する、という内容だったことを覚えている。
とにかくこの映画がとても印象に残っており、40年近く経っても忘れなかったのだが、最近またこの映画を観たいと思うようになった。
レンタルDVDを借りようとしたが、結構長い間貸し出し中だったので、先に原作の小説(三浦哲郎著、新潮文庫)を買って読んでみた。
原作を読んだが、40年近く前に観た映画のストーリーとは違っていた。
この小説は、2人の姉が自殺、2人の兄が失踪で行方不明、という呪われた悲惨な過去を持つ大学生の「私」と、貧しい家で苦労して育った小料理屋の娘「志乃」の美しい純愛が描かれたものだった。
後でDVDも観たが、このDVD(1972年制作、白黒映画)のストーリーは原作と同じだった。
私は原作よりも映画の方がより美しく感じた。
「私」と「志乃」の関係がとても初々しく、純粋で、今の時代には消滅したものを感じさせてくれる。
昔の小説で男女の恋愛を描いた作品を読むと、日本の恋愛というものが、外国では全く見ることのできない、独自性、それはとても高貴で美しく、清冽で、抑制されながらも激しい情熱を秘めていることが伝わってくる。
映画を見れば分かるが、特に女性の言葉使い、所作がとても美しく、思わず感心してしまう。
こういう日本の誇るべき独自性の強い、古くから受け継がれてきた地味でありながら美しいものが今の時代に亡くなってしまったのは残念に感じる。
またこの映画では東北の素朴な雪国の景色が映し出されるが、これもとても日本的で美しい。
昔の日本の時代にあこがれを持つ人にはお勧めできる。
次は、40年近く前に観た別ストーリーの「忍ぶ川」の映画を探したい。



【追記201901272305】
40年近く前に観た映画は「忍ぶ川」ではなく、「忍ぶ糸」という題名の映画である可能性が高いことが分かりました。
この映画はカラーでした(1973年放映)。
この「忍ぶ糸」の方が感動すると思います。
この映画の情報が少なく、DVD等も無いようです。
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