WTCが崩壊した911テロはその後のアメリカを含む世界の運命を大きく変えた事件でしたが、一昨日の9月11日にメディアなどで911事件についての総括を正しく行われるかを期待していたのですがどうもどのメディアにおいても行われなかったように思います。
911テロは誰が何の目的で行ったのか。
オサマ・ビン・ラディンを首班とするアルカーイダというイスラム過激派原理主義のテロ組織が、1996年、「イスラムの聖地であるメッカとメディナの地(サウジアラビア)を米軍が1991年から占拠していることに対して撤兵を要求し、それに応じない場合はアッラーの名の下に攻撃を行う」とした戦争宣言を行いました。CIAはこの宣言に対してビン・ラディンを追跡する特別チーム「アレックス」を立ち上げて警戒してきました。911同時多発テロが発生したとき米国はすぐにビン・ラディンを首班とするアルカーイダの犯行であると断定し、犯行宣言も出されたことからこれは明らかなこととなりました。
ビン・ラディンの戦争目的はその後どうなったか。
2003年4月29日のBBC放送によると、ほぼ全ての米軍はサウジアラビアから撤退したと報じたそうです。つまりビン・ラディンの戦争目的は密かに達成されたことになります。結果的にアルカーイダの脅威は減少してくるはずです。
2006年7月4日のNYtimesによると「ビン・ラディンを追跡するCIAのアレックス部局は昨年(05年)解散され、その初代の長、マイケル・ショイアー氏によるとアルカーイダはもはや脅威を与えないと判断された。」と理由を述べました。ビン・ラディンを追跡していた陸軍のデルタフォースも重点をイラクに移したと報道されました。
つまり911事件の総括としては、ビン・ラディンの生死は不明なるもアルカーイダがテロを起こした目的は達成され、米国も彼らに対する脅威は去り、解決したと判断したわけです。
では何故いまだにアメリカは戦争をしているのか。
911を受けて当時の米大統領ブッシュは「アルカーイダとの戦争」ではなく「テロとの戦争」を宣言しました。つまりテロ組織をかくまい保護すると米国が規定する国家に対してテロの脅威がなくなると米国が規定するまで戦争し続けると宣言したからいまだに戦争が続いているわけです。アルカーイダとの関連を示唆していますが、イラクもイランもアフガニスタン(タリバン)もアルカーイダと直接関係ありませんし、ましてパレスチナのハマスやヒズボラはアルカーイダとは無関係です。第二次大戦、朝鮮、ベトナムと同様結局アメリカは自分達の家族が殺される危険性がないのに他国に出かけていって戦争を続けているというわけです。
私は第二次大戦の反省を最も行っていないのはアメリカと中国であると以前主張しました。911の総括などマスコミは怖くてできないのでしょうが、一般市民である我々は正しく把握しておくべきではないでしょうか。
(今回引用した資料は講談社現代新書、孫崎 享 氏著の日米同盟の正体09年刊行によりました。)
911テロは誰が何の目的で行ったのか。
オサマ・ビン・ラディンを首班とするアルカーイダというイスラム過激派原理主義のテロ組織が、1996年、「イスラムの聖地であるメッカとメディナの地(サウジアラビア)を米軍が1991年から占拠していることに対して撤兵を要求し、それに応じない場合はアッラーの名の下に攻撃を行う」とした戦争宣言を行いました。CIAはこの宣言に対してビン・ラディンを追跡する特別チーム「アレックス」を立ち上げて警戒してきました。911同時多発テロが発生したとき米国はすぐにビン・ラディンを首班とするアルカーイダの犯行であると断定し、犯行宣言も出されたことからこれは明らかなこととなりました。
ビン・ラディンの戦争目的はその後どうなったか。
2003年4月29日のBBC放送によると、ほぼ全ての米軍はサウジアラビアから撤退したと報じたそうです。つまりビン・ラディンの戦争目的は密かに達成されたことになります。結果的にアルカーイダの脅威は減少してくるはずです。
2006年7月4日のNYtimesによると「ビン・ラディンを追跡するCIAのアレックス部局は昨年(05年)解散され、その初代の長、マイケル・ショイアー氏によるとアルカーイダはもはや脅威を与えないと判断された。」と理由を述べました。ビン・ラディンを追跡していた陸軍のデルタフォースも重点をイラクに移したと報道されました。
つまり911事件の総括としては、ビン・ラディンの生死は不明なるもアルカーイダがテロを起こした目的は達成され、米国も彼らに対する脅威は去り、解決したと判断したわけです。
では何故いまだにアメリカは戦争をしているのか。
911を受けて当時の米大統領ブッシュは「アルカーイダとの戦争」ではなく「テロとの戦争」を宣言しました。つまりテロ組織をかくまい保護すると米国が規定する国家に対してテロの脅威がなくなると米国が規定するまで戦争し続けると宣言したからいまだに戦争が続いているわけです。アルカーイダとの関連を示唆していますが、イラクもイランもアフガニスタン(タリバン)もアルカーイダと直接関係ありませんし、ましてパレスチナのハマスやヒズボラはアルカーイダとは無関係です。第二次大戦、朝鮮、ベトナムと同様結局アメリカは自分達の家族が殺される危険性がないのに他国に出かけていって戦争を続けているというわけです。
私は第二次大戦の反省を最も行っていないのはアメリカと中国であると以前主張しました。911の総括などマスコミは怖くてできないのでしょうが、一般市民である我々は正しく把握しておくべきではないでしょうか。
(今回引用した資料は講談社現代新書、孫崎 享 氏著の日米同盟の正体09年刊行によりました。)