rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

大きな政府か小さな政府か

2010-04-23 18:35:36 | 政治
原中新体制「混合診療」「医療ツーリズム」などに懸念?日医会見(医療介護CBニュース) - goo ニュース

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混合診療の原則解禁に「断固反対」-保団連
2010年4月23日(金)16:00
全国保険医団体連合会(保団連)は4月22日、「混合診療」の原則解禁への反対を訴える要請書を長妻昭厚生労働相や枝野幸男行政刷新担当相らに提出した。要請書では、混合診療の原則解禁には「断固反対」とし、保険診療の拡充などを要望している。

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日本は国民皆保険制度により全ての国民が手厚い医療を受けられるようになっています。国民としては少々生活が苦しくなっても保険料は払っておいたほうが特です。しかし経済界や国としては増え続ける医療費に対して、特に高齢者の医療費が高騰していて医療保険を払いきれないといった圧力があり、また医療を産業として儲かる分野にするため、以前から「混合診療解禁」が提唱されてきました。

一方で自国よりも安く良質な医療が受けられることを「売り」にして外国人を医療を受けさせる目的で入国させる「メディカルツーリズム」は、「医療を安く行なう」ことが前提の商売と言えます。日本の医療機器はアメリカで買うより高いのですから日本の医療が安上がりなのはひとえに「医師や看護師の給料が安い」ことに起因しています。

日本医師会としては国民全てに良質な医療を提供しようという建前(本音もそうだと思いますが)から混合診療は反対、また労働条件が悪い事で成り立つメディカルツーリズムにも反対である、というのは納得できる対応と思います。

民主党政権は医者を1.5倍に増やして、混合診療を解禁して医療の幅を広げて、外国人にも日本の医療を受けられるようにして医療を産業としても育てるということのようですが他の政策と同様「思いつき」の枠を出ておらず、「日本の医療はかくあるべき」という腰が座っていないように感じます。小泉政権のアメリカの圧力による「医療の市場化」も酷い政策で日本の医療はそのためにぼろぼろにされたとも言えますが、「国民の生活を守る」と大見えを切って誕生した民主党政権(原中新医師会長は茨城で真っ先に自民を捨てて民主党支持を打ち出した訳ですが)は医療について腰をすえた筋の通った政策を出してほしいものです。

私は、国民皆保険の上で手厚い医療・介護を保証するには行き着く所「大きな政府」しかないと考えます。中国は「特色ある社会主義国家」ではなく単なる「堕落した独裁制資本主義国家」になりましたが、日本は本来中国が理想と考えたような大きな政府の社会主義国家になれば良いように思います。現に中国では皆保険などありませんし、まともな病院にかかるのは非常に高い。一億人の生活を「政策」として考える上で、米中のような「ごく一部の金持ちと多くの貧乏人」に国民を分けてしまうのは比較的簡単で難しい政策は必要ないでしょう(金銭欲に基づく資本主義の自然の姿にまかせておけば良いだけですから)、しかし多くの国民を中流以上に保つにはやはり国家による上手なコントロールが必要と思われます。

いや、政府の統制はできるだけ小さく、個人の自由を最大限にするリバータリアンが理想である、という考えもあるでしょう。そのあたりの基本的な方針がわかれば国民も医師会も将来の設計が描けると思うのですが、いずれ増税もするとは言いながら民主党の中枢から日本をどうしたいかさっぱり聞こえてこない、困ったものです。

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