やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

ゼルキンのモーツァルト

2005-11-25 | 音楽を
仕事場を移転することにしたので、
慌しく時間に追はれてゐます。

小物を運んでゐる最中、車内ではルドルフ・ゼルキンのモーツァルトを
聴いてゐました。

第21番と第23との組み合はせ。
1982年の秋、ゼルキン79歳! の時の録音。
バックは、クラウディオ・アバド指揮のロンドン交響楽団。

アバド指揮のロンドン響が、いまひとつ面白くないけれど、
ゼルキンのピアノは、硬めの音色ながら、ひととき時間を開放してくれます。
まったくに無骨といふやうな演奏で、華やかさや流麗感は微塵もない。
よもや、そんなものは自分には必要ない、と云はんばかりの演奏です。

モーツァルトのピアノ協奏曲として、それほど話題にあがったこともなかった
やうに記憶してゐますが、それでも、一連の録音の第27番とともに、
ときをり聴く彼のモーツァルトは、ウム、と黙り込んでしまふほどに、
冬へと向かふ季節にモノトーン的な演奏で小生を救ってくれます。