HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

コテコテ・デラックス再び

2007-04-01 21:44:11 | JAZZ

1995年にジャズ批評別冊として「コテコテ・デラックス」なる本が刊行されたのを
覚えているだろうか?。
ここには、マイルスもエヴァンスもコルトレーンもロリンズも出てこない。
一般的にそれまでは、軽い扱いであった「オルガン・ジャズ」「ファンキー・ジャズ」、
「ソウル・ジャズ」等々のアーティストの、代表作品のジャケットや曲目を
これでもか、と掲載した本である。
ジャケットにも格好いいものが多く、物欲をそそる本でもあった。

95,6年頃はこういうジャンルが認知され、再発CDもかなりリリースされたのだが、
当時の私には残念ながら、それらを購入する余裕はなかった。
しかし、なんとビクター・エンタテイメントが「1000円」で再発してくれた
おかげで、今になって一挙に10数枚入手することが出来た。
掲載写真右は「ジョージ・ブレイス」がプレステッジに残した同レーベルにおける
1ST。ジャケを見ただけで「買い」である。(笑)
例えローランド・カークの目が見えたとしても、こんな写真は絶対に撮らせない
であろう、お気楽さを楽しむことが出来る。

掲載写真左は3枚のリーダー・アルバムしか残さなかったトゥルーディ・ピッツの
1ST。彼女のキレの良いオルガンと数曲で聴けるボーカルの気だるさに
気が遠くなりそうである。酒と煙草に加えて女の香水や化粧の匂い、果ては
小水や愛液の残り香まで漂ってきそうで、メスの匂いにむせ返りそうになる。
このところ、連日の高熱にのたうちまわる中でこれを書いているのだが、
全て「誉め言葉」なので、誤解無きよう・・・。(笑)

前にも書いたが、オルガンという楽器は不思議な求心力を持つ。
ジャズの帝王や、ゴッドファーザー・オブ・ソウルがステージで「ビャー」と
気が向いた時に?鳴らすオルガンは音楽的にいえば、さして重要な音ではないが
それでも鳴らすのは、そこでバンドをまとめ上げ、あるいは次の展開に持っていく
ために、「ボス」にとって必要な行為であったのだろう。
この求心力はピアノやメロトロン(例え3台鳴らしても)には無いと思う。

廉価での再発と言うことで、ジャケットの印刷も93年とか98年とかのCD化の再の
ものをそのまま使っているが、気にしない気にしない。
ピアノ・トリオもいいけれど、この下世話な音も私には魅力的だ。
買うなら今のうちに・・・。


コメント (3)
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