晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

佐伯泰英 『吉原裏同心(十八)無宿』

2021-04-30 | 日本人作家 さ
何度か当ブログでも書いていますが、去年から通信制の大学で勉強をはじめて、無事に2学年に進級できまして(手続してお金引き落としされただけって話ですが)、これから本格的に勉強をしていかなければならないので、先月と今月のような投稿の回数(ひと月に5~6回)はちょっと難しいですが、まあちょっと時間ができたり息抜きに読書をしたいのでちょびちょびと読んで投稿できたらなと。

そんなこんなで。

「吉原裏同心」シリーズの18巻です。ざっとおさらいを。九州の某藩の下級家臣だった神守幹次郎は、上役に嫁いだ幼馴染の汀女といっしょに脱藩します。追っ手が来ますが、じつは幹次郎、若いころに旅の侍に薩摩示現流の手ほどきを受け、追っ手をやっつけます。そうして日本各地を流浪し、流れ着いた先は江戸の吉原。自治組織の会所頭取に剣の腕を見込まれ吉原の用心棒にスカウト、汀女は読み書きや俳句の先生に。

時は寛政、江戸には地方から浪人がやって来て治安が悪化。そこで当時の火付盗賊改方長官の長谷川平蔵が、無宿者や軽犯罪者に職業訓練、自立支援の場つまり更生施設を設けようと老中松平定信に提案します。そしてできたのが、大川(隅田川)河口の石川島の人足寄場。

幹次郎は朝稽古に行こうとして浅草の観音様近くを通ったときに、怪しげな雰囲気のふたりの男とすれ違います。殺気はないのでそのまま通り過ぎたのですが、稽古の帰りに質屋が襲われて金を奪われ一家皆殺しという凄惨な事件があったと聞き、ひょっとして朝方にすれ違ったあのふたりと思い、町方同心に報告します。
こうした凶悪犯罪人は大金をせしめると吉原に繰り出して豪遊と分不相応な振る舞いをすることが多く、それで(足が付く)ということもままあるのですが、吉原会所も警備を強化します。

それとは別に、幹次郎が薄墨花魁と話していると、どこからか視線が。何者かわかりません。のちに、薄墨に手紙が、どうやら相手は薄墨が武家の娘ということを知っているよう。幹次郎が訪ねると、この手紙の送り主は薄墨に恨みがあるようなのですが・・・

質屋を襲った凶悪犯、さらに薄墨を狙う謎の男とふたつの問題がある中、おめでたい話も。かつて遊女だった(おいね)が訪ねてきます。吉原時代は(萩野)と名乗っていて、砂利場の七助親方に落籍されて夫婦となりますが、吉原の茶屋で祝言を挙げたいといい、その準備に会所の人間も汀女も幹次郎も手伝うことに。

今作の『無宿』というと、鬼平ファンは「相模無宿の彦十」を連想すると思うのですが、「人足寄場」でも触れているように、ちょうと時代的に「鬼平犯科帳」と「吉原裏同心」は同じ寛政年間。平蔵さんや息子の辰蔵、岸井左馬之助や木村忠吾、小房の粂八や五郎蔵おまさ夫婦などと幹次郎と汀女がどこかですれ違っていたかもと考えるとたまりませんね。
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佐伯泰英 『吉原裏同心(十七)夜桜』

2020-11-05 | 日本人作家 さ
今年も残すところ2か月を切りました。本当にいろいろありましたね。朝起きて、犬の散歩行って、朝食を食べて、仕事行って、夕飯食べて、風呂入って、寝て、これらの合い間合い間に本を読んで、休みの日に当ブログを更新する、こういった(当たり前の日常)を送れることに感謝しないとだめですね。

さて、吉原裏同心。チンタラチンタラと読んできて、ようやく十七巻目。

話は日本橋からスタート。橋の袂に、若い侍が立っています。その横には看板が。そこには「一丁(約109メートル)競争をして、自分に勝ったら金一両差し上げます。負けたら二分いただきます」と書かれてあり、横には「石州(石見国、現在の島根県西部)浪人、河原谷元八郎」と名前も。
人だかりの中から名乗りを上げる者が。(韋駄天の助造)こと飛脚の助造。
ひい、ふう、みい!で助造はスタートしますが、侍は遅れてようやく走り出します。助造が間もなくゴールという手前で侍が追いつき、そのまま抜き去って侍の勝ち。
これを見ていたのが、読売屋「世相あれこれ」の奉公人、代一。助造に話しかけると「あの侍、全力で走ってない」というのでビックリ。
代一は考えます。これは単なる銭稼ぎではなく、注目を浴びて話題になって誰かをおびき寄せようとしているのでは・・・

それじゃあ、というわけで、「謎の浪人と競走、五番勝負」という企画を吉原でやろうと提案すると、会所の四郎兵衛は「客寄せにいいね」と承諾。とはいえ、さすがに吉原の内でレースというわけにはいかず、見返り柳から五十間道~大門の手前までを使うことに。
この侍の素性を確かめようとしますが、石州の藩に確認するも「そんな名前のやつ知らん」と言われ、ある人の話によれば牢屋敷に入っていたという目撃情報が。
はたしてこの侍の目的は・・・
ちなみにこの五十間道、山谷堀沿いの日本堤から吉原大門までの通りなのですが、S字にくねくねと曲がっています。ここを将軍が鷹狩りに通るときに、直線だったら吉原が見えちゃうから道を曲げたそうな。

この話と同時進行的に、大籬の三浦屋の振袖新造(見習い、新人の遊女)の花邨が病気療養中、なのですが、じつは自分で醤油を飲んで具合が悪くなったというのです。肌も白いし美人なのですが、どうにも愛想が悪く客あしらいが下手とのこと。ところが、病気になって吉原の外に出るのも、足抜(脱走)の計画の一部だったのです・・・

今作は、今までの作品のような、吉原を狙う、あるいは誰かの命を狙うハッキリと分かる悪役が登場するにはするのですが、若干弱め。それよりも幹次郎と町奉行の(こちらは「表」同心)村崎とのやりとりや、身代わりの佐吉や竹松といった脇役のフォーカスといったような、「人間」をしっかりと描いているな、という印象を受けました。
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佐伯泰英 『吉原裏同心(十六)仇討』

2020-08-15 | 日本人作家 さ
たまに書店に行って、「あ、吉原裏同心の続き買おうかな」と思うのですが、何巻まで読んだのか覚えておらず、結局買わず、ということがあり困ってしまってワンワンワワンだったのですが、次に書店に行って「えーと、何巻まで読んだっけ」と迷ったときには、当ブログをスマホで見ればいいんだ!ということを発見したのであります。そう、去年まではガラケーだったのでそういう技を使うことはできなかったのです。

そもそもこのシリーズ、サブタイトルがすべて漢字二文字なので、紛らわしいんですよね。

と、豪快に人のせいにしたところで。

さて、今作は前作からの続きで、といってもメインストーリーではなく、吉原会所の番方、仙右衛門とお芳の新婚旅行といいますか墓参りがいよいよ出立、それと、出刃打ちの女芸人、紫光太夫の舞台に神守幹次郎がゲスト出演する、まあメインの話ではないのでどうでもいいちゃどうでもいいんですが、しかしですよ、この吉原裏同心シリーズにとって、吉原の治安を守るメインのふたりが、ひとりは新婚旅行へ、ひとりは舞台出演と、ある意味ピンチ。

そんな吉原で、掏摸、かっぱらいが多発します。犯人は少年。しかしこれは、背後に大人がいて、それの指示らしいので、探っていくうちに、江戸四宿のひとつ、内藤新宿の元締め、武州屋総右衛門にたどりつきます。この武州屋は当代で五代目なのですが、当代になって、内藤新宿の雰囲気ががらりと変わった、とのこと。

さらに探っていくと、五代目は婿養子で御家人くずれ、つまり元武士。それはいいのですが、そんな男が、なぜ吉原にちょっかいを出すのか。武州屋の背後にも何者かがいるのか。

この話と、花魁道中の最中に仇討がはじまろうとしますがこれを収めて、話を聞けば、とある西国の大名家が関わって・・・

幹次郎が情報屋(身代わりの佐吉)と会う煮売り酒場に小僧の竹松というのがいるのですが、この竹松、いつの日か吉原へ行くのが夢でして、前に幹次郎が「連れてってやる」と安請け合いしたのを真に受けて、それがとうとう実現します。よかったですね。
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柴田錬三郎 『赤い影法師』

2020-08-11 | 日本人作家 さ
暑いです。

と書き込んだところでどうにもならんわけではありますが、それはさておき、まったく読書がはかどりません。自称本好きですらこの暑い中に読書はキツイというのに、本を読むことがまだ習慣化してない小中学生にとって読書感想文とはますます本嫌いになってしまうのではないでしょうか。

若者の読書離れを社会や学校や大人たちのせいにしたところで。

柴田錬三郎さんです。忍者ものです。

時代は、関ケ原の合戦の後。石田三成が捕まって処刑されて、三成に仕えていた「影」と呼ばれる伝説の忍者も捕まります。片目は潰され、片足は切断され、いよいよ処刑されるという時、徳川家康に仕える服部半蔵は「影」と忍者どうしにしか聞き取れない会話をし、そして「影」を逃がす手助けをするのです。「影」は「いつの日か私を必要になったら木曽谷に来てくれ。どんな依頼でも受ける」と言い残して消えてから十五年・・・

半蔵は、ある「頼み」をしに、木曽谷へ。しかし、さすがに「影」も老けて、かつてのような服部半蔵をして「殺すのはもったいない」と思わしめるほどの活躍はできそうもありません。そこに若者が。「影」の子で、徹底的に英才教育を受けた子を「影」の代わりに供に仕えさせます。

半蔵の「頼み」とは、のちに「大坂の役」または「大坂冬の陣夏の陣」と呼ばれる、豊臣方の最後の抗戦、これが長期戦になることを恐れ、さらに相手方の真田幸村の子飼いである「風盗」という忍びの集団が非常に厄介な存在で、家康ならびに本多正純は半蔵に「風盗」を撲滅させてくれと命じたのです。

若い「影」、名前は無いのでかりに「子影」としますが、「子影」は半蔵と「風盗」の本拠地へ。そこで「子影」が取った手段とは、半蔵もビックリというか、忍者にあるまじき、いや人としてあるまじき作戦で、最終的に「風盗」をやっつけたのですが、これには半蔵も怒り、刀を抜いて「子影」につかみかかろうとするのですが、ここでまたさらに半蔵は驚きます。「そなたは・・・」

それから二十年後。

時代は寛永年間。将軍は三代の家光。寛永十一年の某月某日、江戸城吹上にて、御前試合が行われました。しかし、公式にはこの日の前後には家光は日光に行っていたことになっていて、この御前試合は「巷説」ということになっていまして、明治以降になって講釈師が多少の誇張を加えて知られるようになったそうな。
ここでは実際に行われ、しかも十四日かけて十試合も行われた、ということに。

観客は将軍家光のみ。審判は当代名人といわれた柳生宗矩と小野忠常の二名。

この御前試合は、本物の戦場を知らない家光が「どんなんだったか見てみたーい」と無邪気にお願いしたとかで、両者の武器は真剣でも木太刀でも槍でも鎌でもなんでもよく、いわば血闘。
第一試合は、神道流の妻片久太郎時直と一伝流の朝山内蔵助重行の対戦。

勝ったほうへの褒美として、徳川将軍家秘蔵の無名太刀。かつて大坂の役にて大坂城が陥落したとき、戦利品の中に、秀頼所蔵の無名の太刀が十振あったそうで、これは太閤秀吉が数百本持っていたという無名の太刀コレクションに「正宗」と銘を打たせて武勲の褒美にしていたことがあって、でもなぜかそのうち十振だけは無名のままにしていたそうな。
御前試合は十試合行われるので、その勝者に一振ずつ渡されることになります。

その夜のこと。勝者の方では宴があって、寝室に行くと、そこに何者かが。すると将軍より拝領された太刀の切先三寸が折られていたのです・・・

これと同じことが、第二試合、第三試合の勝者にも起きて、柳生宗矩は、もうすっかり老人になってしまった服部半蔵を呼びます。拝領の太刀の切先が折られるという奇怪な事件は「あやかし」の仕業とされていますが、じつは第一試合の勝者のもとから切先を奪い去るときに「影、とだけおぼえておけ」と言い残したのです。この「あやかし」を退治できるのはお主以外におらぬ、と柳生宗矩は半蔵に頼みます。

半蔵は、江戸の西方、武蔵野のある屋敷に向かいます。その屋敷の前に箒を持った小男がいたので「服部半蔵が来たとご主人に取り次いでくれ」と告げます。この小男こそ、かつて徳川家康の首級を狙い、徳川方の数十人の忍者を仕留めた、真田幸村配下の「赤猿」(佐助)と、半蔵は看破します。
屋敷に通された半蔵は、主である老人に、刀の鑑定をお願いします。すると半蔵はこの主に、御前試合の褒美である「いわくつき」の無名太刀十振についてたずねますが、主は知らないの一点張り。すると半蔵が「かくされるな、左衛門佐殿!」と・・・

「左衛門佐」とは、真田幸村の称のことで、しかし幸村といえば大坂の役で豊臣方につき、家康をさんざん苦しめた末に壮絶に討ち死にしたはず。

屋敷を辞去した半蔵を見、主は小男に「お前の腕であの男を討ち取れるか?」と訊ねると「なかなか・・・」と小男はかぶりをふり「佐助、お前も、老いたか」と・・・

はたして「影」とは二十年前に半蔵が見た「子影」なのか、はたまた、その「子」なのか。将軍拝領の刀の切先三寸を奪っていく目的とは。

もう、壮絶に面白いです。服部半蔵が武蔵野の屋敷に向かうくだり、江戸城の、自分の名前が付いた門から出発するのですが、こういう小ネタを入れるの、上手いですね。
これが連日の猛暑の中でなく、ヒンヤリとしてくる秋の夜長だったらあっという間に読み終えちゃってたでしょう。

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佐伯泰英 『吉原裏同心(十五)愛憎』

2020-07-28 | 日本人作家 さ
なんだかものすごく久しぶりに読んだ気がしたのですが、今年の三月に十四巻を読んでました。そういやこの四か月か五か月近く、世間的にも自身的にも激動だったので、正直忘れてました。

今回読んだのが十五巻。あと十六、十七と、私の人生暗かった・・・ではなくて、十七巻まで、ネットで購入。自粛期間中というのもあったんですが、そもそもこの「吉原裏同心」シリーズ、書店に行ってもちゃんと揃ってない場合が多く、どうせだったらということで。

新興勢力の札差との対決も終わり、「裏同心」こと神守幹次郎は、吉原会所の四郎兵衛と番方の仙右衛門と相撲見物。そこで、仙右衛門と幼馴染のお芳との結婚話になって、ようやく吉原に平和が・・・とはいきません。

吉原に、脅迫文が届いたのです。

そこに、正体不明の不気味な男が幹次郎の前にあらわれ、「夜嵐の参次」と名乗って消えます。数日後、相撲取りがいきなり刺されます。どうやら「夜嵐の参次」の仕業。「恨むなら吉原裏同心を恨め」と謎のメッセージ。しかし、幹次郎になんの恨みがあるのか分かりません。
吉原の大籬「三浦屋」の花魁、薄墨太夫が禿の小花といっしょに吉原内にある池にいるところに「参次」があらわれます。どうやら相手は薄墨の出自(武家の出)を知っている様子。すると薄墨、「あなたは旗本の次男、町野参次郎様ですね」と。
その昔、琴の稽古に通っていたとき、参次郎が突然「好きだ」と告白。しかしフラれます。それがきっかけかどうかは知りませんが、参次郎は琴の教室から金を盗んで消えます。それから十数年。逆恨みで「お前の邪魔をしてやる」と言い残します。

参次郎の宣言どうりなのか、薄墨の側にいて付き人のような役をしていた禿の小花が誘拐されます。しかし、この誘拐の犯人は参次郎ではなく、薄墨にご執心の遊び人の若旦那の仕業らしいのです。
遊女の脱走を厳しく見張っている吉原から、はたしてどうやって小花を連れ出したのか。

さて、今作でも幹次郎のモテっぷりが。そのお相手とは、包丁投げの女芸人。サーカスとかでよくある、人を立たせて、ギリギリのところに刃物を投げるやつですね。幹次郎はその芸人「紫光太夫」に弟子入りします。というのも「夜嵐の参次」は西洋式の短筒(ピストル)を持っているようで、それに対抗できるのは、手裏剣か小刀を投げつけるしかありません。そこで幹次郎は特訓。すると紫光太夫は報酬として「いっしょに見世物の舞台に上がってほしい」といいます。

妻の汀女は「モテない男と結婚した覚えはありません」と、浮気のバレた俳優(奥●英●)の奥さん(安●和●)の記者会見ばりに振舞います。
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柴田錬三郎 『岡っ引どぶ』

2020-07-02 | 日本人作家 さ
先月は3冊しか投稿できませんでした。試験勉強も終わり、家の補修工事も終わって、さあ読書だと意気込んだのですが、疲れてあまり読めませんでした。やはり1年の折り返し地点にさしかかると疲れがドッと出ますね。歳だなあ。

以上、梅雨の時期だけにジメジメした言い訳。

さて、柴田錬三郎さんの作品は初めて。

そういえば、ちょっと前の朝ドラ「とと姉ちゃん」で、主人公が入社した小さな出版社の編集部にいた(五反田さん)という先輩が、じつは柴田錬三郎さんがモデルだそうでして。

時代的には「十二代将軍の~」と出てきますから、江戸も後半。

身なりが薄汚い、お顔が、ちょいと、その、(まずい・・・)岡っ引、名前を(どぶ)といいます。本人も「親分じゃなくて(どぶ)でいいよ」と言ったり、周りが「(どぶ)の旦那」と呼んでいるので別にいいのですが、数年前にふらりと江戸に現れて、岡っ引になったんだとか。

(どぶ)を岡っ引にしたのは、盲目の与力、町小路左門。

第一話「名刀因果」は、世間から「怨霊屋敷」と呼ばれている武家屋敷があり、そこで起きた奇妙な出来事という話。
大番組八千石という大身旗本、近藤右京亮友資の家は、代々、精神異常や身体障碍などが生まれ、現(殿さま)も、過去に「ご乱心」あそばされて蟄居の身。跡継ぎの長男は知的障害。妹は目が不自由。過去にご先祖様が何かひどく悪いことをしでかして「呪い」がかけられているのか、という話も。
そんな近藤家の用人が左門の屋敷を訪れ、あるお願いをします。
それは、将軍家に家宝の刀を献上することになったのですが、用人はこれを機に跡継ぎを廃嫡にして他家から養子をもらって御家存続をはかろうとしますが、どうやら、家宝を盗んで献上できなくさせて改易(取り潰し)と誰か企んでいるのでは・・・と不安になって相談に。
そこで、左門は(どぶ)に、この家宝の刀を見張れ、と命令。
知り合いの盗賊に頼み、近藤家の屋根裏に侵入し、刀を見張る(どぶ)。刀は、盲目の娘(小夜)が片時も離さず持っています。ところがある夜、(どぶ)がほんの少し目を離している隙に何者かが小夜の寝室に忍び込んで刀が盗まれ・・・

第二話「白骨御殿」は、立て続けに起こる奇妙な事件の出所は将軍様のご息女が輿入れした屋敷・・・という話。
(どぶ)は、水死体の引き上げ現場に出くわしますが、この死体、顔だけが白骨化しているという不思議な状態。これとは別に、幻覚でも見てるのか、ふらついてる女形の役者と出くわします。ところがこの女形は後日死亡。この出所を探った(どぶ)は、七千石の大身旗本、土屋千四郎の屋敷が怪しいと発見。
江戸城は基本的に中級以上の武士しか入れないのですが、たまに町人や下級武士も入れるイベントが催されます。そのイベントに参加したとある小大名の十石取りの小姓が、大奥に住む、ある「訳あり」の姫様に見初められます。そこで周囲はその小姓を廃家になっていた旗本家を継がせ、そこに輿入れさせたのですが、この家で一体何がおこなわれているのか・・・

第三話「大凶祈願」は、巷で大流行している占いのたぐい、特に「犬神様」の流行はすごいもので、なんでも五代将軍綱吉の時代にいた「お犬の方」の祟りが云々、そこでお犬の方の霊廟が建てられるという話があり、その土地の提供者が、前の若年寄、土井但馬守光貞その人。この大金持ちの大名、なにかと(黒いウワサ)があり、密貿易に加担しているのでは、なんて話も。そこで(どぶ)がこの家を調べると、当主は暴君、三人の息子と一人娘はそろいもそろってごくつぶしと、まるでいい所ナシ。すると、件の霊廟の建設現場で、木乃伊が発掘されたのです。若い女性の木乃伊をしげしげと見ていた(どぶ)がふと見物人の方を見ると、木乃伊の骨相にとても良く似た女がいるのを見かけます。これとは別に、家の工事に関わった職人が次々と死んで、さらに息子たちも次々に行方不明になるという奇妙な事件が・・・

3篇とも「奇妙な事件」ですが、ホラー的、ファンタジー的なものではりません。

柴田錬三郎さん、面白い。なにを今さらという話ですが。さっそくオンラインショップで他の作品を注文しちゃいました。
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佐伯泰英 『吉原裏同心(十四)決着』

2020-03-07 | 日本人作家 さ
とうとう十四巻まできました。いちおうこのシリーズが全二十五巻。ところがこのシリーズの続編にあたる「吉原裏同心抄」という新シリーズがあって、折り返し地点は過ぎたかなと思いきやまだ先は長い。

さて『決着』です。ここでの決着とは、前巻「布石」での旧田沼派が目論む札差業の乗っ取りとの対決のことでしょうか。
ところでそもそも幹次郎と汀女が九州から逃げて江戸の吉原まで来た件については、完全に決着がついたんでしたっけ。

札差の新興勢力(香取屋派)と、現・筆頭行司(伊勢亀派)に分裂してしまった札差界。近々行われる次期筆頭行司の投票の直前アンケートでは香取屋がやや優勢。しかし伊勢亀派も黙ってはいません。もともと札差とは(持ちつ持たれつ)の関係だった吉原会所が伊勢亀に協力することに。
ですが、遊女たちはというと「金さえ払ってくれれば良い客」というスタンスで、次の筆頭行司が誰になろうとぶっちゃけどうでもいいのが本音。

そこで吉原会所の四郎兵衛が思いついたのが、前の老中の(亡霊?呪い?)が相手なら、こちらは現老中が相手だと松平定信を引っ張り出そうとします。

しかし、松平定信といえば、はじめの頃こそ三木武夫ばりにクリーン路線で人気もあったのですが、いきあたりばったりの改革で人気は下降気味。次の改革のターゲットは、ズバリ札差。
もともと札差とは、幕臣が給料として支給される米を御蔵から受け取って、米屋まで運んで換金して手数料をいただく(代行業)が本業だったのですが、いつのころからか蔵米を担保に金貸しまではじめます。というのも、江戸開府も百年ほど経って、国内の治安も良くなりますと、急激に江戸に人口が流入します。物価は上がる一方。ですが、武士たちの給料がアップすることはありません。組合でも作ってベースアップ要求もできません。ですので彼らの生活は苦しくなりますが、(武士の体面)というものがありまして、例えば五十石取りの御家人クラスでも、家には女中や小者を置かねばならず、その他何かと出費がかさんで大変。

この借金をすべてチャラにしちゃおう!というのが「棄捐令」。五年前までの借金はすべて帳消し、五年~現在までの借金の利子は年利を三分の一にするという、武士にとっては救済策ではありますが、札差にとってはたまったものではありません。

そこで四郎兵衛、もし次の札差筆頭行司選挙で伊勢亀に投票してくれれば、棄捐令じたいは実行しますが、その後、札差たちに助成金を出す、と松平定信にお願いに行こうとしますが、そんな気軽に会える相手ではなく、そこでかつて定信の側室(お香)を白河から江戸まで連れて来て、今でも(お香)と交流のある幹次郎と汀女を連れて(お香)の住む抱え屋敷に向かおうとしますが、それを妨害しようとする者が・・・

いちおう、これで旧田沼派との「絶対負けられない戦いがそこにはある」は終わったのでしょうか。しかし、「日に千両の金が落ちる」といわれた吉原は、誰にとっても魅力的な利権ではありますので、四郎兵衛会所や幹次郎・汀女にとって新しい敵はまだまだ出てくるのでしょうか。

はやく最後まで全巻読み終わりたいという気持ちと、結末はまだまだ知りたくないという、ふたつの想いに揺れ動いています、浜田省吾的にいえば。
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佐伯泰英 『吉原裏同心(十三)布石』

2020-01-30 | 日本人作家 さ
ものすごく久しぶりに読みました。
どのくらい久しぶりかと調べたら前回つまり十二巻の投稿が二年前の二月。まだ平成ですね。

今までのストーリーをざっと説明しますと、九州の小藩の家臣、神守幹次郎は、幼なじみで上役の妻だった汀女を連れて藩から脱走します。追手から逃れ、行きついた場所は江戸の遊所、吉原。そこで吉原の自治組織(会所)の四郎兵衛に見込まれて夫婦とも吉原のお世話になることに。汀女は書と俳句の先生、幹次郎は奉行所の同心でも解決できない廓内での事件を解決する(裏同心)に。
いろいろと問題解決をしていって吉原会所の信頼も高まります。が、ある事件があって吉原が全焼。しばらくは浅草や深川で仮営業しますが、いよいよ再建・・・

さて、今作のテーマは「札差」。
ひらたくいうと米の仲介業。江戸時代は米本位制でして、お侍さんの給料は米で支給されます。でも江戸も中頃になりますと、貨幣の流通が当たり前になってきてましたので、米をお金に換える必要があります。それを担当していたのが札差。

当然、誰でも自由にやっていい職業ではありません。「株仲間」というカルテルのようなものがありまして、百九人の株仲間によって札差業は独占されていました。
しかし問題が。江戸の物価は上がる一方なのに、武士(旗本・御家人)の扶持米(給料)は変わりませんので、来年の扶持米を担保に借金をします。中には二年三年先の扶持米を担保に、なんて家も。これによって札差は大儲けしますが武士の借金は膨らむ一方。

そこで時の老中、松平定信が行ったのが「札差からの借金すべてチャラにすっからよー」という「棄捐令」。困ったのは札差。札差は遊びを控えます。じつはそういったお大尽の豪遊こそ江戸の経済の末端を支えていたので、世の中は不景気に。武士たちは一時的に楽にはなりますが生活が苦しいのは変わりませんので、借金をしたいのですが札差は「悪いな、他あたってくれよ」と断ります。なりふりかまっていられずに老家臣が店先で札差の番頭に土下座をしたり、浪人を雇ってゆすりたかりで無理やり金を借りてこさせたり、もはや武士の矜持もへったくれもありません。一方、札差も腕っぷしの強い男どもを雇って仁義なき戦い。

はじめこそ、田沼意次の賄賂政治をやめさせた世直しスーパーマン的扱いだった松平定信でしたが、徐々にその場しのぎの改革案で庶民の人気も落ちてきて、
「白河の 清きに魚も 住みかねてもとの濁りの 田沼恋しき」
なんて歌も。

そんな札差百九人のトップである筆頭行司の伊勢亀半右衛門が、吉原の花魁、薄墨を川遊びに誘います。普通は吉原の遊女は外に出てはいけないという厳しい決まりがあるのですが、そこは札差のトップと薄墨太夫、特例中の特例。しかし、この川遊びになぜか幹次郎と汀女の夫婦も誘われます。たんなるボディーガードというわけでもなさそうな、この話にはなにか深いワケでもあるのかなと思っていたところ、汀女がひとりで茶屋に向かっていたところ、知らない男が声をかけてきてきます。その男は札差「香取屋」の大番頭と名乗り、「亭主に(今の暮らしを大切にしろ)と伝えてくれ」と、脅しのような言葉を残して消えます。

香取屋とは、新しく株仲間に入ってきたそうで、ここ十年ほどで勢力を伸ばし、今では(伊勢亀派か香取屋派か)と二分されている状態。
幹次郎は、シリーズにたびたび登場する(身代わりの佐吉)に香取屋を調べてもらうと、香取屋の当主武七は、田沼意次の息のかかった者だという噂があるというのです。

それから、幹次郎のもとに騎馬武者が襲ってきたり、吉原の小見世で「自分は老舗の菓子屋の若旦那だ」という男が遊び代を支払えず、菓子屋に掛け取りに行くと見世にいた男は菓子屋の若旦那ではなく別人で、調べていくとその男は香取屋に出入りしていて捕まえようとしますが行方不明になり、ある日、死体で発見され・・・

そんな香取屋からのあからさまな脅迫もある中、いよいよ川遊び当日。幹次郎と汀女は薄墨太夫をつれて伊勢亀の舟へ。しばらく川を下っていると、槍や刀を持った浪人たちの乗った猪牙舟に周りを囲まれ、さらに火のついた船が迫ってきて・・・

はたして香取屋は田沼派の残党なのか。彼らの目的とは。ここで話は次巻へ。いよいよ次期の札差センターを決める総選挙が行われます。現段階では金に物言わせて香取屋が若干リードの様子・・・

この話とは別に、吉原会所の番方、仙右衛門と幼なじみの女性との恋物語が。

去年の終りぐらいから環境が変わってありがたいことに本をガッツリ読める時間が取れるようになったのはいいのですが、ガッツリ読めることで佐伯泰英さんのような読みやすい本ですとヘタすると読み始めたその日に読み終わってしまうので、本を買う量が増えそう。
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真保裕一 『灰色の北壁』

2019-05-16 | 日本人作家 さ
当ブログの過去の投稿を見てみましたら、2018年の10月ですね、
新田次郎「孤高の人」を投稿してました。

日本に「文学賞」はいくつあるのか分かりませんが、その大多数
は作家の名前を冠したものとなっていますね。
で、「孤高の人」を読んで、はじめて「新田次郎文学賞」という、
時代小説や自然分野の小説に贈られる賞があることを知り、では
過去の受賞作を調べてみると、有名な作家さんが多く受賞されて
ますね。

というわけで、探してきて買ってきたのが真保裕一さんの『灰色
の北壁』です。

そういえば出世作の「ホワイトアウト」も、まあある意味「自然
分野」といえなくもないですが、厳しい自然に立ち向かう、ちっ
ぽけで無力な人間というのはすでに書かれているということで、
読み始める前から期待大。

「黒部の羆」は、北アルプスの黒部が舞台。山小屋にいる男は、
元警備隊。今は山小屋の主人。しかし営業期間が終わっても下山
しません。まだ入山規制の前なので、登山者がいれば誰かしらが
山にいなければならないので、どうせ麓に下りても独り暮らしな
のでと男は残っています。そこに警察からの無線が。
このふたりの遭難者、矢上と瀬戸口にはたんに登山に来ただけで
なく、それぞれ別の思いが・・・

表題作「灰色の北壁」は、ヒマラヤ山脈にある、世界中の登山家
が恐れる「ホワイト・タワー」と呼ばれている山が舞台。
主人公の作家の下に「登山家の刈谷修が亡くなった」と電話が。
じつはこの作家、過去にホワイト・タワー登頂の偉業をなしとげ
た刈谷修の(山頂から撮った写真)に疑惑があるという文を書い
たことがあったのです。その(疑惑)とは。刈谷修はホワイト・
タワー登頂に成功したのか。作家が疑惑を投げかけた(証拠)と
は一体・・・

「雪の慰霊碑」は、北笠山が舞台。タクシーに乗った中高年の登
山客を見て運転手は「お客さんひとりで登るんですか。気をつけ
てくださいよ」と声を掛けます。というのも三年前に遭難で三人
が死亡する事故があったばかり。じつはこの中高年の登山客は、
その死亡した登山者のリーダーだった男の父親。
この三年、生きていると実感もないまま過ごし、息子が最後に歩
いた道を歩いてみよう、そして息子と話してみようと事故現場で
ある北笠に登ります。
一方、息子の婚約者だった女は(お父さん)が身辺整理をして出
ていったと思い、彼女もまた北笠へ・・・

三作品とも山岳小説ではありますが、ミステリぽくもあります。
そして共通するのは女性の存在。
山はよく「レディ」などと擬人化されるように、神話の世界でも
その昔、富士山が(ヒステリー)で噴火したなど、(女性)とし
て表現されます。
ハイキングのレベルではない本格的な(登山)ともなれば、それ
はもう命がけ。麓に愛する存在を残してまで命の危険を冒す理由
とは何なのか。

とまあ、命の危険を全く感じない(読書)をしながら、ふと思っ
たわけであります。
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真保裕一 『アマルフィ』

2018-11-10 | 日本人作家 さ
この作品は、映画化されたと記憶していて、たしかその時に
作者の真保裕一さんが「俺の名前をスタッフロールに入れて
くれるな」とかなんとかあったような。

さて、物語は、黒田康作という外交官が主人公。

冒頭、黒田はギリシャに。なぜギリシャにいるのかというと、
ある環境保護活動団体を追っています。ギリシャで行われる
環境会議で派手な抗議活動やデモを計画していて、その中に
日本人がいるということで、本来は外交官に捜査や逮捕の権
限はないのですが、違法で入国している日本人を地元の警察
に告発する権利はあるということで、団体の船に乗り込んで
捕まえて地元警察に引き渡します。

この黒田の肩書は「特別領事」という、テロ対策・邦人保護
のスペシャリスト。そんな黒田の携帯に、事務次官の片岡か
ら電話が。外務大臣がイタリアに外遊に行くので、ただちに
イタリアへ向かってくれ・・・

黒田がイタリア大使館に着いて早々、火炎瓶が大使館内に投
げこまれます。ギリシャで捕まえたような過激な環境保護の
団体が日本とイタリアが共同開発する天然資源の掘削事業の
妨害のためにやったのか。

また問題が。母親と旅行に来ていた9歳の女の子が行方不明
だと旅行会社から連絡が来ます。火炎瓶の件は別の職員に任
せて、黒田は安達という女性職員と母子の宿泊先のホテルに
向かいます。

母親は矢上紗江子、34歳。娘の名は(まどか)。

観光を終えてホテルのロビーに戻り、娘がトイレに行くとい
って突然消えたというのです。防犯カメラを見せてもらった
のですが、娘の姿は見当たりません。
すると紗江子の携帯に娘から電話が。

相手はイタリア語で「娘は預かってる」と言います。電話を
変わった黒田はイタリア語で話すと相手は「10万ユーロを
明日の朝までに用意しろ」と要求。

こういう場合、大使館としては、地元警察に通報するか相談
します。その国の警察のレベル、つまり本気になって捜査し
てくれるかどうか。マスコミがかぎつければ騒ぎが大きくな
る可能性も。しかし通報せず身代金さえ払えば人質は解放さ
れるというケースも少なくありません。
娘の身の安全を考え、紗江子は警察に通報はしないことに。

ここで黒田は紗江子が外資系銀行の東京支店に勤務している
ことを知ります。
しかし、そこにイタリアの警察が到着し「娘が誘拐されたと
いう日本人はどこですか」と・・・

どうやらホテルが通報してしまったようで、仕方なく黒田は
紗江子を大使館へ連れて行きます。そこに犯人から電話が。
金を持って、翌朝10時15分ローマ発ナポリ行きのユーロ
スターという高速鉄道に乗れ、と。

紗江子はこのチケットを持っているのです。聞けば、娘もこ
のチケットは持っているはずで、イタリア南部のリゾート地
のアマルフィに行く予定だったのです。
黒田もチケットを買い、現金10万ユーロを持ってナポリへ、
そしてアマルフィに向かったのですが、地元警察の失敗で取
引は失敗してしまい・・・

まどかは無事戻ってくるのか。行く先々で紗江子の行動がま
るで監視されてるようなのはなぜか。犯人の目的とは。

常々、フォーサイスやダン・ブラウンのようなアクションミ
ステリの日本版を読みたいと思ってはいるのですが、日本を
舞台に、あるいは日本人を主役にするとどうしても不自然感
が拭えないといいますか。
しかしこの作品(「外交官シリーズ」というシリーズになっ
てるんですね)はそこらへんの不自然はあまり感じられず、
楽しめました。

が、

この誘拐犯グループの犯行の主目的というのが、まあなかな
かヘビーなテーマでして、それとこの物語の雰囲気というの
がちょっとアンバランスと言うか、なんか急に場違いなの持
ってきちゃったなあという感じでした。
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