HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

来ちゃった その2

2014-06-01 00:03:03 | ROCK

このところ、目まぐるしい日々を送っているせいか記憶力が低下したしたせいか、
オーダーしたのは覚えていてもそのブツが何時の発売なのかを把握していないことが多い。
ニール・ヤングの「A LETTER HOME」の限定ボックスもそんな中の一つ。

RSDのアナログ盤入手振り回され、何とか確保したと思ったら普通にワールド・ワイドに
発売されることを知り、ほんの少し憤慨したもののすぐさま限定ボックスをオーダーした
駄目な僕。(笑)発売日を把握していなかったので、突然届いた大きな箱に「はて、
これの中身は何なのだろう。」と思いつつ、箱を開けて「ああ、なるほど。」となった次第。

    箱にはヴィニール・テープが雑に貼られ、
マジックでミュージシャン名とタイトルが手書きで書かれている。テープで張られたニールの
写真は数種類あるようで、ハード・コア・コレクター泣かせか。(笑)いや、テープに書かれた
タイトルやミュージシャン名が全て手書きなのだから、「全ボックス別ジャケ」と思えば
「ジャケ違い」コレクターも諦めるか。(笑)

    

6インチの透明ヴィニールのシングル盤が気分を高める。通常のCDやLPに未収録の
ディラン・カバー『BLOWIN' IN THE WIND』がレア・トラックということになるが、「これって
ニールの声?」と思うような高いトーンで歌われていて、不思議なトラックだった。

今回の箱には2種のLPや7枚の6インチ他にオリジナル・アルバム全曲の映像を収録した
DVDが添付されている。このDVDが素晴らしい。47年産のヴォイス・オ・グラフでレコーディング
している様子が全曲分あるのだ。狭い電話ボックスのような中に入ってギターを弾きながら
歌う様を撮影しているのだが、ヴォイス・オ・グラフの中から撮る映像はモノクロで、外側から
撮る映像がカラーという区別が、過去へタイム・スリップしたような感覚と現在を区別している
ようで面白い。

「ランプが点滅している間にレコーディング・スタートのボタンを押せ」みたいに書かれた
注意書きが、まるで身分証明の写真をとるときのようでドキドキする。
演奏シーン以外にも、実際にアナログ盤が作られている映像や、ヴォイス・オ・グラフが
設置されたサード・マン・レコードのスタジオの様子が撮影されていて、ポップコーン製造
マシーンに手を入れ、紙袋にポップコーンをつめるニールさんの微笑ましい姿も映っている。

ギターかピアノの弾き語りの簡素な録音で、音質も今時の音とは思えないようなものだが
DVDでそのレコーディングしている様を見ると、ニールの真剣な表情に感じ入ってしまう。
LPを聴いた時はピンとこなかったが、最後にジャック・ホワイトと二人でギターを弾きながら
歌うエヴァリー・ブラザーズの『I WONDER IF I CARE AS MUCH』を見ると、「いいなあ」と
思った。

単なるカバー・アルバムという結論に到達するのは間違いだろう。
時代を錯誤させるような、いや、時間や時代、更には曲の記名性といったものを普遍化させる
大いなる挑戦だったと捉えるべきアルバムである。

コメント
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