rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

普天間基地問題は日米同盟のありかたの問題

2009-11-18 22:26:48 | 政治
沖縄海兵隊グアム移転費、7割減を米上院可決(読売新聞) - goo ニュース
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民主党政権になってからの普天間基地問題というのは「何をどうしたい」から揉めているのか整理されていないように思います。「普天間基地が市街地に隣接しているから移設しないといけない」という問題については自民、民主、米軍ともに一致した見解のようです。ではどこに移設するのかについて自民と米軍は名護市に移設することで一致していたのですが、民主党としては嘉手納か県外、できれば国外に移設してくれということなのでしょう。

しかし民主党の姿勢としては、普天間基地に限らず、沖縄駐留米軍全てがどこかに行って欲しいという基本姿勢の一部であって、「取り合えず基地の移設話があるからまずこれから追い出そう」と言っているように思われます。つまり民主党は普天間基地問題を扱っているのではなく、沖縄駐留米軍全体についてを扱っていると言えないでしょうか。もとより「米軍は横須賀の基地だけでよい」と言うのが小沢さんの意見であり、「日本中に駐留している米軍は不要だ」というのが民主党のスタンスです。このスタンスの是非の結論が出ない限り、現在の普天間基地問題は解決しないと思われます。

アメリカはオバマ大統領も含めてしきりに「日米同盟の大切さ」とか「日米同盟重視」と訴えてきていますが、これは間接的に小沢氏の見解を改めて「今まで通りの在日米軍のありようを続けなさい」ということと、以前書評の「日米同盟の正体」で触れたように、「米国の決めた軍事的行動を同盟国として同調しなさい」ということを主張しているわけです。日本の新聞もメディアもそのことをはっきりと説明しないから日本人は「僕たち友達でしょ、とアメリカが言っている」程度にしか日本人が理解しないのです。

米民主党は、実は日米同盟などもうどうでも良い、というのが本音であって、中国を取り込んで経済も中東地域における軍事も共闘体制でゆきたい、と考えているでしょう。中国も「コキントウ」さんは「コウタクミン」派閥との権力争いが続いていることもあってアメリカとうまくやることで体制がためをしたいのが本音。日本については親中国の民主党は歓迎したいところでしょう。

沖縄、グアムの海兵隊というのは、台湾海峡を含めた対中国に備えた兵の配備ですから、米国務省よりは国防総省がアメリカの覇権を守るために重視している政策の一環です。国務省は米中2国で世界を仕切ろうと言っている位ですから、鳩山総理が日本は中国の軍事的覇権の圏内でいいんじゃない、とオバマ大統領に囁いたのなら今のまま「のらりくらり」している内に国防総省の発言力が減退して在日米軍全体の縮小という方向に向かうことになるでしょう。

いや、「中国の覇権拡大は阻止して、米軍は対中国の防波堤として頑張ってもらう」ことを選択するのならば、普天間は早々に自民党との同意通りに移設を決めて、米海兵隊のアジアにおける勢力展開に穴が空く事がないようにし、出すべき金は出すようにすべきでしょう。

第三の選択は米軍にも出ていってもらい、日本は独自で中国の覇権拡大を阻止することですが、これは望ましい道ではあっても現実問題としては難しいように思います。私はアメリカのグローバリズムは嫌いですが古きよきアメリカの保守は好きなので、国防総省側に味方したい気持ちがあります。共産中国よりは、台湾の方が日本にとって良い存在ですし、将来の国益にもつながるだろうと考えます。

アメリカはアジアにおける戦略配置の再構築を行っていて、海兵隊のグアム移転もその一部なのですが、移転費用を削減したということは再構築を遅らせるということも意味しており、単に日本に対する嫌がらせとも思えません。しかし日本にとっては、普天間基地問題は日米同盟のありかたの問題だと明言するメディアの出現が待たれます。
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