世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

心療内科の中心で団鬼六を感じた件

2014年01月08日 01時13分07秒 | Weblog
心療内科デー。
待ち時間4時間。
先日購入した「紙の月」、面白い。
作者は「八日目の蝉」の角田光代。
ささやかな幸せを追い求めていた主婦・梅澤梨花が、パート先の銀行から1億もの金を着服した。
彼女に何が起きたのか…!?
半分ほど読み終えた。後半、バババッとイッってしまいそうだ。
角田光代、巧いよな。


さて診察。

嗚呼、そういえば、前回の診察で私は主治医であるクマ医師にクリスマスプレゼントを渡したんだよな。
…その光景が入室前の私の脳内を走馬灯のように流れていき、ドアをノックする指を堅くさせた。

「失礼します」
と入室する私の目にまず飛び込んできたのは、卓上に置かれた見覚えのある置物。
先生、飾ってくれたんだ…と感動したのもつかの間、恥ずかしくて見ぬふりをしてしまう。

「どうでしたか?最近」
とクマ医師。

正月休みは実家に帰っていた。
利発な妹に比べ、自分はなんて愚鈍なのだと思ったと素直に述べた。
妹の事は大好きだ。
20年ぐらい喧嘩らしい喧嘩もしていない。
毎日LINEで話している。
比べてみて、自分のダメなところが浮き彫りになってしまう。それだけ。
悲観したり嘆いたりしていないが、ただ「なんて自分は気が利かないのだろうなあ」とぼんやり思うんである。

クマ医師は少し考えて
「あなたは自分の性格をどう思っていますか」
とか言う。

えええええええ。
そんなこと考えてみた事がない。

頬辺りに血液が集中していくのを感じた。
そして黙り込んだ挙げ句、
「適当なところもあると思いますし、きちんとしているところもあるとは思いますし…あ、でも基本的に愚図かもしれません。どうなんだろう。…よくわかりません」
と ボソボソと返答。

自分自身がよく分からない。
アイデンティティの危機かYO!?どうした俺!?
もう恥ずかしい。穴があったら入りたい。
…項垂れてしまう。

「あなたは仕事でのご自身を語るときは前向きな発言が多いけど、ご家族の話になると『自分をダメな人間』だと思うクセがありますよね」
と指摘される。

…。
ギクっ。
ここまで言い当てられると、ぐぅの音も出ない。

さすが精神科医である。
いつもただお喋りしているだけではない。
ちゃんと私を見ている。
こえー。

観念し、ドジで愚図でフワフワしている、というのが我が家における「亮ちゃん」の絵図であることを告白。

でもクマ医師に言わせると、私は家族の「要」なんだそうだ。
もしくは縁の下の力持ち。

そうかな~。
私はみんなの意見に流されるだけで、また、自身を家族の主軸だと自認した経験が記憶にないのだけれども。


今日の診察はなんだか着ぐるみを剥がされて心を裸にされた感じ。
団鬼六もびっくりのドSクマ医師に甚振られた感満載の診察だった。


終盤、生理日移動のピル・プラノバールを飲んでいることを告げた。
「今月末、同僚の女子たちと温泉に行くんで」
と言ったら
「どちらまで?」
と、すかさず聞かれた。
クマ医師、旅行好きなのかな。
旅行の話になると必ず行先を訊ねられるんだが。

「熱海です」
と意気揚々と答えたら
「良いですね」
と。
ええ、熱海、最高です。
飲んで食べて温泉入って喋って温泉入って飲んで歌ってきます。
女だらけの湯煙大会。ポロリもあるよ。
また秘宝館にも行っちゃうYO!「裏浦島太郎物語」に悶絶してくるYO!
楽しみ。


胃薬の使用頻度を聞かれた。
「正月は暴飲暴食で4日間、毎日胃薬を飲んでいました」
と言ったら
「ひゃっはっは」
と笑われた。
スマイリング・クマ医師。


処方変更あり
ゾルピデム酒石酸塩、防風通聖散
胃薬が減って、あとは睡眠導入剤と漢方のみ。


挨拶して帰る前、クマ医師に
「あなたは利発ですから」
と念を押された。
ビックリ。

認知の歪みによって感情が左右されるのはやはり良くないことなのだろう。
縮こまった心の筋肉が解された…そんな今日の診察だった。



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