HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

AZTEC CAMERA / HIGH LAND , HARD RAIN

2007-04-26 20:53:25 | ROCK
アズテック・カメラが83年に発表したファースト・アルバム。
FMラジオから流れてくる、このアルバムの数曲を聴いた時に
なんともいえない爽快感と、これを「ロックだ」と即座に了解した自分に驚いた。
ネオアコなんて言葉を聞いたのは、そのずっと後でそんなジャンルは邪魔で
仕方なかった。だいたいネオアコという便利な言葉で括られる他のアーティストの
アルバムのほとんどには何の感慨もない。例外はあるけれど内緒。(笑)
80年代セレクションに入るかもしれないし・・・。
と、もったいぶったけれど、もう過去ログでジャケット写真まで載せてました。(笑)

ロディ・フレイムの瑞々しい歌唱に加えて、ギター・プレイは素晴らしく
同時期ではブライアン・セッツァーと同じくらい好きなギタリストでもある。
もっと弾きまくればマーク・ノップラーくらいに評価されるのに、と思っていたら
セカンドのプロデュースをノップラーが担当したのには、個人的に
驚き且つ嬉しかったものだ。

何はなくても「WALK OUT TO WINTER」だ。日本の中でも豪雪地帯に住んでいないが故の
物言いで大目に見て欲しいが、夏よりも冬の緊張感の方が好きな私にとって
この曲は、歌詞の内容の通り少しばかりシャキッと背筋を伸ばしてくれる曲だ。
”壁に貼ったジョー・ストラマーの顔が剥げ落ちる。
彼から学んだことは多いけれど、更に一歩踏み出そう”
というニュアンスの歌詞は今でも頭から離れない。

”1977年にはエルヴィスもビートルズもストーンズもいらない”と歌った
ジョー・ストラマー。もちろんその裏には先達への尊敬の念があったことは
ちゃんと解かっているが、わずか6年後には、そのジョーもまた
超えていかれる山の一つになったのだなぁ、という思いが更にこの曲を
特別なものにする。
もちろん、ロディ・フレイムはジョー・ストラマーに対しては敬意を払っている。
何のアンケートか忘れたが、英国ミュージシャンが選ぶ「クラッシュの名曲ベスト10」
の1位が「ハマースミス宮殿の白人」で、ロディはその曲にコメントを寄せていた。

昔、後輩とレコ屋巡りをする途中の電車の中でネオアコ批判大会となった。
「ネオアコなんてくだらねぇ。アコースティックでもフォークでも何でもええやん、
しっかりネック握って弾いたら同じやん。」とバカの酔っ払いのような
会話をしたのだが、後輩の戦利品の中にこのアルバムがあった。
二人で顔を見合わせ、「これは別格やな。」と笑ったものだ。

今もコンスタントにアルバムを発表するロディ・フレイム。
どれもアベレージは軽くクリアしているのだが、時代の波長と若さと衝動の全てが
うまく噛み合わさった奇跡の1枚というヤツは、永遠の勲章であり永遠の壁でもある。
壁なんて軽く越えているのに、私が気が付いていないだけの話なら
笑っていただきたい。
私の中で80年代セレクションに、このアルバムは欠かせないのは間違いない。



コメント (4)
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