やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

クレーメルのベートーヴェン

2005-09-20 | 古きテープから
1977.8.3 ザルツブルク音楽祭大ホール
(Vn)ギドン・クレーメル
指揮:クラウディオ・アバド/ロンドン交響楽団
プログラム:ベートーヴェン/バイオリン協奏曲
       他は不明

若手の筆頭として名を馳せだした頃だったけれど、
驚いたことに、この時、クレーメルは30歳だった。
この数年の後に彼は亡命するのだけれど、既に風格の備はった演奏です。

ベートーヴェンのバイオリン協奏曲なんて、そんなに日常的に聴くものではないけれど(少なくとも小生は)、ゆっくりとした冒頭のティンパニの連打と、
続く厚い響きに耳をそばだててしまひました。
そして、クレーメルのバイオリン。
美しい音色で、けれどそれが弱さになってゐないところが素敵です。
第一楽章のカデンツァが素晴しい。
クレーメル得意の、シュニトケのものでせうが、ティンパニとからませてブラームスのバイオリン協奏曲からのリズムなどが出て来るところなんて、実にスリリング!

それにしても、この頃のアバドのよさを再認識。
彼はのちに、ウィーン・フィルやベルリン・フィルとの組み合はせで、”整った”
演奏をするやうになってしまふけれど、この頃はまだそんな”名誉な”組み合はせを夢だに思ってゐなかったからか、ロンドン響を気持ちよくドライブしながら、若手のバイオリニストに丁寧なバックをつけてゐます。


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