HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

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ROXY THE MOVIE

2015-11-21 09:57:10 | ROCK

フランク・ザッパが、そしてザッパ亡き後もこれも今年故人となってしまった妻の
ゲイル・ザッパが完成させたかった73年12月のロキシーでの映像がリリース
された。

73年12月にハリウッドのロキシーで行われた4回のライブは撮影され、映像作品
としてのリリースが予定されていたが、機材の不調で音と映像の同期が難しかった
ために、まずは「音」だけがアルバム「ROXY & ELSEWHERE」として74年に
リリースされ、その後は「ON STAGE」シリーズに小出しで登場した。
元々はロキシーの映像化のための費用捻出プロジェクトであった「ROXY BY
PROXY」が14年に登場した時に何らかの予感はあったが、遂に、である。

ロキシーでの映像はクラシック・アルバム・シリーズのDVD「APOSTROPHE/
OVER-NITE SENSATION」のボーナス・トラックで『MONTANA』を見ることが
出来たが、そこに収録された映像に比べて段違いに画質が向上しているのが嬉しい。
しかし、今回の映像作品「ROXY THE MOVIE」には『MONTANA』は収録されて
いないのだなぁ。(笑)

映像は4回の公演を上手く繋ぎ合せて、興奮の一夜を再現している。メンバーの
服装は全て同じなのだが、客は入れ替わる。編集の妙を楽しむのも一興という
ところであるが、それよりも何よりも映像があってこそわかったステージの
面白さに注目すべきだろう。

先の「ROXY BY PROXY」にも収録されていた3人の打楽器奏者による『CHEEPINIS』における
ラルフ・ハンフリーの活躍ぶりは映像で見て初めて
その面白さがわかる。その抑制の効いたジェイミー・ミューアとでもいうべき
動きもさることながら、チェスター・トンプスンとルース・アンダーウッドの
3人の鉄壁のアンサンブルには舌を巻く。

アルバム「ROXY & ELSEWHERE」のジャケットにはステージ上のザッパ&
マザーズのメンバーの他に女性が何人か写っていて、その中に下着姿の女性もいる。
ライブの最後の曲『BE-BOP TANGO』でステージに呼ばれたストリッパーが
踊る様を見て、あのジャケット写真はその時のものだったのか、とわかった。

本編に収録されなかった曲が3曲ボーナス扱いで収録されているので、全18曲
2時間強の演奏を楽しむことができる。客いじりの場面や長めのザッパのトークの
全てを字幕付きで見ることができる日本盤は至れり尽くせりである。

MUSIC IS THE BEST .

コメント
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