やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

好きな、名シーン

2012-02-10 | 映画雑感
アルバン・ベルクの歌劇「ルル」なんてものは、動画にないものかしらん? と思って探してゐたら、幸いかな、結構これがUPされてゐて、前衛的な演出ですが、同じく歌劇「ヴォツェック」もあったりして、思はず4時間近くのDVDに落としました。

探してゐる途中で、ヴィスコンティ関連のところに迷ひ込んで、名作『ベニスに死す』の、そのなかでも小生が一番好きなシーンが短くUPされてゐました。(全編もUPされてゐて、驚いたのですが…)

Mahler inspired scene - Death In Venice / Mort 醇A Venise/ Tod in Venedig / Morte a Venezia


マーラーを模した主人公が、一度ベニスを離れるのですが、不慮の事情でふたたび戻ることになり、ホテルの窓から、海辺を歩く美少年タッジオに陰から”帰ってきたよー”とばかりに手をふるシーンから、マーラーの5番のアダッジォが流れ、暗くやるせない、まるで腐敗の海へ沈んでゆくやうなこの物語りで唯一明るく光りにあふれたやうな、若きマーラーと妻アルマと長女マリアとの幸福なシーンがワンカット入ります。このあと、再び、その長女の死の場面が短くはいるのですが、実際にもかくありなんと思ふやうな、美しいシーン、です。