やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

『月山』、を読む

2007-05-03 | 本や言葉

             

今年の桜の締めくくりは、注連寺の七五三掛のカスミ桜を見るつもりです。
まう、10年以上も想ってゐる桜ですが、咲いた時期に行くのが難しく、
今までその期を逸してゐて、
今年もまだ咲いてゐないやうです。

注連寺に行くとあらば、森 敦の『月山』を読まねば失礼ーと、読みました。
30年ほど前か、一度読みかけましたが、投げ出した覚えがあります。

が、今回はあっさりと読み終へ、また、読後感もよいものでした。
(年のせゐか、山形弁がわかるやうになったせゐかー)
文章も、主人公(森自身の投影でせう)の心情も、淡々と、飄々として、
ある意味、死を覚悟してさまよひ歩いた果ての月山の姿に、少し闇が解けてゆく姿が豪快な墨絵のやうに描かれてゐます。

今さらながら、まう少し、彼の作品を読んでみたくなりました。


ちなみに、
月山は、見る地域によってその姿をずゐぶんと変へます。
山形市側と庄内側でもかなり違ひますし、
”まるで月がでるやうな”姿は、確かに、肘折温泉の方角かもしれません。

小生の家の近くから↓



肘折温泉の近くから↓