rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

医療・介護従事者は全員公務員にすべし

2010-04-08 19:43:15 | 医療
日本の医療問題は医療者の質や倫理観の問題などではなく、全て経済問題である、とブログ開始から主張し続けてきました。日本の医療費は総額36兆円を超え、医療レベルが高度になり平均寿命も延びるにつれて、国民皆保険制度の維持、高齢者介護などの負担増にどう対応するか、厚労省の政策は「いかにして医療費負担を減らすか」にのみ絞られてきました。そして医療報酬が市場原理に基づかない社会主義経済による「国家が価格を決定する」方式であるため一方的に報酬を減らされた病院が次々と赤字倒産に追い込まれ、労働負担を増やされた病院勤務の医師達は職場を去り現在の「医療崩壊」の危機が叫ばれるようになったのです。

2000年のWHOが発表した世界の医療水準で一位であったのは日本です。そして2009年においてもOECD Health dataに基づくConference board of Canadaの国際評価において日本の医療は総合で一位の評価を得ています(二位はスイス、3位はイタリア、以下ノルウエー、スエーデン、フランス)。私は世界一の日本の医療が自分の子供や孫達の代にも日本の財産として続いて欲しいと願う一人ですが、現在の医療危機を救う解決策は明らかではありません。

医療や介護、福祉といったものは、国民全てに均等に行き渡るものでないといけない性質のものであること。これらの値段が社会主義経済的に国家によって決められていること。受益者負担は一部で、国家により7割以上が現物給付されていること。などを考えると、限られた予算で医療の質を保つにはそれを行なう医師、看護師、薬剤師、介護士などの所得と勤労負担をある程度均一化するしかないのではないかと思います。医師は科の選択や開業、勤務地の自由がない国は既にヨーロッパなどで多くありますが、日本もそろそろ医療報酬と同様に医師の給与や勤務も社会主義的に決める、つまり公務員的に決める方向でも良いのではないかと私は思います。

私は公務員であったこともあるし、それほど現在の給料も良くないのでまた公務員扱いになっても却って退職金や年金が増える(国家公務員共済、私学共済、厚生年金と渡り歩いているから継続している人より低い)位ですが、開業している人や私立の病院で高給をもらっている医師は猛烈に反対するだろうなあとは思います。しかし国民の医療福祉の負担にも限界がある一方で、介護職の人達の重労働と低賃金の現状や医療の偏りをどこかで是正するには医療職にある人達を一度強制的にシャッフルして割り付けし直すような作業が必要なのではないかと思います。

勤務医には発言力も政治力もなく、なされるがままを受け入れるしかなかったので医局改革や研修制度改革、医学部学生の定員増、厚労省が勝手に決めた負担増も何の抵抗もなく行われてきました。唯一の抵抗は沈黙して職場を去り、開業することでした。そろそろ全ての負担は全ての医師・医療職に均等に割り振る時期に来ていると思われます。医療職の公務員化は重たい政府を作ることにもつながりますが、日本中の教育職の基本は公務員なのですからそれと対して変わらないと考えればよいのではないでしょうか。
コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 包茎を気にする母親 | トップ | 好き嫌いの容認とハングリー精神 »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大変意味のあるブログですね (遠藤)
2010-04-13 13:54:10
何故そんなにも嫌われるユダヤ人。とグーグルで検索したら、トップに出てこられましたので、ブログを読ませていただきました。
プロフィールに「なぜ日本が戦争を起こしたのか研究中とか。」と記載がありましたが、「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」加藤陽子著はもう読まれましたか?書評をお聞きしたいです。
返信する
Unknown (rakitarou)
2010-04-13 19:55:17
遠藤様コメントありがとうございます。加藤氏の「それでも・・」は現在読んでいるところです。論理的な説明でなかなか読み応えがあるのでまだ書評を書けません。右とか左とかの色分けによって見えなくされてきた真実を知りたいという動機でブログを書いております。今後とも宜しくお願いいたします。
返信する
Unknown (遠藤)
2010-04-14 20:41:15
右と左の色分けが私の知りたいことを曇らせているとは思っていたんです!
太平洋戦争がどんな戦争で、何故始めてしまったのか、わからないでいることはよくないと思うんですけど、どうも異色扱いされてしまうし、怪しい方向に突っ切っている人も多いから、嫌だったんですけれど、自分の国の正しい歴史ぐらいは知っていないととは思うんですよね。
これからも拝読させていただきますね。
返信する

コメントを投稿

医療」カテゴリの最新記事