ニール・ヤングに先駆け、自身のアーカイブを「ブートレグ・シリーズ」
として世に送りだしているボブ・ディラン。10月にはその第八弾が出るのだが
今度のブツは少々厄介だ。
「VOL.5」の時は限定でDVD付きのものがリリースされたが、その程度であれば
今となってはかわいいもので、今回は3種の違った装丁の物がリリースされる。
私は全部買うようなマニアではないが、なるべく曲は多く聴きたい。
そうすると、「Super Deluxe Version」と題される3枚組を買うしかないのだが、
これがなかなか高価なのだ。豪華ブックレットに7インチ・アナログが付くという
なんだか、モータウンのコレクションのような感じが重々しく、価格も
$129.99もする。デッドの10枚組は$100を切っていたというのに。(笑)
日本盤でもこの3枚組を出すというが、一体いくらになるのだろう。
自虐的な意味も込めて書くのだが、私がディランをまともに聴き始めたのは
20歳になってからである。「風に吹かれて」や「ライク・ア・ローリング・
ストーン」くらいは知っていたが、アルバムを買うまではまだ至ってなかった。
聴くきっかけは単純なもので、自分がそれまでやっていたアマチュア・バンドが
解散したからである。一人の歌手やギタリストが中心になって作る音より
バンドが一丸となって音を作るほうが、「意味がある」と解釈していた
何の根拠も無い「バンドマン幻想」から解放されたのを期に聞き始めたのである。
ジミ・ヘンドリックスを聴き始めたのも同じ時期なのは言うまでもない。
全てがとっつき易いわけではなかった。特に初期のスタジオ録音は何度聴いても
うまく私の中で音を捉えることができなかった。しかしながらライブ盤は
違った。全くアレンジが違えども、バックの演奏を受け持つ者が違えども
そこで聴くことができた躍動感は、再びスタジオ盤に向かわせるに充分な
魅力を持っていた。それなのに・・・。
2枚組ということで見送っていた「地下室」がまた「振り出し」に戻してくれた。
67年の録音だから古臭いのは当然だが、このあまりにも地味に思える
2枚組は当時の私には手に負えず、先に買った同じく2枚組のライブ盤
「偉大なる復活」と本当に同じ演奏者達なんだろうか、とさえ思ったものだ。
しかしながら、いろいろと他のバンドのアルバムを聴いていくうちに
「地下室」収録曲のカバーに出くわすことが多くなる。
しばらく寝かした後に聴いた「地下室」は滋味な味わいをもたらしてくれた。
正規盤「地下室」は67年6月から10月にかけて、ディランとザ・バンドが
ビッグ・ピンクと呼ばれた一軒家で録音したセッションをロビー・ロバートスンが
編集したもので、正規盤のリリースの前に「The Great White Wonder」という
ブートレグが広く聴かれていたのは有名な話だ。
正規盤が出た後でも膨大な録音の中から漏れ落ちた曲をフォローするのは、
やはりブートレグである。
掲載写真のシリーズは計5枚のシリーズで「BASEMENT TAPES」の真実(それでも
極一部なのだろうけど)を聴くことが出来た。
私は特に掲載写真右の「VOL.2」が気に入っている。
私を再び「地下室」へ向かわせたバーズとサンダークラップ・ニューマンが
それぞれカバーした「NOTHING WAS DELIVERED」と「OPEN THE DOOR,HOMER」の
セッションが収録されているからだ。
ブートレグ・シリーズの第八弾もまだ出ていないと言うのに、第九弾は
ベースメント・テープスをお願いしたいと思う私は、間違いなく爺だ。
として世に送りだしているボブ・ディラン。10月にはその第八弾が出るのだが
今度のブツは少々厄介だ。
「VOL.5」の時は限定でDVD付きのものがリリースされたが、その程度であれば
今となってはかわいいもので、今回は3種の違った装丁の物がリリースされる。
私は全部買うようなマニアではないが、なるべく曲は多く聴きたい。
そうすると、「Super Deluxe Version」と題される3枚組を買うしかないのだが、
これがなかなか高価なのだ。豪華ブックレットに7インチ・アナログが付くという
なんだか、モータウンのコレクションのような感じが重々しく、価格も
$129.99もする。デッドの10枚組は$100を切っていたというのに。(笑)
日本盤でもこの3枚組を出すというが、一体いくらになるのだろう。
自虐的な意味も込めて書くのだが、私がディランをまともに聴き始めたのは
20歳になってからである。「風に吹かれて」や「ライク・ア・ローリング・
ストーン」くらいは知っていたが、アルバムを買うまではまだ至ってなかった。
聴くきっかけは単純なもので、自分がそれまでやっていたアマチュア・バンドが
解散したからである。一人の歌手やギタリストが中心になって作る音より
バンドが一丸となって音を作るほうが、「意味がある」と解釈していた
何の根拠も無い「バンドマン幻想」から解放されたのを期に聞き始めたのである。
ジミ・ヘンドリックスを聴き始めたのも同じ時期なのは言うまでもない。
全てがとっつき易いわけではなかった。特に初期のスタジオ録音は何度聴いても
うまく私の中で音を捉えることができなかった。しかしながらライブ盤は
違った。全くアレンジが違えども、バックの演奏を受け持つ者が違えども
そこで聴くことができた躍動感は、再びスタジオ盤に向かわせるに充分な
魅力を持っていた。それなのに・・・。
2枚組ということで見送っていた「地下室」がまた「振り出し」に戻してくれた。
67年の録音だから古臭いのは当然だが、このあまりにも地味に思える
2枚組は当時の私には手に負えず、先に買った同じく2枚組のライブ盤
「偉大なる復活」と本当に同じ演奏者達なんだろうか、とさえ思ったものだ。
しかしながら、いろいろと他のバンドのアルバムを聴いていくうちに
「地下室」収録曲のカバーに出くわすことが多くなる。
しばらく寝かした後に聴いた「地下室」は滋味な味わいをもたらしてくれた。
正規盤「地下室」は67年6月から10月にかけて、ディランとザ・バンドが
ビッグ・ピンクと呼ばれた一軒家で録音したセッションをロビー・ロバートスンが
編集したもので、正規盤のリリースの前に「The Great White Wonder」という
ブートレグが広く聴かれていたのは有名な話だ。
正規盤が出た後でも膨大な録音の中から漏れ落ちた曲をフォローするのは、
やはりブートレグである。
掲載写真のシリーズは計5枚のシリーズで「BASEMENT TAPES」の真実(それでも
極一部なのだろうけど)を聴くことが出来た。
私は特に掲載写真右の「VOL.2」が気に入っている。
私を再び「地下室」へ向かわせたバーズとサンダークラップ・ニューマンが
それぞれカバーした「NOTHING WAS DELIVERED」と「OPEN THE DOOR,HOMER」の
セッションが収録されているからだ。
ブートレグ・シリーズの第八弾もまだ出ていないと言うのに、第九弾は
ベースメント・テープスをお願いしたいと思う私は、間違いなく爺だ。