こんにちは。
あと数日で11月に入りますが、未だ思ったほど寒くはありません。
北海道は夜になるとストーブを点けているそうですが。
さて25日付けの朝刊の読者投稿欄に久しぶりにいい意見が掲載されていました。
先日ノーベル賞を受賞した山中教授のiPS細胞研究についての、ある70歳代の方の投稿だったのですが、短い文面の中に建設的かつ重要な考えが述べられており、私が日頃感じていたことと同じであったこともあり共感するものでした。
投稿の概要は、「iPS細胞の研究・応用は日本経済に復活のチャンスをもたらす可能性が大きいこと」、「高速道路や新幹線も必要かもしれないが、そこにばかり国費を投入した結果、経済が衰退し、それを利用する人や物がなくなっては本末転倒だ。政府はそれよりも新たな成長産業を育成することに力を入れるべきだ」ということだ。
全く同感です。以前私のブログで書いてきましたが、今の国の1000兆円とも言われる借金の原因の多くは、この公共工事につぎ込んできたために膨らんだ言われている。
確か1990年代半ばの小渕政権の頃だったと思う。1980年代初め頃から「増税なき財政再建」を達成するべく、土光敏夫氏が中心となり必死の努力を積み重ねてきたが、ついに3%消費税が導入され、バブル崩壊後の景気対策として多額の国債を乱発して無駄な公共工事を拡大した。
公共工事は一時的に雇用を増やしたり建設業界の収益を潤すが、無駄な工事例えばダムや橋や高速道路などは、その後の巨額の維持費のために却って国民の税負担を増すことになる。
四国に何本も連絡橋を造ったが、一体どれほどの利用率だと言うのだろうか。わずかしか利用されない橋を巨額の借金をして建設し、維持費も借金でまかなわなければならないという悪循環を招く。これがいいことなのか。
北海道にも不要な高速道路が建設されたが、地元の人は下の一般道と時間は変わらないという。北海道人であればわかると思うが、北海道は地方の大きな国道などでは時速80km以上で走るのが当たり前である。時速60kmで走っていたら殆どが追い越しされる。それでも景気対策と称して豊かな自然を破壊してまでも無駄な高速道路を造った。
先日、消費税10%が決定した直後に、九州・北海道新幹線の着工が正式に決定されたが、残念なことである。東京から札幌まで約5時間近くかかるようであるが、5時間もじっと座ったままで耐えられるだろうか。東京都心にある会社のビジネスマンが出張で札幌に行くのであれば飛行機の方が速いであろう。成田からであれば片道5千円ほどの便もある。
時間的な問題だけでなく、北海道の豊かな自然を壊してしまうのも問題だ。北海道新幹線は長万部を出ると、東室蘭・苫小牧経由ではなく、倶知安・小樽経由のルートをとるという。今は廃止された胆振線の付近を通るらしいが、ここは全く開発されていない北海道でも非常に景色のいいところなのだ。こういう自然の豊かな場所に必要もない建造物を造ってほしくない。また昔、静かな風情のあった情緒のある町小樽を完全に金儲けの町に変えてしまったような間違えもおかして欲しくないと願う。今の小樽は昔の面影は全く無い。
今まで自民党は支持を取り付けるために目先の利益を求めて安易で無駄な公共工事を増やし国の借金を拡大させた。そして今度消費税10%に引き上げたらまた公共工事を増やすと言っている。もうこのような愚策は終わりにして欲しい。
また民主党政権になってから、高速料金の無料化や高校授業料の無償化などのために多額の税金が投入されているが、これもおかしな政策だ。高速道路は早く目的地まで行きたい人がお金を払って利用する道路であるのが本来の目的であろう。これが無料化されて一般道のように利用されたら渋滞が起きたり、道路の補修が増えても料金収入が無いから、そのために税負担が増加するなど却ってデメリットのほうが多い。高校無償化など誰が考えたのだろうか。高校は高等教育を受けたい人が行く学校である。裕福な家庭もそうでない家庭も一律無償化することに何のメリットがあるのか。これは高等教育を受けたくてもお金のない家庭のために用意するための政策であろう。
だいぶ本題から外れてしまったが、要は国民から徴収した税金を無駄な公共工事などに使わないで、日本経済を建て直し、将来日本が先進的な技術で世界に貢献すると共に国民全てを経済的、精神的に豊かにできるようなことに利用して欲しいのである。
それには冒頭のiPS細胞のような応用技術の研究に投資する他、日本が今まで苦労して築き上げた製造技術などが安易に新興国に流出しない対応が必要だと思う。
この10年の間に日本が長い期間をかけて苦労して積み重ねてきた多くの技術が、コスト競争に打ち勝つための選択をしたことで、中国や韓国などの新興国に流出してしまった。
苦労せずこの技術をものにした新興国は安い労働力を武器にコスト競争力をつけ、逆に日本の企業を脅かし、パナソニック、ソニー、シャープなど超大手の企業を大量リストラにまで追い込んだ。
目先の利益にとらわれて、培った技術を中国や韓国など日本を敵視して追い越そうとする意思の強い国に安易に提供したことで結局は自分の首をしめる結果となったことは反省しなければならないと思う。
25日付けの朝刊に新日鉄住金の最高機密である方向性電磁鋼板の製造技術が韓国のメーカーに流出したことが載っていた。私はメーカーに勤めており、技術屋ではないがこの鋼板の存在は知っていたが、まさか韓国に流出していたとは思わなかった。同社を退職した元社員である技術者が韓国メーカーに高額の報酬で雇われ、技術指導したらしい。その社員と新日鉄住金は機密保持の契約をしていたが破られたという。お金に目がくらんでモラルを捨てたのであろう。
5,6年前に韓国企業がさかんに日本メーカーの技術者をヘッドハンティングしているという記事を目にしたが、その時これは危ないと思った。
韓国は中国と違って工場を誘致するのではなく、日本企業をリストラされたり会社の待遇に不満を持つ技術者を高額の報酬や待遇でハンティングし、指導を受けることで短期間で成長させた。これが韓国のやり方である。
中国も韓国も短期間で急成長できたのは日本が技術を提供したからである。自分が自ら技術を構築していくには長い時間と多くの労力を伴う。中国や韓国は他国から指導を受ける形でいとも簡単に技術を習得した。
そのために世界に名だたる日本のメーカーが大量のリストラに追い込まれたが、逆にいうと中国や韓国はまだ独自の技術を構築する力が未だついていないということでもある。
台湾のメーカーが経営悪化したシャープと資本提携し、生産技術を自分のものにしようとしているが、このような動きから何が何でも日本の技術が奪われないように死守すべきだと思う。
まず日本独自の技術にどのようなものがあるかを整理し、それを他国に安易に流出させないような対応をする。
そしてそれらの技術を国内でどんどん育んでいかせる。リストラされた技術者を韓国などにハンティングされるくらいなら、政府は日本国内で将来の日本経済発展のための研究開発プロジェクトを立ち上げ、技術者に活躍してもらった方がよっぽどいいのではないか。
このようなことに税金を使うのであれば何の反対もない。多方面の技術力が結集すれば相乗効果でもっと高度な技術が開発されるに違いない。
政府はこのような具体的効果が10年、20年後に現れることに投資することに二の足を踏む傾向にあるが、研究開発の強化拡大、技術の若い世代への伝承、学校教育の高度化・徹底化などに今からすぐにでも力をいれていかないと日本はどんどん経済が衰退し没落していくことになるであろう。
日本が、人口が中国の10分の1しかないのに高度経済成長期を経て世界第2位の経済大国までになったのは、他国にたよらず独自の技術を開発しようとする粘り強い国民性と強いモチベーションがあったからである。
日本が世界トップクラスの技術立国として世界に貢献する国として目指すのであれば、将来花を咲かせるための種まきを今これから我慢してしていかなければならないと思う。
そのためにも目先の利益と支持率を上げるための安易で借金を拡大させるだけの無駄な公共工事や高校授業料無償化などに税金をつかわず、将来に向けて成長させていくものに使っていくことを強く望む。
あと数日で11月に入りますが、未だ思ったほど寒くはありません。
北海道は夜になるとストーブを点けているそうですが。
さて25日付けの朝刊の読者投稿欄に久しぶりにいい意見が掲載されていました。
先日ノーベル賞を受賞した山中教授のiPS細胞研究についての、ある70歳代の方の投稿だったのですが、短い文面の中に建設的かつ重要な考えが述べられており、私が日頃感じていたことと同じであったこともあり共感するものでした。
投稿の概要は、「iPS細胞の研究・応用は日本経済に復活のチャンスをもたらす可能性が大きいこと」、「高速道路や新幹線も必要かもしれないが、そこにばかり国費を投入した結果、経済が衰退し、それを利用する人や物がなくなっては本末転倒だ。政府はそれよりも新たな成長産業を育成することに力を入れるべきだ」ということだ。
全く同感です。以前私のブログで書いてきましたが、今の国の1000兆円とも言われる借金の原因の多くは、この公共工事につぎ込んできたために膨らんだ言われている。
確か1990年代半ばの小渕政権の頃だったと思う。1980年代初め頃から「増税なき財政再建」を達成するべく、土光敏夫氏が中心となり必死の努力を積み重ねてきたが、ついに3%消費税が導入され、バブル崩壊後の景気対策として多額の国債を乱発して無駄な公共工事を拡大した。
公共工事は一時的に雇用を増やしたり建設業界の収益を潤すが、無駄な工事例えばダムや橋や高速道路などは、その後の巨額の維持費のために却って国民の税負担を増すことになる。
四国に何本も連絡橋を造ったが、一体どれほどの利用率だと言うのだろうか。わずかしか利用されない橋を巨額の借金をして建設し、維持費も借金でまかなわなければならないという悪循環を招く。これがいいことなのか。
北海道にも不要な高速道路が建設されたが、地元の人は下の一般道と時間は変わらないという。北海道人であればわかると思うが、北海道は地方の大きな国道などでは時速80km以上で走るのが当たり前である。時速60kmで走っていたら殆どが追い越しされる。それでも景気対策と称して豊かな自然を破壊してまでも無駄な高速道路を造った。
先日、消費税10%が決定した直後に、九州・北海道新幹線の着工が正式に決定されたが、残念なことである。東京から札幌まで約5時間近くかかるようであるが、5時間もじっと座ったままで耐えられるだろうか。東京都心にある会社のビジネスマンが出張で札幌に行くのであれば飛行機の方が速いであろう。成田からであれば片道5千円ほどの便もある。
時間的な問題だけでなく、北海道の豊かな自然を壊してしまうのも問題だ。北海道新幹線は長万部を出ると、東室蘭・苫小牧経由ではなく、倶知安・小樽経由のルートをとるという。今は廃止された胆振線の付近を通るらしいが、ここは全く開発されていない北海道でも非常に景色のいいところなのだ。こういう自然の豊かな場所に必要もない建造物を造ってほしくない。また昔、静かな風情のあった情緒のある町小樽を完全に金儲けの町に変えてしまったような間違えもおかして欲しくないと願う。今の小樽は昔の面影は全く無い。
今まで自民党は支持を取り付けるために目先の利益を求めて安易で無駄な公共工事を増やし国の借金を拡大させた。そして今度消費税10%に引き上げたらまた公共工事を増やすと言っている。もうこのような愚策は終わりにして欲しい。
また民主党政権になってから、高速料金の無料化や高校授業料の無償化などのために多額の税金が投入されているが、これもおかしな政策だ。高速道路は早く目的地まで行きたい人がお金を払って利用する道路であるのが本来の目的であろう。これが無料化されて一般道のように利用されたら渋滞が起きたり、道路の補修が増えても料金収入が無いから、そのために税負担が増加するなど却ってデメリットのほうが多い。高校無償化など誰が考えたのだろうか。高校は高等教育を受けたい人が行く学校である。裕福な家庭もそうでない家庭も一律無償化することに何のメリットがあるのか。これは高等教育を受けたくてもお金のない家庭のために用意するための政策であろう。
だいぶ本題から外れてしまったが、要は国民から徴収した税金を無駄な公共工事などに使わないで、日本経済を建て直し、将来日本が先進的な技術で世界に貢献すると共に国民全てを経済的、精神的に豊かにできるようなことに利用して欲しいのである。
それには冒頭のiPS細胞のような応用技術の研究に投資する他、日本が今まで苦労して築き上げた製造技術などが安易に新興国に流出しない対応が必要だと思う。
この10年の間に日本が長い期間をかけて苦労して積み重ねてきた多くの技術が、コスト競争に打ち勝つための選択をしたことで、中国や韓国などの新興国に流出してしまった。
苦労せずこの技術をものにした新興国は安い労働力を武器にコスト競争力をつけ、逆に日本の企業を脅かし、パナソニック、ソニー、シャープなど超大手の企業を大量リストラにまで追い込んだ。
目先の利益にとらわれて、培った技術を中国や韓国など日本を敵視して追い越そうとする意思の強い国に安易に提供したことで結局は自分の首をしめる結果となったことは反省しなければならないと思う。
25日付けの朝刊に新日鉄住金の最高機密である方向性電磁鋼板の製造技術が韓国のメーカーに流出したことが載っていた。私はメーカーに勤めており、技術屋ではないがこの鋼板の存在は知っていたが、まさか韓国に流出していたとは思わなかった。同社を退職した元社員である技術者が韓国メーカーに高額の報酬で雇われ、技術指導したらしい。その社員と新日鉄住金は機密保持の契約をしていたが破られたという。お金に目がくらんでモラルを捨てたのであろう。
5,6年前に韓国企業がさかんに日本メーカーの技術者をヘッドハンティングしているという記事を目にしたが、その時これは危ないと思った。
韓国は中国と違って工場を誘致するのではなく、日本企業をリストラされたり会社の待遇に不満を持つ技術者を高額の報酬や待遇でハンティングし、指導を受けることで短期間で成長させた。これが韓国のやり方である。
中国も韓国も短期間で急成長できたのは日本が技術を提供したからである。自分が自ら技術を構築していくには長い時間と多くの労力を伴う。中国や韓国は他国から指導を受ける形でいとも簡単に技術を習得した。
そのために世界に名だたる日本のメーカーが大量のリストラに追い込まれたが、逆にいうと中国や韓国はまだ独自の技術を構築する力が未だついていないということでもある。
台湾のメーカーが経営悪化したシャープと資本提携し、生産技術を自分のものにしようとしているが、このような動きから何が何でも日本の技術が奪われないように死守すべきだと思う。
まず日本独自の技術にどのようなものがあるかを整理し、それを他国に安易に流出させないような対応をする。
そしてそれらの技術を国内でどんどん育んでいかせる。リストラされた技術者を韓国などにハンティングされるくらいなら、政府は日本国内で将来の日本経済発展のための研究開発プロジェクトを立ち上げ、技術者に活躍してもらった方がよっぽどいいのではないか。
このようなことに税金を使うのであれば何の反対もない。多方面の技術力が結集すれば相乗効果でもっと高度な技術が開発されるに違いない。
政府はこのような具体的効果が10年、20年後に現れることに投資することに二の足を踏む傾向にあるが、研究開発の強化拡大、技術の若い世代への伝承、学校教育の高度化・徹底化などに今からすぐにでも力をいれていかないと日本はどんどん経済が衰退し没落していくことになるであろう。
日本が、人口が中国の10分の1しかないのに高度経済成長期を経て世界第2位の経済大国までになったのは、他国にたよらず独自の技術を開発しようとする粘り強い国民性と強いモチベーションがあったからである。
日本が世界トップクラスの技術立国として世界に貢献する国として目指すのであれば、将来花を咲かせるための種まきを今これから我慢してしていかなければならないと思う。
そのためにも目先の利益と支持率を上げるための安易で借金を拡大させるだけの無駄な公共工事や高校授業料無償化などに税金をつかわず、将来に向けて成長させていくものに使っていくことを強く望む。