ROXY MUSIC / SIREN (1975)
T.REX / ELECTRIC WARRIOR (1971)
ALICE COOPER / BILLION DOLLAR BABIES (1973)
NEW YORK DOLLS / SAME (1973)
KING CRIMSON / IN THE COURT OF THE CRIMSON KING (1969)
KING CRIMSON / LARK'S TONGUES IN ASPIC (1973)
KING CRIMSON / RED (1974)
YES / CLOSE TO THE EDGE (1972)
パイロットの最後のアルバムは77年の「TWO'S A CROWD(新たなる離陸)」であった。
3枚目のアルバム「MORIN HEIGHTS」をリリース後、更にメンバーが脱退して二人に
なって出した盤であった。
掲載写真はラズベリーズが74年に出した「STARTING OVER」でこれも前作から
メンバー交代の後に制作されたアルバム。「素晴らしき再出発」という邦題が付けられたが
これが彼らのラスト・アルバムとなった。アルバム発表時にはセールス的に全くの失敗に終わった
アルバムだが、楽曲的には一番充実していると思う。
昔からこのバンドも過去の音楽の焼き直しであるかのように言われていたが、仮に
そうであったとしても、ここで聴くことのできる曲の構成とアレンジは面白い。
オープニングの『OVERNIGHT SENSATION(HIT RECORD)』は、ラジオから流れるような
ヒット・ソングを欲しがる男の話で、これはバンドを立て直したかったエリック・カルメンの
偽らざる心でであったのは間違いないだろう。ビーチ・ボーイズのようなボーカル・アレンジが
素晴らしく、曲の途中でラジオから流れるように音色が変わるところも凝っている。
タイトルがビーチ・ボーイズのような『CRUSIN' MUSIC』も然り。リード・ボーカルをとることが
できるシンガーが3人いるところもビーチ・ボーイズのようで、私は好きだ。
『I DON'T KNOW WHAT I WANT』はまるでザ・フーだし、『ALL THROUGH THE NIGHT』は
ホーン・セクションが昔ながらのロックンロールの熱さを蘇らせる。
さて、日本のロック・ファンにとっての極めつけは『PLAY ON』だろう。何せあのローリーが
『恋するマリールー』で曲をほぼそのまま引用し、尚且つ曲中で「ラズベリーズ色のあの子の名前は
マリールー」なんて歌ったのだから、これ以上に琴線をくすぐられることはない。
こんなに素敵なアルバムを作ってもバンドは解散しなければならないのだから、音楽ビジネスと
いうのは難しい。バンドの中心がエリック・カルメンであることは誰の目にも明らかなのだが
ソロ・アルバムに私の興味が向かないというのも、ある意味「音楽ビジネス」の難しいところだろう。
私にとってのラズベリーズの魅力は、この盤にほぼ集約される。変形ジャケットでもないし、
嗅いでも木苺の匂いはしないけれど。(笑)
エリックのソロ作の成功は、後にキャピトルにラズベリーズのベスト盤を編ませることになる。
ここに描かれているメンバーの絵は
「STARTING OVER」のジャケット写真を元にしている。脱退した二人の顔の絵も違和感なく
描かれていて、「こういうの書くの上手い人がいるものだなあ」とつまらないことに感心したことを
今更のように思い出した。(笑)
いつの時代でも同じだが、英米の音楽雑誌やマスコミというものはポップな
要素を多く持つバンドに厳しい。それがヒット曲を出すようなバンドで、加えて
メンバーのルックスがまとまっていたりなんかしていたら大変である。
クイーンやベイ・シティー・ローラーズの例を出すまでも無いが、パイロットも
厄介な評価をされたバンドではなかろうか。
74,5年というのはグラム・ロックこそ衰退したものの、ハード・ロックとプログレが
幅を効かせていた時代である。今思えば、派手ではなくしかし的確な演奏でメロディー・ラインの
しっかりした1曲3分半の曲を演奏するバンドにとっては受難の時代だったのかもしれない。
パイロットが75年に出した2枚目のアルバム『SECOND FLIGHT』は彼らのキャリアの
中で一番好きなアルバムだ。デヴィッド・ペイトンの作る曲はどれも覚えやすいメロディーで
それを歌う彼の声の甘さが曲に上手くマッチしている。時にクイーンのような音色も聴かせる
イアン・ベアースンのギターの役割は大きく、派手なソロを弾くわけではないが、特に
イントロで顕著な煌びやかなフレーズは、一聴して耳に残る。イントロのフレーズというのは
ある意味最重要なわけで、これで耳に残らなければCD時代の今ならあっという間に
曲を飛ばされるだろうし、ラジオの時代ならスイッチを切られるか別の局にチャンネルを
変えられてしまうのだから。
アルバムを聴いて、まず『CALL ME AROUND』『JANUARY』の2曲の印象が強いのだが
後にその2曲が順にシングル・カットされたことを知ると、「なるほど。やっぱりね。」と
意味も無く納得。レコードでいうとA面の真ん中にインストを配するのも面白い。
一昔前だったらクイズ番組のオープニング・テーマにでもなりそうなのだが、レコードの
頭でなく中盤にインストがあるのもいいなあと思ったのがこの盤である。
そう言えば、リトル・フィートの「TIME LOVES A HERO」も中盤に面白いインストがあった。
バンドはこの後、曲作りでパットンと共に大きな役割を担っていたビリー・ライオールが抜け
3人組となってよりハードな側面を強めたアルバム「MORIN HEIGHTS」を出す。
アラン・パースンズからロイ・トーマス・ベイカーにプロデューサーが変わったせいか、より
ハードになった音は以前より高く評価されたのだが、私はやっぱり2枚目の方が好きである。
最初の書き出しに話を戻すと・・・。一番のアイドルでポップなのは、あの4人組なんだけど
彼らはO.K.で、あのバンドに影響を受けたような音だと叩かれる、というのも何とも不可思議で
可笑しな話である。まあ、こんなことを書く私ではあるが、日本のバンドだと多分熱心には
聴かないのだろうな。(笑)
さて、次はパイロットとは逆にハードになってからの音が好きなバンドを取り上げようかな。
BEN WATT / NORTH MARINE DRIVE (1983)
VIRGINIA ASTLEY / FROM GARDENS WHERE WE FEEL SECURE (1983)
YOUNG MARBLE GIANTS / COLOSSAL YOUTH (1980)
DURUTTI COLUMN / LC (1981)
JULIE DRISCOLL / 1969 (1971)
KAREN BETH / NEW MOON RISNG (1975)
BRINSLEY SCHWARZ / NERVOUS ON THE ROAD (1972)
HELP YOURSELF / SAME (1971)
自分でも意外なのだが、当ブログでニール・イネス関連の記事というのは結構書いている。
ラトルズとボンゾ・ドッグ・バンドをそれぞれ4回ずつ、エリック・アイドル&ニール・イネスを
1回。あっニール本人を単体で取り上げるのは初めてか。これも意外。(笑)
ニールが自身のHPで「リコレクションズ」と銘打った盤を2000枚限定でリリースしたのは、
01年頃だっただろうか。ニールのサインが入ったものが売られていたのだが、「そのうち買おう」と
思っていると「リコレクションズ2」が出て「あれぇ〜」なんて言っているうちに最初の盤が
売り切れてしまい・・・・。「リコレクションズ3」が出た頃には「ああ、どうせ最初の2枚の
入手が難しいから、『3』だけ持っていてもなあ。」なんて考えて、結局1枚も入手せず。
赤黒で売っている時に買っておけば良かった、と思うこともしばしば。
全てを買い逃した人、或いは持っている人にも朗報と言えるのが掲載写真のボックス。
CDサイズのコンパクトな箱の中には3枚のCDと1枚のDVD。その3枚のCDこそ
リマスタリングされた「リコレクションズ」である。曲名だけが記載され細かいデータが無い
のだが、ニールのオリジナル・アルバムに収録された曲の別テイクを含むこのシリーズを
遂に入手できたのだ。これは嬉しい。
素晴らしいのがDVDで、これには「SELECTED CLIPS FROM THE INNES BOOK OF
RECORDS TV SERIES」と書かれている通り、16曲のPVと呼んで差し支えない映像が
これでもかと詰め込まれている。
例のアヒルの被り物を装着したニールがピアノを弾く『HOW SWEET TO BE AN IDIOT』や
アンディー・マッケイがパンクスになったような風体で歌う『CONCRETE JUNGLE BOY』、
他にも良い意味でどうしょうもない(笑)ディスコ物や、ディランのパロディー『PROTEST
SONG』まで、何でもありである。まさか、ここまで様々な映像を集めてDVDにしてくれるとは
思ってもいなかった。
日本からも多くの注文があるのだろう、送られてきた封筒の中にはCDとは別に
こんな紙が入っていた。これまた嬉しいじゃないですか。
手書きメッセージ入り。
CDボックスより大きな紙なので、これは別途保管ということになる。
今のところ、ニールのHPでしか購入できないようだが、頑張って入手する価値はある。
LINDA LEWIS / SAY NO MORE . . . (1971)
KATHY McCORD / SAME (1970)
JUDEE SILL / SAME (1971)
KAREN DALTON / IT'S HARD TO TELL WHO'S GOING TO LOVE YOU THE BEST (1969)
完璧なカップリングの7インチというものがある。
ビートルズの『STRAWBERRY FIELDS FOREVER c/w PENNY LANE』、キンクスの
『SITING IN THE MIDDAY SUN c/w SWEET LADY GENEVIEVE』、C.C.R.の
『TRAVELLIN BAND c/w WHO'LL STOP THE RAIN』、テレビションの『VENUS c/w
FRICTION』etc, etc . . . 。
ジョニー・サンダース&ザ・ハートブレイカーズの『CHINESE ROCK c/w BORN TO
LOSE』もそんな1枚じゃないだろうか。
『BORN TO LOSE』という曲を初めて聴いたのは19歳の時で、それはラジオでもレコード
でもなく、アマチュア・バンドが演奏するバージョンであった。私が通った大学では当時6月頃に
「音楽祭典」というのがあって、それは確か2日間くらいを費やして様々なバンドがエントリーして
演奏を披露するというものであった。
午後の授業もなく(サボったのかもしれない)何の予定もなかった、とある日に私は会場を
のぞき、次々と登場するバンドの演奏を聴いていた。もちろん、格好いいバンドを探すためなんかでは
ない。自分たちのバンドが一番格好いいことを再確認するため(笑)と、くだらない軽音とかに
所属するバンドを嗤うためであった。いくら若いとは言え、何と傲慢で間抜けなのだろう。
こういう考え方が、私の日常に反映されてしまって不愉快な思いをしたであろう友人たちには
今思えば「悪かった」としか言いようがないが。
で、登場したバンドの一つが、件の曲を演奏し始めた。実のところ当時の私はジョニー・サンダースには
全く興味が無かったのだが、曲調と歌詞から「何かジョニー・サンダースっぽいな。」なんて
的外れでないにしろ、阿呆なことを考えながら演奏を聴いていた。この曲をレコードで聴いたのは
その2年後くらいで、後輩がアルバム1枚ではなく、この1曲だけを聴かせてくれたように記憶する。
よく見るとドラマーは同じアパートの同じ階に住むヤツじゃないか。お互い愛想なく
4年間同じ処に住んでいながら、挨拶の一つも交わさなかったのだが、妙なライバル心が湧いてきて
「けっ、つまんねえ曲を演奏してらぁ。」なんて思いが増幅し、ますますジョニー・サンダースとは
縁遠くなってしまった。
デヴィッド・ヨハンセンのアルバムは、ほとんど全て所持しているが、何故ジョニー・サンダースを
遠ざけていたのか、これまた間抜けな話だが、その全うな理由が思い出せない。
やたらと出されるライブ盤の山を前にして、「どれから聴けばいいのか。」と思ったのは事実だが。
ある日ジャケットの格好良さに釣られて(笑)手にした「L.A.M.F.」を聴いて、全てのモヤモヤが
吹き飛んだ。こんな格好イイ盤はそうは無いだろうと思ったものだ。事実、他のジョニーの盤で
コレに匹敵する盤は無いと思う。
「L.A.M.F.」35周年の4枚組ボックスは当然、入手した。35周年の祭りはまだ続いていて
掲載写真の7インチがリリースされた。300枚限定のホワイト・ビニール。
どっちの曲がA面であってもおかしくない、最強の7インチ。
同時発売された2枚もカラー・ヴィニールで左は赤盤、右は青盤。右の盤は発売中止スリーブだったと
何かで見た記憶があるが、果て何だったっけ。
話戻って、先の「音楽祭典」。クリムズンの曲を演奏するバンドがあって「おおっ」と思ったが
その次に演奏したのがM.○.G.の曲だったので、いきなり萎えたのを思い出した。
私が見た中で一番凄かったのは、つまり私達のバンドが太刀打ち出来ないと思った唯一の
出演者は・・・。
ラジカセでカラオケテープを流しながら、一人で浜○省吾を2曲熱唱したあいつ、
あいつには勝てない。本気のあいつには敵わない。恐ろしく場違いながらも、恐ろしく自己憐憫に
満ちた歌唱を耳にしながら私はその場を去ったのであった。
昨年見た邦画の中で圧倒的に面白かったのが「愛と誠」であった。バカバカしいストーリーの
中で好き放題暴れまくる数々の登場人物は、皆すさまじいキャラ立ちであるのに加えて
ワン・シーン、ワン・シーンが現実離れしたロケーションであったのも面白かった。
あれで顔立ちが今一つなら単なるストーカーであった武○咲の笑顔、まゆの薄さが妙にいやらしくて
今では気になる女優のひとりとなった大○いとのド下手くそな歌も良かったが、何より印象に残って
いるのは、学校での喧嘩シーンの後の、夕焼けの太陽がウルトラセブンの「狙われた街」の太陽の
ようで、あれを見ただけでも、この映画を見て良かったと思ったものだ。
高校生役を40歳を超えた俳優が演じたという事実も含めて、世界でも今までに類を見ない
ミュージカル映画としての価値は高い、と勝手に盛り上がって今に至る。(笑)
さて、CMやドラマの出演本数が多い割に好感度アンケートの上位に上がってこない武○咲。
好感度はさておき、テレビで流れるCMを見て気が付いたことがある。
それは、旅行会社のCMでは首にほくろが幾つかあるのに、化粧品のCMでは全て消されているという
ことだ。例え戦略上消したとしても、本当はほくろがあることを知っている、或いは知ってしまって
CMの違和感に気がつくと、「顔の色艶とかも修正しているのでは。」という疑問を抱かせることに
なるのではないだろうか。
別の化粧品会社の菅○美穂の唇の下にあるほくろは消していないし。(当たり前か)
ま、私は化粧品を使わないから構わないのだけど。(笑)
掲載写真のジョージ・ハリスンのアルバムは、当初予定されていたイラストが手直しされて世に出た。
ほうれい線を消したらツルっとし過ぎたので、ヒゲを付け足したのだろうが、日本公演中のジョージは
中ジャケで使われた写真を見ればわかる通り、ヒゲを生やしていない。
ほくろやシワを気にするのもわかるが、「いくら手直ししても既に皆が『事実』を知っているのだから
意味がないんじゃない?」なんて思う私は美意識が欠落しているのかもしれない。
ジミー・ペイジやミック・ジャガーがライブ盤を出すにあたって、音を差し替えたくなる気持ちは
わかるけど。(笑)
CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL / BAYOU COUNTRY (1969)
CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL / COSMO'S FACTORY (1970)
THE J . GEILS BAND / THE MORNING AFTER (1971)
TONY JOE WHITE / BLACK AND WHITE (1968)
JOHN SIMON / JOHN SIMON'S ALBUM (1970)
RON DAVIES / SILENT SONG THROUGH THE LAND (1970)
MARC BENNO / AMBUSH (1972)
TERRY REID / RIVER (1973)
今シーズンも例によってドラマの初回を片っ端から(それでも、あまりに興味を
そそられないヤツはさすがに除外したが)ハードディスクに録画し、2回目以降も
見るかどうかを決め、そして淘汰された中から更に3回目以降はどうするかを決めた。
素敵な女優さんが出ているアレやソレは、どうもストーリーが私向きではないのだが
惰性で見ることにした。結局ストーリーを気にかけているのは瑛太が出演している2本。
1クールで主演ドラマが2本同時進行というのは凄いことだ。
特に楽しみにしているのが「まほろ駅前番外地」。これは11年の映画「まほろ駅前
多田便利軒」の続編ドラマで、映画を見た人は楽しみにしていたドラマだろうし、
映画を見ていない人は、このドラマを見れば映画を見たくなるだろう、というくらい
個人的には面白く見ている。
映画では、主人公の二人の登場人物の過去を描く場面が必然的に湿っぽくなるのだが
ドラマでは既に登場人物の説明が終わっているということもあって、二人のキャラクターを
最大限に活かした上で、仕事で関わる街の住人たちの悲喜こもごもを描いているのが
面白いのだ。あっ、私は映画も大好きである。
掲載写真はそのドラマのエンディング・テーマ曲である『まともがわからない』のCDシングルで、
歌うのは坂本慎太郎。
ゆったりと、しかしキラキラしながら流れるのは空気であり、水である。
日常の時間軸を疑い、漠然と未来を眺めてみるものの、本当のところは戻ってくるのはここであり
自分の居場所はここでしかないことを、とっくにわかってしまっている。
そんな人たちの心を表したかのような歌が、すんなり耳に違和感なく溶け込んでしまう
私は、果たして幸福なのだろうか。もっと別の楽しみを多く持っている人がいるのは知っているが
私は今のままで十分だろう。
初回盤は2枚組で、ボーナス・ディスクとして14曲33分のドラマのサウンドトラックが添付
されている。坂本慎太郎のつくる不思議な感覚の音が、ドラマのどんな場面で使われているのか
探すのが楽しみだし、サントラを聴いてドラマのワン・シーンが思い浮かぶようになれば
いいなとも思う。
そうそう、今夜は放送日である。今夜もしっかり見なければ。
時間になるまで、このCDを聴くとしますか・・・・。