rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

振り込め詐欺は騙される方が悪いのか

2009-02-05 00:58:42 | 社会
2008年の振り込め詐欺の被害額は過去2番目に多い276億円(04年284億)だったそうである。不況で皆苦しい思いをしている一方で人の良心につけ込んで金をだまし取る犯罪が過去最高に近いとは皮肉なものだと思う。

子供や肉親が困った状況にあり、金を工面すれば助かると言われれば何とかしてやろうというのが人情であり、「振り込め詐欺犯罪」の情報がなければ私も騙されるだろうと思います。警察やマスコミは振り込め詐欺に騙されないようにというキャンペーンを行っています。基本的に「騙されるな」という啓蒙は間違いではありませんが、ともすると(これだけ騒がれているのに)「騙される方が悪い」といった論調も見かけるようです。

海外では一部ロシアなどに模倣犯があった由ですが、この肉親を装った振り込め詐欺というのは日本独自の詐欺犯罪のようです。つまり「振り込め詐欺」は日本人の「争いは丸く納めたい」「子供や肉親の苦難は助けたい」という美風を逆手にとった悪質な犯罪と断言できます。私は今の世の中で日本人ならではの美風が280億円分もあったということに一種安堵のようなものも感じます。もっとも手口が巧妙になった還付金詐欺などは必ずしも美風とは関係ないようにも思いますが。

これだけ騒がれていて、警察も力を入れているのに、振り込め詐欺の犯人について報道されることが少ないのは実に不思議です。日本人の美風を逆手にとった悪質な犯罪の犯人は駅や新聞、テレビなどで実名、写真を大々的に公表すべきだろうと思います。そのような人間は日本の社会で今後生きてゆくべきではありません。騙される方が悪いのではなく、騙す方が悪いという是々非々を貫くべきであり、日本の社会はそのような厳しさを保つべきなのです。

「争いは丸く納めたい」「可愛そうな人は助けたい」という日本人の美風を逆手に取った同じような犯罪に「戦争責任詐欺」があります。これは国家規模で行われていて、マスコミも犯罪に加担してしまっているので表立って誰も問題にしていないようですが、海外では存在しないのに日本人だけがカモにされていることも共通しています。日本人の中には「騙されないようにしよう」と声をあげる人達を批難したり、進んで詐欺犯罪者に金を払おうとする人達もおり、しかも本人達はとても良い事をしていると勘違いしてしまっています。

日本の社会における争いを避ける知恵や美風からは、振り込め詐欺と同様「戦争責任詐欺」も騙される方が悪いと言い切れない所もあるのですが、簡単に日本人から大金を巻き上げることができるという味を占めてしまうと振り込め詐欺のようにいつまでも犯罪が続くことになります。

我々は長い歴史の中で培われた誇るべき日本人の美風を捨てる必要はありませんが、「もっともらしい状況は示されているが、実体として根拠のない金の無心は詐欺であることを周知する。」「絶対に金は振り込まない。」が振り込め詐欺、戦争責任詐欺を根絶する基本対策だろうと思います。
コメント (1)
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