晴耕雨ログ

晴れの国の片田舎で暮らす自然派おばさん
畑仕事に生甲斐感じながらゆるゆる歩む農婆の人生

老いの坂

2012-11-01 21:42:37 | Weblog
 春の若葉も美しかったけれど、紅く色付き始めたハナミズキとヤマボウシの実が美しい介護施設の玄関先です。

 母(姑)は、デイサービス4年を経て、施設入所6年目の今もこの施設でお世話になっています。
昼食前の時間を、面会と洗濯物の交換に家族のだれかが訪れることにしています。
 
 この頃の母は眠っていることが多く、会話もなく、褥瘡から体力も衰えてきているようです。
最近は口からの食事が摂れず、経鼻経管栄養で補っています。
今日も眠り込んだ母の鼻にはチューブが入れられ、ポツン・ポツンと落ちてゆく高度栄養の白い液が体内に送り込まれています。
 我が家で過ごしていたころの母は、料理上手でもない嫁の私にも決まって”美味しかった!”とか”きれいだ!”とか労いの言葉とささいな事を褒めてくれていました。”今日のお寿司は上出来!”なんて・・・。
 今はもう大好きなお寿司の味も忘れてしまったのではと思うのです。
  
 ゆっくり、ゆっくり老いの坂道を上り行ゆく母98歳。

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2 コメント

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老いの途上 (dogdali)
2012-11-02 19:29:13
98歳のお母様、ほめ上手だったのですね。
いいお母さんですね。
チューブでつながれた姿は辛いものですね。
父も脳梗塞でのどに、お腹にとつながれて辛いものでした。
延命治療には考えさせられました。
あれでよかったのかと今でも考えてしまいます。
いずれあの世に召されるのなら、あんな無理は必要でなかっただろうと思います。のどにチューブで話せなくなり、かわいそうにおもいました。最後は笑って満面の笑顔を見せてくれたのが何よりの慰めでした。
大変でしょうが、老い方も見せていただけてそれを喜びとして頑張ってください。
私達もみなその内ですものね。
頑張ってください。
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わが身のこと (ルイコのおばさん)
2012-11-02 22:38:34
同じ施設内の多くのチューブ栄養の利用者さんを見ていましたから、この先チューブ栄養はしないことにしよう・・・家族では申し合わせていました。しかし、口からの摂取が出来なくなりお医者さまからこの先を問われると”お願いします”ということになります。心に決めてはいても、とても愛おしく・・・これが親子でしょう。

 先を歩む母は”わが身のこと”と教えてくれているようです。母として、姑として、人として生きることを。
きれいごとでもなく、姑には恵まれていたと素直に喜べる幸せですね。

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