こんにちは。
暑くなってきました。もう長袖ではいられません。
以前、あるCDショップで何気なくCDを見ていたら、ムラヴィンスキー指揮のチャイコフスキー交響曲第6番悲愴の新譜が出ていたので、いつの録音?と思い見てみたら、1960年代初めの録音であることがわかりました。
しかしあの有名なグラモフォンの録音とは違うものだったので、よく見たら、何とLPから直接録音したとのこと。ならば値段は安いのかと思ったら高い!。
じゃ何でわざわざLPレコードをかけた音を録音してCDにするのか。
古い記憶でよみがえったのはクラシック・ギターの巨匠アンドレス・セゴビアの録音でした。
セゴビアの録音(デッカで1950~1960年代に録音された)が初めてCD化されたのは、私が就職して間もない頃の1988年頃だったと思います。
確か15枚の全集で、私は第2集を除き14枚買い揃えました。
CDの帯に付いているマークを切り取って送ると、セゴビアの講演集が録音された非売品の無料CDをプレゼントして送ってくれました。
当時のCDは1枚3千円だったので、かなりの出費でしたね。
セゴビアの録音はこのCDを買う前からもギターを始めた中学時代からLPレコードで聴いてきました。
でもこの頃は小遣いがすごく少なかったので、1年に1枚のペースでしか買えなかった。
LP1枚2,800円くらいでしたからね。結局中学から高校の6年間で買ったLPは7枚だけでした。
欲しいレコードが他にもたくさんありましたが買うことが出来なかった。
でもこの少ないレコードを何回聴いたか。1年に1枚なのでもうそれしか聴けないから毎日何度でも繰り返し聴きました。
後から考えると、この多感な年頃に1つの演奏を何度も何度も聴いたことがその後の音楽に対する感受性を与えてくれたのだと思う。
この頃に聴いた演奏家が、セゴビアを初めとして、ナルシソ・イエペス、ジュリアン・ブリーム、ジョン・ウィリアムスだったのも良かった。
ジョン・ウィリアムスは80年代から演奏が変わっていまい、かなり落胆したが、他の3人を超える演奏家は今でも現れていないと思います。
横道にそれましたが、先のセゴビアのCD化された録音を聴いて唖然としたは、ヘンデルのサラバンドを聴いたときでした。
セゴビアの弾くヘンデルのサラバンドの録音を聴いたのが高校2年生の時で、信じられないようなギターの音に驚嘆、身震いするほど感動し、この録音を毎日何度も繰り返し聴いていた頃を思い出します。
このサラバンドの次の曲として同じレコードに入っていたJ.S.バッハのガボットも素晴らしく、サラバンドとガボットを通しでいつも聴いていた。
しかしCD化されたこのサラバンドの録音を聴いたとき驚いたのは、LPの録音の音とまるで違うこと。
老朽化したマスターテープからCD録音したことではあるが、セゴビアのあの音がカサカサした味気ない干からびたような音になってしまっている。
まるで別物を聴いたような印象でした。
バッハのガボットも同じでした。がっかりでした。
このCD化された後のセゴビアの録音の音では、セゴビアの演奏の真価は絶対にわからないと断言できます。
LPレコードのセゴビアのこれらの演奏を聴いたならば誰でも幸せな気持ちになれると思います。セゴビアの音が凄いです。ギターの音でこれ以上の音はもうないのではないか。
ピアノなどの器楽の巨匠から一目置かれる演奏家はセゴビアしかいないと思います。
実際、チェロの巨匠フルーニエはセゴビアの音から多くのものを学んだと言っています。
CDであれば全て録音がいいというわけではなく、古い歴史的録音はLPで聴いたほうが良い場合もあるということが分かった。
【追記(20130616)】
上の写真のレコードの解説(小倉俊氏)の中に、セゴビアの言葉が紹介されていたので下記に掲載しておきます。
<セゴビアの言葉>
音楽で成功するのに、たやすい道はない。
一生涯勉強し、身を捧げて、音楽家になれるであろう。しかし芸術家ではない。
私は自身、生徒であり先生であった。そして私は未だ勉強している。
14歳で修得者であるよりは、90歳で芸術の使徒であることの方がよい。
あなたは、一般受けを信ずべきではない。
もし人々に少しでも理解力があるなら、その人々をおどろかすより、心を動かす方がよい。
暑くなってきました。もう長袖ではいられません。
以前、あるCDショップで何気なくCDを見ていたら、ムラヴィンスキー指揮のチャイコフスキー交響曲第6番悲愴の新譜が出ていたので、いつの録音?と思い見てみたら、1960年代初めの録音であることがわかりました。
しかしあの有名なグラモフォンの録音とは違うものだったので、よく見たら、何とLPから直接録音したとのこと。ならば値段は安いのかと思ったら高い!。
じゃ何でわざわざLPレコードをかけた音を録音してCDにするのか。
古い記憶でよみがえったのはクラシック・ギターの巨匠アンドレス・セゴビアの録音でした。
セゴビアの録音(デッカで1950~1960年代に録音された)が初めてCD化されたのは、私が就職して間もない頃の1988年頃だったと思います。
確か15枚の全集で、私は第2集を除き14枚買い揃えました。
CDの帯に付いているマークを切り取って送ると、セゴビアの講演集が録音された非売品の無料CDをプレゼントして送ってくれました。
当時のCDは1枚3千円だったので、かなりの出費でしたね。
セゴビアの録音はこのCDを買う前からもギターを始めた中学時代からLPレコードで聴いてきました。
でもこの頃は小遣いがすごく少なかったので、1年に1枚のペースでしか買えなかった。
LP1枚2,800円くらいでしたからね。結局中学から高校の6年間で買ったLPは7枚だけでした。
欲しいレコードが他にもたくさんありましたが買うことが出来なかった。
でもこの少ないレコードを何回聴いたか。1年に1枚なのでもうそれしか聴けないから毎日何度でも繰り返し聴きました。
後から考えると、この多感な年頃に1つの演奏を何度も何度も聴いたことがその後の音楽に対する感受性を与えてくれたのだと思う。
この頃に聴いた演奏家が、セゴビアを初めとして、ナルシソ・イエペス、ジュリアン・ブリーム、ジョン・ウィリアムスだったのも良かった。
ジョン・ウィリアムスは80年代から演奏が変わっていまい、かなり落胆したが、他の3人を超える演奏家は今でも現れていないと思います。
横道にそれましたが、先のセゴビアのCD化された録音を聴いて唖然としたは、ヘンデルのサラバンドを聴いたときでした。
セゴビアの弾くヘンデルのサラバンドの録音を聴いたのが高校2年生の時で、信じられないようなギターの音に驚嘆、身震いするほど感動し、この録音を毎日何度も繰り返し聴いていた頃を思い出します。
このサラバンドの次の曲として同じレコードに入っていたJ.S.バッハのガボットも素晴らしく、サラバンドとガボットを通しでいつも聴いていた。
しかしCD化されたこのサラバンドの録音を聴いたとき驚いたのは、LPの録音の音とまるで違うこと。
老朽化したマスターテープからCD録音したことではあるが、セゴビアのあの音がカサカサした味気ない干からびたような音になってしまっている。
まるで別物を聴いたような印象でした。
バッハのガボットも同じでした。がっかりでした。
このCD化された後のセゴビアの録音の音では、セゴビアの演奏の真価は絶対にわからないと断言できます。
LPレコードのセゴビアのこれらの演奏を聴いたならば誰でも幸せな気持ちになれると思います。セゴビアの音が凄いです。ギターの音でこれ以上の音はもうないのではないか。
ピアノなどの器楽の巨匠から一目置かれる演奏家はセゴビアしかいないと思います。
実際、チェロの巨匠フルーニエはセゴビアの音から多くのものを学んだと言っています。
CDであれば全て録音がいいというわけではなく、古い歴史的録音はLPで聴いたほうが良い場合もあるということが分かった。
【追記(20130616)】
上の写真のレコードの解説(小倉俊氏)の中に、セゴビアの言葉が紹介されていたので下記に掲載しておきます。
<セゴビアの言葉>
音楽で成功するのに、たやすい道はない。
一生涯勉強し、身を捧げて、音楽家になれるであろう。しかし芸術家ではない。
私は自身、生徒であり先生であった。そして私は未だ勉強している。
14歳で修得者であるよりは、90歳で芸術の使徒であることの方がよい。
あなたは、一般受けを信ずべきではない。
もし人々に少しでも理解力があるなら、その人々をおどろかすより、心を動かす方がよい。
セゴビアのCDは私も5~6枚集めました。
聴いてびっくり。LPで聴いてきたセゴビアの音と全く違っていました。ポンセのソナタ集の名演などは全く別物でした。音に潤いがなく、立体感が全くないのです。聴いていて全くつまらない。セゴビアのLPを聴いた事のない人にとって、あの一連のシリーズの罪は大きいのではないかと思います。あのCDを買った人に、あの演奏がセゴビアの演奏であると植え付けてしまったはずです。私の友人がそうでした。セゴビアのどこがすごいのか分からないと言っていました。CDのセゴビアしか聴いた事がなかったのです。そこで、私がセゴビアの演奏をLPで聴かせました。セゴビア全盛期のメンデルスゾーンの無言歌“ベニスの舟唄”です。聴いてからの感動と驚きは大変なものでした。
宇都宮さんも同じ体験をされていたのですね。
あの全集で、少し前に先に出されていた自選集(アルハンブラとか悪魔の奇想曲などが収録されたCD)の曲が省かれていたのも問題です。
編纂の仕方も、同種でばかりでグルーピングして変化に乏しく、もっと組み合わせに工夫が必要だったと思ったものです。
Youtubeでセゴビアが自宅や別荘で弾いているのを生録りした映像がいくつかあるのですが、凄い音を出していますね。
こんな誰にも到達できないような凄い音、演奏を過去30年間、何故多くの人(特に若い世代)が目標としなくなったのか、宇都宮さんのコメントで分かりました。