69年~71年と言う短い期間に
5枚のアルバムを残し、
恐るべき密度の濃い活動をした
英国屈指のバンド、フリー。
これは最初の解散前の71年のライブを
記録したものである。
すぐ再結成し73年までにさらに2枚のアルバムを残すが、
私がよく聴くのは71年までのものである。
まだ10代の若者が伸びやかに、しかも鉈でざっくりぶったぎる
ような豪快さを表に出しながら、所々で繊細な部分を垣間見せる
のだから驚きである。
「3大ギタリスト」という言葉がある。ヤードバーズ出身の
3人を指して使われるのだが、高校の頃になると周りにはそれなりに
ロックを聴きだして「自分の選ぶ3大ギタリスト」を主張するやつが
私の周りにも何人かいた。ま、たいていECが外されて、リッチー(サンボラではない)
とかエディ(デュワンではない)を加えて得意がっていたものだ。
エスカレートして「3大ドラマー」「3大キーボーディスト」などに話が
及ぶ事はあっても不思議と「3大ボーカリスト」の話にはならなかった。
16,7歳のときの私の3大ボーカリスト(笑)の一人がポール・
ロジャースだった。音程が正確でエモーショナル。ストーンズは
大好きなもののミック・ジャガーの凄さがまだわかりかねていた
時期である。
最初に聞いたのが「バッドカンパニー」の1STだったのだが
すぐ「フリー」に行きあたり、このライブに出会う。
その頃には、ポール・コゾフのゴールド・トップのレス・ポールから
繰り出されるタメまくりのフレーズとチョーキングの気持ちよさ、
コゾフの遅弾き?の間を縫うように印象的な音を並べる
アンディ・フレーザーの魅力、そしてバンド、特にコゾフを取り巻いた
アクシデントなども知る事になる。
で、このライブ。冒頭の「オール・ライト・ナウ」で度肝を抜かれる。
コゾフのギターの音が途切れまくりなのである。コゾフ、ヤク中の
真っ最中で不調なのか?。機材トラブルなのか?。
だが、これが目茶苦茶かっこいいのだ。スタジオ録音の
「オール・ライト・ナウ」がかったるく思えるくらいに。
音が途切れるたびにポール・ロジャースが声をかけて、バンドを
ひっぱる様がまた格好いい。災い転じて福となるというわけではないが
記録としても、演奏としても素晴らしいものである。
現行CDのおかげで更にいろいろなことがわかった。
当初の「FREE LIVE !」はスタジオ録音の1曲を除いて7曲のライブ録音が
収録されていた。冒頭の「ALL RIGHT NOW」と最後の「THE HUNTER」が
70年1月サンダーランドでの録音。残りが9月のフェアフィールドの録音である。
現行CDに収録されたボーナス・トラックの中にはフェアフィールドでの
「ALL RIGHT NOW」が収録されている。聞き比べるとよくわかるが、
アクシデントはないものの、サンダーランドでの演奏のほうが、抜群に
演奏に色艶がある。例えコゾフにアクシデントがあったとしても
それを収録したことに実に納得がいくのだ。
ライナー・ノーツにはサンダーランドでの演奏中に、コゾフが
ステージにあがった女性ファンに抱きつかれ、ギターの音が
出なくなったり妙な音を出したりしたと書いてある。それが「ALL
RIGHT NOW」を指すのかどうかわからないが。
「ALL RIGHT NOW」だとしたら、随分長い間女性ファンはステージに
いたことになる。(笑)
ま、それはいいとしてバンド崩壊直前で統一感こそないものの、
緊張感と熱気に溢れたライブ盤である。大推薦!。
紙ジャケットのCDは封筒ジャケと手張り切手を再現して
ファンを喜ばせるものであった。
5枚のアルバムを残し、
恐るべき密度の濃い活動をした
英国屈指のバンド、フリー。
これは最初の解散前の71年のライブを
記録したものである。
すぐ再結成し73年までにさらに2枚のアルバムを残すが、
私がよく聴くのは71年までのものである。
まだ10代の若者が伸びやかに、しかも鉈でざっくりぶったぎる
ような豪快さを表に出しながら、所々で繊細な部分を垣間見せる
のだから驚きである。
「3大ギタリスト」という言葉がある。ヤードバーズ出身の
3人を指して使われるのだが、高校の頃になると周りにはそれなりに
ロックを聴きだして「自分の選ぶ3大ギタリスト」を主張するやつが
私の周りにも何人かいた。ま、たいていECが外されて、リッチー(サンボラではない)
とかエディ(デュワンではない)を加えて得意がっていたものだ。
エスカレートして「3大ドラマー」「3大キーボーディスト」などに話が
及ぶ事はあっても不思議と「3大ボーカリスト」の話にはならなかった。
16,7歳のときの私の3大ボーカリスト(笑)の一人がポール・
ロジャースだった。音程が正確でエモーショナル。ストーンズは
大好きなもののミック・ジャガーの凄さがまだわかりかねていた
時期である。
最初に聞いたのが「バッドカンパニー」の1STだったのだが
すぐ「フリー」に行きあたり、このライブに出会う。
その頃には、ポール・コゾフのゴールド・トップのレス・ポールから
繰り出されるタメまくりのフレーズとチョーキングの気持ちよさ、
コゾフの遅弾き?の間を縫うように印象的な音を並べる
アンディ・フレーザーの魅力、そしてバンド、特にコゾフを取り巻いた
アクシデントなども知る事になる。
で、このライブ。冒頭の「オール・ライト・ナウ」で度肝を抜かれる。
コゾフのギターの音が途切れまくりなのである。コゾフ、ヤク中の
真っ最中で不調なのか?。機材トラブルなのか?。
だが、これが目茶苦茶かっこいいのだ。スタジオ録音の
「オール・ライト・ナウ」がかったるく思えるくらいに。
音が途切れるたびにポール・ロジャースが声をかけて、バンドを
ひっぱる様がまた格好いい。災い転じて福となるというわけではないが
記録としても、演奏としても素晴らしいものである。
現行CDのおかげで更にいろいろなことがわかった。
当初の「FREE LIVE !」はスタジオ録音の1曲を除いて7曲のライブ録音が
収録されていた。冒頭の「ALL RIGHT NOW」と最後の「THE HUNTER」が
70年1月サンダーランドでの録音。残りが9月のフェアフィールドの録音である。
現行CDに収録されたボーナス・トラックの中にはフェアフィールドでの
「ALL RIGHT NOW」が収録されている。聞き比べるとよくわかるが、
アクシデントはないものの、サンダーランドでの演奏のほうが、抜群に
演奏に色艶がある。例えコゾフにアクシデントがあったとしても
それを収録したことに実に納得がいくのだ。
ライナー・ノーツにはサンダーランドでの演奏中に、コゾフが
ステージにあがった女性ファンに抱きつかれ、ギターの音が
出なくなったり妙な音を出したりしたと書いてある。それが「ALL
RIGHT NOW」を指すのかどうかわからないが。
「ALL RIGHT NOW」だとしたら、随分長い間女性ファンはステージに
いたことになる。(笑)
ま、それはいいとしてバンド崩壊直前で統一感こそないものの、
緊張感と熱気に溢れたライブ盤である。大推薦!。
紙ジャケットのCDは封筒ジャケと手張り切手を再現して
ファンを喜ばせるものであった。