rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

未完のファシズム米国

2021-02-27 00:25:38 | 社会

慶応大学の思想史、音楽史研究家である片山杜秀氏が著した「未完のファシズム」という名著があり、以前書評をブログで記しました。要約的には、戦前の日本における体制は統一された思想や指導者に完全に統制されたイタリアやドイツの完成されたファシズムではなく、統制派や皇道派などが独自の理屈で日本の政治をかく乱し、「戦争をする」という方向性は決まっていて、国民が異論をはさめるものではなかったものの、 ファシズムとして未完成であった故に両論併記と責任回避を繰り返して結局悲劇的な結末に至った、と説明されるものでした。

片山杜秀氏の未完のファシズム(新潮選書)

 

現在の米国は、「リベラル左翼とポリコレを利用した国家権力と企業権力の融合」により、ジェンダーや民族の多様性は認めるが、意見の多様性は認めない「ファシズム」に陥っていると誰もが感じています。しかしこのファシズムは大統領であるジョー・バイデン氏が絶対的な権力を掌握した結果ではどうもないようだ、むしろ大統領は痴呆により前後不覚の状態であることが明確になってきました。

 

〇  一体だれが大統領としての決断を下しているのだろうか

 

2月22日31人の民主党下院議員は、(認知症の)バイデン大統領一人が核のボタンを持つことは危険であるから、ハリス副大統領やペロシ下院議長へその権限を委譲するよう求める下記の書簡をホワイトハウスに送ったと報道されました。

また、25日、米軍はシリア国内のイラン武装勢力の施設をバイデン大統領の命令で空爆したと国防総省が発表しましたが、「そんな話は聞いていない」と副大統領のカマラ・ハリスが激怒したという話もあり、一体だれが戦闘開始の指揮を執っていたのか不明な状態です。

民主党下院議員が連名でホワイトハウスに送った書簡      バイデン大統領の指令でシリアを攻撃したとする国防総省の公式発表

 

施政の方針は殆どの閣僚が属している外交問題評議会(CFR)が決めて、大統領令はオバマ時代の国連大使であるスーザンライスやウクライナを地獄に変えた悪女ビクトリア・ヌーランドが決めている。政治表面には一応適応力のあるカマラ・ハリスが対応するとして、日々省庁や情報機関から上がってくる情報や問題に大統領として対応しているのは誰なのでしょう?

今の米国は多様な意見は許されません。民主党バイデン政権の正統性を疑う言論や、WHOの見解に沿わない新型コロナについての意見も大手メディアや言論プラットフォームからは「削除」されます。つまりファシズム国家になっています。しかしファシズムとして単一の意思決定機関や人物がいるのか?というとどうも「無政府状態」であり、それぞれの機関が勝手に意思決定をして認知症の老人の所に「皆のためにここにサインしてください」と命令書を差し出せば「おお、これで米国民が幸せになるのだな」と何も考えずにサインしてくれるようです。だから民主党下院議員たちが恐れるように「ピザを頼むにはこのボタンを押せばよいのかい?」と差し出された核のボタンを押してしまう可能性を否定できないという冗談で済まない状態が既に起きているのかも知れません。

 

2月22日米国最高裁は2020年の大統領選挙に関する全ての訴訟ケースで裁量上訴(Certiorari)を棄却したというニュースがありました。選挙結果の大勢に影響が少なかったなどの色々言い訳が記されているようですが、要は今回の選挙制度について合憲であるかの判断を最高裁は「しない」と決めた。選挙の結果について最高裁は責任を持たない(合憲とも違憲とも判断しないから)という事のようです。だからバイデン政権の正統性は形式的な手順を踏んだという意味での正当性のみで、そこで下された決断は大統領が幻覚妄想状態で判断能力がないのであれば、「誰の責任でもない」事になります。

上訴棄却について述べた最高裁の文書の一部(誰でも見れる)

 

今の米国は「リベラル左翼とポリコレを利用した国家権力と企業権力の融合による米国版未完のファシズム」と言えるのではないでしょうか。

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