世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

潮風と蜜柑の香り

2005年11月27日 22時26分52秒 | Weblog
行き先は「ヒルトン小田原スパ&リゾート」
え?温泉じゃないの?
…いいんです。
スパも温泉もきっと同じ。気持次第である。

小田原で新幹線を降り、根府川駅上陸。
…これがまた、田舎風情満載の駅なんである。
駅前は海。背面は山。
潮風が髪を揺らす。

NHK「小さな旅」に出てきそうな様子。
あのテーマ曲が頭を掠める。

改札に駅員さんがいない。取りつけられたポストに乗車券を投入。
スパまでの送迎バスの待ち時間が少〃あった。
周囲を見渡す。

蜜柑を販売しているテント発見。
赤いネットにくるまれた蜜柑たちが、オレンジ色に輝いている。
ピンキーとキラーズのピンキーみたいなショートカットのご婦人が販売していた。

「食べたいなあ。」
自分が喉が渇いていたことに気付く。

「あの、バラ売りってしてませんか?」とピンキーに尋ねた。
「ごめんなさいね。していないのよ。見てて食べたくなったのね。ふふふ。これ、試食用なの、どうぞ。今度来たらたくさん買ってね。ふふふ。」
にこやかなピンキーに蜜柑を一個もらう。

「ありがとうございます」
ラッキー!タダより安いものはない。
目の前に広がる海を眺めながら蜜柑を剥く。
剥いた刹那、蜜柑の香りが鼻に触れる。
筋を取って一個、口に入れる。
「初物を食べる時は西を見ながら食べるんだよ…」母の教えを忠実に守りたかったが、どっちが西かわからない。

おいしいなあ。
潮風と蜜柑の香りが秋の冷たい風と一緒に、私を満たしていく。
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