rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

省益優先の官僚か私利私欲の政治家か

2010-05-26 20:36:05 | 政治
口蹄疫殺処分、埋める土地なく感染爆発 家畜大量放置(朝日新聞) - goo ニュース

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「官僚主導から政治主導へ」というのは政治家が国益(国民の利益)を第一に優先するから政治判断に省益を優先させる可能性のある官僚主導よりも優れているのだ、という前提が必要です。今回の口蹄疫禍は発見が遅れたとしても発生が明らかになった4月中旬の時点で私が農水大臣(か民主党中枢)ならば国を挙げて対策本部を作って全力で対応することを指示したでしょう。しかし政府として出てきた最初の言葉が原口大臣の「風評被害対策云々・・」であったことには唖然としました。

医師(特に部長職)をしていると常に危機管理というものを考えるように習慣づいてしまっていますが、強力な感染力を持つ口蹄疫が発生したことが明らかで原則が患畜の殺処分であることも常識なのですから「発生と同時に国を挙げて対策本部を作り県をバックアップが当たり前じゃん」と発生の一報を聞いた時に思ったものです。以前ブログにも書いたように、新型インフルエンザの対応も後出しじゃんけん的に空港での過剰な対応を批難する声が随分出ましたが、私は「初期対応としてはあれで良かった、厚労省良くやった」と考えています。結果が解らないものに対する危機管理とはそういうものだからです。

口蹄疫対応の遅れに関連して発生元と見られるA牧場と小沢氏との関連とか、某宗教関連政党との関連とか、消毒薬を国益を考えずに迂回させたとか、様々な攻撃がなされています。攻撃の真偽のほどは解りませんが、小沢氏は政府=政治(民主党)主導=小沢主導を自他共に強要しているのですから、つまらない攻撃の口実を与えぬよう、今回の騒動に直接関係がなくても発生確認と同時に「党としても全力を挙げて早期封じ込めに協力せよ、と指示しました」という声明位は出しておくべきでした。それが政治家としての危機管理というものです。もし本当に「風評被害云々・・」が小沢氏の意図から出たものならば見下げ果てたクズと言わねばなりません。

所で医師の感染症に対する興味として口蹄疫を考えると、口蹄疫とは感染力が強く「比較的」致死率の高いウイルス感染症、と見る事ができます。「比較的」とカッコ付けしたのは患畜が全て死ぬわけではなくけっこう治ってしまうウシブタもいるからです。今回殺処分対象になっているウシブタも感染したけどもう治っているものも随分含まれているようですし、治る病気だからこそワクチンが開発されている訳です(ワクチン打っても抗体が出来ない、或いは出来ても死ぬのであればワクチンと言えない)。ただ治った患畜が保菌動物となってウイルスを広げる培地になってしまう可能性があるので全て殺処分と決まっている訳ですね。ヒトの場合もヘルペスウイルスなどは急性感染が治っても体内に残って体力低下などのきっかけでまた出現しますし、B型肝炎ウイルスのように感染しても抗体ができない人とできる人が混在する場合もあり、ウイルス感染症というのは種類によって独特な感染形態を取ります。

法律にも全頭殺処分が銘記されている口蹄疫は発生初期に徹底的に押さえ込むことがどんな素人でも理解できる対策の基本の「き」である訳ですが、あたりまえの対応ができなかったことはこれからも種々の事例で危機管理について素人でも解る当たり前の対応ができないことが予想されます。テロや自然災害、或いは北朝鮮情勢、これらに対する民主党(小沢氏)の対応が「私利私欲」でなく「国益を第一優先にできるか」については目が離せないところです。
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