世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

カクテルといえば?

2017年05月18日 23時26分46秒 | Weblog
お題に参加してみた。
カクテルといえば?

飲み会でいつもオーダーするのはジントニック。
ジンをベースにしたカクテルの中で、最もポピュラーなものである。
さっぱりしていて美味しい。


高校1年のちょうど今頃の季節。
受験も終わったし本でも読んでみようかと父の本棚で発見した山田詠美の「放課後の音符」がきっかけで私はジントニックの存在を知った。
主人公の女子高校生の「私」を軸に、その周囲の女性たちを描いた短編集である。
ジントニックは「Crystal Silence」という作品に出てきた。
夏休みの間、沖縄へ行っていた女の子マリ。
そこでの恋のお話。
相手は耳の聞こえない、しゃべることの出来ない男の子。
彼が飲ませてくれた手作りのお酒が、ジントニックに似ていて、その切ない思い出を語るマリはホテルのラウンジでジントニックを飲みながら泣くのである。

この作品ほど私を大人にさせた作品はないと思う。
ジントニックのほかに、金のアンクレット、名香ミル、口紅やハイヒールなど、田舎の女子高生は見たこともないグッズが次々と登場していて、都会の女子高生に羨望を向けたものである。雑誌プチセブンに掲載されている、都会で販売されているグッズよりも、都会の女子高生のリアルを感じさせた。

そんな山田詠美が栃木の鹿沼高校出身だということを知ったのはだいぶ後。
ネットで知った。


今、様々な飲み会において、私がいつもジントニックをオーダーするのは、本作品がいつも心のどこかで香りを放っているからだ。
でも本当は、メニューを開くのが面倒で
「あ、私、ジントニック」
と、ついオーダーするのが主な理由だったりする。
ジントニックは、だいたいの店に置いてあるから。




もう一つは照葉樹林。
お茶の味がするカクテルだ。

あれはだいぶ前。
年上の彼氏との初めてのデートのとき、バーのカウンターで彼はバーテンダーにオーダーしたのである。
「照葉樹林あるかな?」
と。

カクテルったら、ジントニックだべ?と、すっかり「放課後の音符」に感化された私は、その「しょうようなんちゃら」に衝撃を受けた。
「やっぱ大人は違うなあ」
と思った。
でも、メニューにないカクテルをオーダーする彼に
「この人、こういうマニアックなものをチョイスして自分のグレードを牽引してるのかしらん」
と酔った頭で思ったのも事実。

照葉樹林はグリーンティー・リキュールにウーロン茶を加えたカクテルでお茶の風味たっぷりだったと記憶している。



その後、会社勤めになり、友人の伝で参加した合コンの二次会のバーで
「照葉樹林ありますか?」
とオーダーした自分。
昔の彼氏のことを笑えないじゃんね~!と思ってクスッと笑う・・・。

「何笑ってるの?テーブルにおいでよ」
と誘ってくる男性に
「いいよ。私は」
と首を振り、出された照葉樹林を味わう。




過去に起こったことって、カクテルの材料みたいだ。
様々な味が重なり(色々なことを経験して)、今の自分がいる。

私はどんな味のカクテルになり、飲む(接する)人にどんな感想を齎すのだろうか。




なんてつらつら書いてみたけれども、私は下戸である。
すぐに酔っ払ってしまう・・・。




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