やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

年末のベートーヴェンの…

2012-12-29 | 音楽を
シュナイダーハンのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、昔から、好きでした。

特に、シュナーダーハンのファンといふ訳でもないのですが、この演奏は、LPの頃から、愛聴のひとつです。

今回、たまたま、幾つかの演奏を色々聴いてゐて、なるほどと思ったことは、質実剛健のやうなシュナイダーハンのヴァイオリンの音色ではなく、バックのよさでした。

1960年代前半、まだ名門ベルリン・フィルは野性味のある、豪快な音を出してゐました。
まだ、妙に気取った高域は強調されてをらず、中音域のどっしりとした、ドイチェのオーケストラでした。

そして、小生が好む、その時代のベルリン・フィルをドライブする1960年代のオイゲン・ヨッフムの堂々とした指揮振りが目の前に浮かびます。

まだ若造だったハンティンクが、30台前半だったでせうか、華々しく名門コンセルト・ヘボウのオーケストラの指揮者になりながら、けれどその若さを心配する周囲がつけた後見人が、ヨッフムでした。

小生、天邪鬼なもので、能や歌舞伎を見るときに、いつも後見人の姿をみてゐます。
後見人とは、主演の演者をサポートする役ではなく、主演者が急に倒れたときに、間髪おかずその演技の続きができる人です。強靭な神経と、強靭な技術を有してゐる人です。

ヨッフムも、この頃、”オランダの宝”のオーケストラの後見人を任されたくらゐです、この頃の演奏は、きはめて充実してゐて、でもその割りに表にでてゐないのがとても残念です。


でもまあ、しばし、年末のベートーヴェンのヴァイオリン・コンチェルト!

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 Op.61