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HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

YOAKE NO KEIJI

2016-01-04 00:38:36 | 日本のロック・ポップス

         

テレビばっかり見てんじゃねぇよ、との誹りを受ける覚悟で。(笑)

昨年12月からスカパーのTBSチャンネル2で再放送が始まった「夜明けの刑事」の
チェックも抜かりが無かった。リアルタイムで見た記憶は全くないのにポール・ロジャース
が歌う『YOAKE NO KEIJI』のメロディーは頭の中に残っているので、再放送か何かで
断片的に見たことはあるのだろう。鈴木ヒロミツが出ていたことも覚えていたのは
私がロック者故ということで。(笑)

だいたい、今の感覚で言えば坂上二郎が主役なんて有り得ないようにも思えるのだが
それだけ当時はコント55号の人気が凄まじかったということであろう。
おっと、重要なのはそこではない。

このドラマにキャロルが出演していたのは後追いで知っていたので、その回が目当てで
録画を始めたのだが、あっさり第二回目にキャロルは登場した。ストーリーよりも何
よりも、断片的ではあるがキャロルの演奏を3曲見ることができたのが嬉しい。
脚本や演出に無理があるのだが、それを楽しむのも一興。

「YOAKE NO KEIJI」は挿入歌だったのか。勝手にエンディングの曲だと思って
いました。(笑)エンド・クレジットにポール・ロジャース(バッド・カンパニー)
とあるのが、琴線を擽る。この括弧書きの(バッド・カンパニー)という名称が
どれだけお茶の間にアピールしたかわからないが、当時のロック好きには嬉しい
括弧書きであったはずだ。

そして第34話にはダウン・タウン・ブギウギ・バンドが登場。宇崎竜童が話の
キー・パースンなのだが一瞬、和田静男が映って「おお、これはもしかして」との
期待通り、メンバー全員が出演し番組後半では軽く『カッコマン・ブギ』を歌う
シーンまであるではないか。これは嬉しい。

他にはどのエピソードか忘れたが、鈴木ヒロミツが「ロック好きですよ。」とか
言いながら適当に『朝まで待てない』を歌うシーンがあったり。

他の刑事ドラマ以上に当時の流行や風俗が反映されているので、その懐かしさも
魅力だが、まずはキャロルとダウン・タウン・ブギウギ・バンドが出た番組という
だけで素晴らしい。さあ、今日からまた録画の日々が始まる・・・。

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EMI YEARS

2015-12-19 12:59:58 | 日本のロック・ポップス

個人的に今年の重大なトピックの一つに沢田研二のEMI時代のオリジナル・アルバムの
再CD化というのがあった。

沢田研二がそれまで所属していたポリドールからEMIに移籍してアルバムを出し始める
のは85年である。その頃の私と言えば、洋楽にどっぷり浸っていてとてもジュリー
どころではなく、仕事でCDを扱うようになっても当時のジュリーはヒット・チャートから
縁遠い位置にいたので、失礼ながらどんなCDが出たのかどれくらいの量を扱ったのか
記憶が定かでなく、つまるところほとんど聴いていなかった。

昨年ジュリーの「俺ベスト」を作るとき難儀したのは、EMI時代を聴きこんでいない
ということもその一因にあった。役に立ったのは「ROYAL STRAIGHT FLUSH 1980 
 - 1996」や08年に出た5枚組「Cocolo Nooto」であったのだが、
その記事中にEMI時代の盤を再発してほしい旨を書いたところ、願い叶って(笑)
一挙に13タイトルが再発された。

     

     

今度は嬉しい悲鳴をあげなければいけなくなってしまった。全部買う予算が無い
だろう、って。ま、徐々に攻めていくしかないのだけどジュリーの目指したところが
歌謡曲とかロックとかを超越した処にあったことに気付けば気付くほど、シングル盤
だけでなくアルバムを聴かなければと思うことしきり。

EMI時代を集めきっていないのに最後に今回も書いてしまおう。
「え~っと、次は未CD化の大量にあるライブ盤をお願いします。」

   

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追悼 野坂昭如

2015-12-10 20:30:57 | 日本のロック・ポップス

作家で作詞家でタレントで歌手。そして政治家。様々な分野で活動した野坂昭如が
心不全で亡くなった。享年85歳。

所謂美男子でなくても多くの女性を惹きつける何かを持っていた数少ない男として
野坂とセルジュ・ゲンスブールは、憧れの存在であった。だらしなく自由奔放な
ようでいて、日本人の多くが感動するような小説を書くことができるという、
その才能に憧れた。臆病な私はその小説を読むことはおろか映画すら見る勇気がない
まま今まで時を重ねた。

何よりも野坂の歌声には痺れ続けていた。酩酊寸前でもあれほど気持ちよくは歌えまい
と思える歌唱は一般的な意味合いでの「上手下手」を超越していたのだから。

快楽と終末と不条理を歌った野坂昭如。 安らかに・・・。

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BLACK & WHITE

2015-12-05 00:06:52 | 日本のロック・ポップス

掲載写真はSuperflyの20枚目のシングル『黒い雫』。ただのシングルCDではなく
3枚組仕様で、ディスク2は07年から14年に出たシングルのカップリング曲を
まとめてあり、ディスク3はアルバム「WHITE」リリース時の大阪城西の丸庭園での
フリーライブの映像を収録している。

そんなものだからシングル盤というよりは重厚な組み物の様相を呈しているのだが、
カップリング集というのは便利であるし、13年に出たベスト盤と一緒に揃えれば
新しいファンも長足で昔からのファンに追いつけるというものだ。

シングルのタイトル曲『黒い雫』はドラマのエンディングに使われている曲で、私が
そのドラマを欠かせず見ている(故に、水曜日は忙しい)せいもあって、実に気に入って
いる。こういうことを書くのも何なのだが、過去の彼女の曲の例に漏れずドラマの
タイアップ曲は他の曲より一段と力が入っているというか、良い曲が多い。良い曲だから
タイアップ向きなのであると言われれば、それもそうである。逆に言えば、私の趣向が
変わったせいもあるが、最近は個人的には捨て曲とはいわないものの、出来の良し悪しが
はっきりしているようにも思える。

アルバム「WHITE」収録の『BEAUTIFUL』や今回の『黒い雫』のような曲が
もっと沢山生まれることを期待しているファンは多いと思うのだけどね。

今回、私にとって最大のトピックは遂にアロウズの『 I LOVE ROCK N ROLL』の
カバーがCD化されたということである。以前、雑誌記事でアラン・メリルが
望んだ日本語カバーではないが、アラン自身もエレクトリック・ギターで参加した
同曲のSuperflyバージョンはなかなかの出来で、このロックンロール・アンセムを
歌うのに最も相応しい女性によるカバーが実現したというその一点において、
素晴らしくも美しい歴史がまた一つ積み重ねられたことを悦びたい。

正直なところ、個人的にはアルバム「WHITE」にはとまどいもあったが、今回見事に
黒く塗りつぶしてくれた。次の一手が楽しみだ。

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FOR FREEDOM

2015-11-04 23:03:52 | 日本のロック・ポップス

             

今日は休みだったのでモネ展を見に行った。休み明けなので少しは客数が少ないと
踏んでの所作。時間帯も計算して出かけたのでそれほどの混雑もなく見ることができて
満足であった。帰りに当日券売り場の長蛇の列を見てゾっとしつつ我が身の幸運を悦ぶ。

で、家に帰れば二つの大きな箱が到着していた。3人の名花の映像と3人の怒れる若者の
演奏集。沢山の睡蓮の絵を見てきたこともあって、まずは名花の映像を見ることにした。

掲載写真はキャンディーズの5枚組DVD「キャンディーズ・メモリーズ FOR FREEDOM」。
発売が決まった時もそうであったが、ここ数日のテレビのワイド・ショーの
芸能コーナーでは頻繁に取り上げられていた。解散コンサートの映像の完全版が
遂に登場というのが売り文句であり、年配者の郷愁を誘うようなお決まりのトークで
締めくくられるテレビの一連の流れには辟易としたが。

キャンディーズの映像集というのは、かつて特定の番組出演時のものを中心に幾つか
DVDやブルーレイで発売されていた。今回のDVDの私の本当の目当ては、
解散コンサートではなくテレビ局に残された映像集であった。動画投稿サイトに
挙がった映像から画質のいいものを選んで自家製DVDをせっせと作成していた身と
すれば、こんなおあつらえ向きの商品はないのだ。

以前発売された映像集はテレビ朝日の番組だったせいか、今回のテレビ出演を収録した
3枚のDVDはそれぞれNHK、フジテレビ、TBSの番組に出演した時のものである。
発売のアナウンスがあった当初は「何故、ブルーレイでないのか。」と思ったのだが
実際のDVDの映像を見て「価格を抑える意味合いと画質のクオリティーを鑑みて
DVDにしたのかも。」と結論。勿論、動画投稿サイトで見るのとは比べ物にならない
画質と音質であるのは言うまでもないけど。

全てが素晴らしい。仕方がないことだが最初はミキちゃんばかりを目で追いかけて
しまった。(笑)子供の頃と何ら変わっていないことに気付くが、次は冷静に全体を
見渡せるだろう。三者三様の魅力にはとっくに気が付いているのだけど、こればかりは
仕方がない。(笑)

どのディスクも素晴らしい情報量なのだが、やはりTBSが制作に一枚噛んでいるだけ
あってTBS主導のディスクが素晴らしい。デビュー時から出演している番組があると
いうのが他の局より一歩も二歩も優位性を誇れるその要因であるが、デビュー曲から
グループ存命時の最後のシングル曲までの計17曲を全て同一番組内で見ることが
出来るというのは、自分がその番組を見ていたこともあって何とも感慨深い。

コンテンツは厳選されているだろうが、当然ながらもっと多くの素材があるのは
明白。今後、かつての商法と同じようにブルーレイに容量を増やし、TBS番組だけの
「完全版」とかが出ても一向に構わない。多分それも買うだろうから。(笑)

ただ、その計画も見据えているなら、早めに実行してほしい。今回のDVDの購買層
というかターゲットは私より5歳以上歳上の連中というのが正確なところだろう。
考えてみてほしい。その連中はあと数年すれば定年退職し収入が減って嗜好品に高額を
払えなくなるだろうし、死んでしまうかもしれない。(笑)ってはいけない。
だから、3年以内を目途にお願いしたいところだ。

実は解散コンサートを目にするのは初めてである。各人のソロ・コーナーでミキの
持ち歌で大好きな『エプロン姉さん』を歌っている姿を見ることができて感動。
コンサートの前半の洋楽カバー・コーナーでスティーヴィー・ワンダーの『SIR DUKE』
を歌っているので大胆な選曲だと言えるが、ミキのセンスと私の好みが被っていると
いうただその一点において全てが美しい。ああ、俺は何を書いているんだろう。(笑)

『GOING IN CIRCLES』の間奏でバッチリとキング・クリムズンの『EPITAPH』が
演奏されるのだが、ノー・クレジット。日本人って本当にあの曲が好きなんだなぁ。

今日が休みで良かった。一挙に5枚のDVDを見ることが出来たのだから。
5枚のDVDを見ている間、相方から一言も文句が出なかったのにも驚いた。
これが松○伊○のDVDだと、そうはいくまい。(笑)

次はゆっくりと細部まで徐々に見ていきたいと思う。今週末には世界的4人組の
PV集がリリースされるが、それまでもう1回通してみることにしよう。

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レコードの日

2015-11-03 17:59:06 | 日本のロック・ポップス

              

11月3日が文化の日であるのは先刻承知しているのだが、レコードの日でもあるという
ことは今年になるまで知らなかった。ついでに文具の日であり、まんがの日でもある。

さて、何で今更のように今日がレコードの日であることを刷り込まれたかというと、
その日を祝うべく数多くのレコードがリリースされるという、外向けに盛り上がることの
ないイベントが開催されたからである。掲載写真はレコードの日記念にリリースされた
2枚の男気溢れる7インチ。

勝新太郎の『SUNNY』が遂にA面に配されて7インチとなったのは実に嬉しい。
私が知る限りでは『SUNNY』がE.P.を含めて7インチに収録されたのは過去に2度ほど
あるのだが、いずれもカップリング扱いであった。それが遂に堂々の2曲入り7インチの
表看板となったのだ。

個人的には以前も書いたが最強のカバー・ソング。アルバム「勝新太郎 夜を歌う」からの
カットである通り、紛れもなく夜の音。この後には間違いなく男女の営みが行われるはず。
いや、妄想の逞しさにも程があると言われそうだが、そんな間抜けの戯言さえ許容する
懐の大きな勝の歌唱は何度聴いても痺れる。

露払い太刀持ちには『SUMMER TIME』が配された。もう、理想のカップリングである。

そしてこちらも、そのキャリアの中で遂にアナログ盤がリリースされたのが
グルーヴァーズの「GROOVISM E.P.」。アルバム「GROOVISM」から3曲が選ばれて
いるのだが、これが実に私の好きな3曲とピッタリ一致。実に嬉しい。

レコードが似合うバンドなのでLPはともかく7インチは出して欲しいと常々思って
いた。メジャー契約のあった90年代に1枚くらい出るかなと思った日から20年が
経った。今こうやって7インチが出るというのは、バンドが継続し尚且つそれが出来る
状況にあるということであるので、喜ばしい限り。

ああ、なんて日だろう。レコードを聴くのにうってつけの日。
まさにPERFECT DAY。

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YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN - 56

2015-10-24 20:47:52 | 日本のロック・ポップス

毎日時間が足りない。10月に入って新しいドラマのチェックが一通り終わり、
毎回見る番組が決定したのはいいのだが、今回はちょっと多め。スカパーで再放送
している座頭市シリーズ全100話も見なければいけないし、それよりもなによりも
先日記事にしたグレイトフル・デッドの80枚組を消化しなければならない。
まだ最初の5年分しか聴けていないのであるが、デッドだけを聴き続けるわけにも
いかず・・・。

そういえば、当ブログの唯一の継続プロジェクト(笑)も途絶えていた。ということで
棚から引っ張り出したの掲載写真の1枚。宮崎美子が82年に発表したセカンド・
アルバム「私の気分はサングリア」。西日本で育つとつい、サンガリアと言ってしまい
そうになるが、サングリアである。

宮崎美子の登場は衝撃だった。今も昔も細身の女性を好むということになっている
私であるが、カメラのCMで木陰でジーパンを脱ぎ水着になるというシチェーションと
その時の彼女の表情にドキドキした、ということであろう。水着のグラビアもそれなりに
目にして、「可愛らしい人だなあ。」と思ったものだ。

単なるグラビア・アイドルならすぐに忘れてしまうのだが、私が宮崎を長く記憶に
留めた理由の一つにして最大の理由に、聡明であるということが挙げられる。実生活
でもそうだが、会話や語彙の貧弱な女性とは、例え若くて見てくれが良くても
話をする気がしない。ま、それは私が会話なしでもボディー・ランゲージにもっていける
ゴルゴ13のような男前では無いということの証明でもあるのだが。(笑)

さて、このアルバムであるが発表が82年ということもあって音は見事に時代の
音なのだが、どの曲もメロディーが美しく曲の細かいところのアレンジが気が利いていて
トラックだけを云々しても立派なものだと思う。

宮崎の歌唱がまた瑞々しく、特別上手いわけではないのだが綺麗なお姉さんが自然体で
歌っているというのがいいのだ。力んで自己主張したりアンニュイ(笑)になったり
しないというのは、個人的にはその在り方が美しいとさえ思える。
自身が作詞あるいは作曲した曲が、大貫妙子や安井かずみ&加藤和彦らが提供した
曲と並べて遜色ないのも素晴らしい。

私がこの盤を好きなもう一つの理由にアルバムのリア・ジャケット写真が良い、
というのがある。まるで、シャンタル・ゴヤのようなその写真は水着ではない彼女の
魅力或いは美しさを見事に捉えている。

機関銃より百合の花を・・・。

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SRAM KIDS

2015-10-13 00:05:58 | 日本のロック・ポップス

BABYMETALなるユニットが世間を騒がせて久しい。日本の地上波レベルでは大した
話題になっていないかもしれないが、音楽ジャンルでいうところの「HEAVY METAL」
という括りの中では既に世界的にその名前は認知されている。

ただ、その出自が「さくら学院」というアイドル・グループからのユニットであると
いうことや、演奏を受け持つバックバンドの人たちの服装や髪形に出てくる音はともかく
ボーカルをとる女の子たちが所謂メタル・マナー(笑)から外れているということで
肯定の評価ばかりでないのも事実である。

私にしてみれば、BABYMETAL発足時にフロントの女の子たちがどれくらい意識的で
あったかは知らないが、大人の戦略として面白いなとは思った。

さて、掲載写真はSRAMなる名前のグループが出した7インチ『ユー・メイ・ドリーム
C/W レモン・ティー』。曲名からわかるようにシーナ&ザ・ロケッツとサンハウスの
カバーである。

SRAMは福岡のアイドル・グループLinQから派生したロック・ユニットである。
演奏は手練れのミュージシャンが担当し、SRAMのメンバーは振付付きで踊りながら
これらの曲を歌うのである。発想や出自はBABYMETALと似たようなものだ。

BABYMETALには「アイドルとメタルの融合」という大義があるが、SRAMには
福岡出身のロック・バンドの曲を歌い継ぐという大義があるようだ。
SRAMという名前は単語としての意味は無く、名前を構成する4文字は福岡出身の
ロック・バンドの名前の頭文字に由来し、例えば「R」はルースターズとロッカーズの
頭文字ということである。他の3文字もそれぞれ二つのバンドの頭文字。

「A」はA.R.B.とアンジーの頭文字なのだが、アクシデンツを入れると「二つの
バンド名」から溢れるので具合が悪かったのかな、なんて思う人もいるかもしれないが
まあいいでしょう。(笑)

BABYMETALにしろ、SRAMにしろ私にすれば「大人の遊び、ここに極まれり。」
である。政治や社会問題にコミットするアイドルがいれば、ヘヴィー・メタルという
およそアイドルらしくないジャンルを取り込むアイドルがいて、地域の先達の名曲を
歌い継ぐアイドルもいる。何れも大義名分はともかく商売にならないと話にならないのは
明白であるので、傍観者としては興味深く見ていきたいとだけ思っている。
とはいっても、このユニットは長続きしないかもしれない。選抜メンバーのはずなのに
もう既に脱退者がいるようだし。

ユニットの賛否はともかく、名曲が歌い継がれ伝承されることで、その曲を好きになる
人が増えることはいいことだと思う。大人の遊びにどこまでつきあえるか、
それは彼女たちの自我次第。

傍観者を決め込むと書いたが、掲載写真の7インチは手にした。理由は幾つかあって、
ひとつはアイドルの歌う夢のカップリングであること(笑)、次に7インチであること、
ネタとして面白いこと、そして『ユー・メイ・ドリーム』のギターを藤井一彦が担当
していること。結構、言い訳が多いな。(笑)

因みにCDはカップリング曲が違うが、これは買う気はない。ジャケット写真が
○代目なんとか兄弟みたいで間が抜けているから。

SRAMという単語に意味はないが、SRUMだと動詞、名詞で共に意味のある単語となる。
キンクスに『SLUM KIDS』という曲もあるし。ただ、「U」だとUP-BEATなるバンドを
当てはめることができるが、やはり「A」の方が強力ということなのだろう。
いっそのことSRAMでなくMARSにしてもよかったのに。いや、5文字ではまずかった
のだろうか、なんて余計な事ばかり考えて脳内で遊んでいる私である。

そうそう、そのうちTDLとかCBSなんてユニットができたりして。
えっ、それ何って?東京ディズニー・ランドじゃないよ。THIN LIZZYとDEEP PURPLEと   
LED ZEPPELINの名曲を歌い継ぐアイドル・グループです。(笑)
CBSとはもちろん、CLASH とBUZZCOCKSとSEX PISTOLSの名曲を歌い継ぐ
ユニットに宛がわれる名称である。

寝つきの悪い夜は、新しいユニット名でも考えながら寝ることにしよう。

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I LOVE ROCK N ROLL

2015-10-06 00:04:07 | 日本のロック・ポップス

レコード・コレクター誌8月号に掲載されたアラン・メリルのインタビューの中に
こんな件があった。

名曲『I LOVE ROCK N ROLL』のカバーは200種ほどあり、その中で気に入って
いるのはブリトニー・スピアーズのヴァージョン(原曲の解釈の範囲を拡げたという
意味合いで)であり、次にカバーしてほしいミュージシャンとしてSuperflyを指名した
のだ。日本語でのカバーはまだないので日本語でカバーして欲しいと。

全くもって同感であったのだが、アランのHPに記された近況を読むと何とその
Superflyが同曲を10月にレコーディングしたというのだ。まだ正式なアナウンスは
無いがそのうちリリースされるだろうということだ。

これは楽しみ。個人的には英語でも日本語でもかまわないが、Superflyがあの曲を
取りあげたというだけで、私はとても嬉しいのだ。Superflyにはプロモーション用の
7インチがあるのだが、これが入手困難で見つけても買えるような値段ではない。
(プロモ盤を買おうとするのだから、覚悟が必要なのだけどね。)
欲を言えば、今回は是非とも公式に7インチをリリースしていただきたい。
実現したら、最高なのだけど。

とりあえず、果報を寝て、もとい飲んで待つ。(笑)

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十月の匂い

2015-09-27 11:15:11 | 日本のロック・ポップス

掲載写真は鈴木茂とハックルバックの「1975 LIVE」と題された2枚組CD。
このCDの宣伝文に「急逝した名エンジニアの遺した膨大なテープから、氏の
エンジニア・ワークスを辿っていくシリーズ」とあったので、年代とかを意識も
せずに「凄いテープが出てくるものだなあ。」と勝手に頭の中で高音質のライン
録音のリールから起こした音だとばかり思っていたのだが・・・。

物を手にするとCDの帯に「カセット・テープ・マスター」とある。実際に音を
聴くと「ああ、会場録音か。」と、ちょっと拍子抜けするも、アルバム「BAND
WAGON」が大好きな私にしてみれば、この頃の鈴木茂の演奏を聴くことができる
のなら大歓迎、というわけで2枚のCDを有り難く拝聴した。

とりあえず、音質はブートレグ並みであることは事実であるが、会場録音のテープや
ブートレグを聞きなれた耳には何の問題もないし、それよりも「この音を聴きたい」と
いう熱意のある方にとっては、喜ばれるリリースとなるだろう。

収録されているのは75年4月4日大阪サンケイホールと5月15日京都会館での
演奏。京都会館では4曲のリハーサルも収録されているので、これは誰もが簡単に
立ち合えることができる場面ではないので更に貴重といえる。

ハックルバックのレア音源といえば、08年に出た「鈴木茂ヒストリー・ボックス」に
収録された3月15日の荻窪ロフトでのライブ他を収録した盤がある。思えばあの
箱は6枚組であったが、重複感が強くてレアリティーズの「お宝度合」が薄かった
ように取られる風向きがあったが、今回は全編未発表音源というのが本当に嬉しい。

因みに4月4日の「ベイ・エリア・コンサート」にはハックルバック以外にも
多くのミュージシャンが出演している。手元にある音源から備忘録を兼ねて
最後に曲目を記しておく。

シュガーベイブ

01 ココナツ・ホリデー
02 ダウン・タウン
03 ためいきばかり
04 風の世界
05 約束
06 こぬか雨
07 YUMIN '
08 今日はなんだか
09 ( ENDING )

メンバーチェンジがあって伊藤銀次、上原裕が加わったことが客席に告げられる。
最後の曲は1分足らずの短い曲で正式な曲名があるのかどうかわかりません。

ティンパンアレイ

01 夢を追って
02 アップル・ノッカー
03 五月雨のスケッチ
04 夕方ラブ
05 ハリケーン・ドロシー
06 バイバイ・ベイビー
07 しらけちまうぜ

最後のMCで終わりを告げられて客席から「え~っ」という声があがるのだが
確かにもっと聴きたいと思わせる尺の短さである。

大瀧詠一

01 論寒牛男
02 福生ストラット
03 三文ソング
04 お先にどうぞ
05 ハンド・クラッピング・ルンバ~ドレッサー

これがセット・リストの全てかどうかわからないのだが、これも尺が短く
たった15分の音源である。

先に書いたが、今回は「シリーズ」とある。続編も期待するのだがカセット音源が
続くようなら、現役ミュージシャンでアーカイブ価値よりも音質を重視するような人の
リリースは許諾が取れず難しいのかなといらぬ心配をしたり。とりあえず、期待して
次を待とう。

それにしても八月の匂いというのを感じることもなく、九月も終わろうとしている。
十月の匂いを感じることが出来ればいいなと思いつつ本日最初のビールを飲む
ことにする。

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I ' VE GOT A FEELING

2015-09-07 19:12:44 | 日本のロック・ポップス

好事家の間で話題になるであろうモニカ・ラッセン&サウンズの「愛撫 WOMAN ! !」が
CD化された。オリジナルは70年7月の発売で中古LPだと6000円弱から8000円
くらいの相場のようだが、オリジナルなど見たこともないので興味本位で今回のCDに
手を出した。

解説によると同年3月に出た「恍惚 / エクスタシー」を録音した川原正美とエキゾティック・
サウンズによる録音と推測されるとある。女性の喘ぎ声が無ければ、アップテンポの曲は
映画の劇伴と言われても通じるような内容でもあり、ムード音楽一辺倒でないところが
当時のジャズ・ミュージシャンの心意気というところか。

このアルバムが面白いのはスウェーデンの女性の性心理学者(モニカ・ラッセン)主導で
男女の性行為の気分を高めるためのBGMとして制作された、と設定されている所である。

子供の頃から、誰が言ったか誰に聞いたかしらないがスウェーデンは性に開放的で所謂
エロ本や映画は全て無修正だ、なんてことを刷り込まれた記憶がある。確認したことが
ない(笑)ので当時の話がどこまで本当なのかわからないが、こういった触れ込みで
レコードが作られたりしたのだから、話はまんざら外れてもいなかったということだろう。

ただ、いい爺になった今聞いても、明らかに外人の喘ぎ声というのはトゥー・マッチと
感じるのも事実。まあ、これが日本人女性の声なら設定そのものが根底から覆るので
それは無理な話なのだが。(笑)

川原氏の回想だと、ドラムスは石川昌で他には水谷公生、樋口雄右らが現場にいたとか。
同時再発された翌71年リリースの「たわむれ」でも水谷公生らしきファズ・ギターを
聞くことができるとあるので、ロック者は堂々と両方とも買う大義があるというものだ。

出会ってXX秒で合体なんて企画物のタイトルを見たことがあるが、やはり愛撫は
大切である、ということをこのレコードは教えてくれる・・・わけはないか。(笑)
愛撫  先・・・である。

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ゲームは終わり

2015-09-05 08:54:19 | 日本のロック・ポップス

実のところ、五つの赤い風船を熱心に聴いてきたわけではない。なんとなく何枚かの
アルバムが手元にあるが、早川義夫目当てでライブ盤を買ったとか藤原秀子のソロ・
アルバムが良かったとか本流とは外れたような記憶が先に出てくるのだから始末が
悪い。

それでも、ビブラフォンやチェレスタにマリンバといった楽器を使う曲の浮遊感は
他のバンドでは聴くことができない独特な雰囲気があるし、ハーモニカのフューチャーの
仕方が素敵は曲があったりで嫌いではないはずなのだが、単にタイミングが合わなかった
だけなのかもしれない。それが何故なのか深く考える時間がないので、これからも
折につけぼんやりと聴いていくのだろう。

掲載写真は五つの赤い風船の「ゲームは終わり 解散記念実況盤完全版」と題された
6枚組CD。72年に行われた2回のコンサートを収録した3枚組LPがオリジナルで
あるが、今回はその3枚に未発表だった72年8月31日に行われた日比谷野音での
解散コンサートの未発表音源を贅沢にも3枚のCDに収録して計6枚組でのリリース。

豪華ゲストが登場した解散コンサートであるが、この未発表部分に興味が湧くのは
当然のことで、遠藤賢司やかまやつひろし、加藤和彦のライブが私の目当てなのは
言うまでもない。風船の持ち歌と山本リンダの曲を軽く歌いとばし、『歓喜の歌』と
『カレーライス』を歌うのだが時間が短いのが惜しい。

加藤和彦が一人で演奏し歌う『ゼニフェッショナル・ブルース』を聴くことが
できて、これはなんだか得した気分。かまやつは6曲の収録だが、ファーラウトを
バック・バンドに据えての3曲は今回の蔵出し音源の中で個人的に最大の目玉である。
解散コンサー全体の流れの中では「浮く」かのような荒々しいロック・アレンジは
痛快でここで演奏される『のんびりいくさ』の格好良さは特筆すべき項目。

6枚目のディスクに五つの赤い風船の本当に最後の演奏が収録されているのだが、
淡々と進行するのが彼ららしいといえばらしいのだろう。ライブ盤としての出来は
オリジナルでリリースされたライブ盤での演奏(72年7月30日東京文京公会堂)
のほうが優れているのだが、当時の最後の演奏が世に出たことを喜ぶ人は多いだろう。

CDの最後に収録された曲は『めめずはん』なのだが、この曲で本当に終わったのか、
それでよかったのか、というモヤモヤとした感じが風船ゆえなのだとしたら、やはり
最後まで一筋縄でいかなかったのだなぁということを思い知る他ない。

オリジナルの風船はここで終わりだが、こうして記録が世に出て聞き継がれると
いうことは重要なことである。

遊びの時間は終わらないのだ。

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2015-08-31 00:12:41 | 日本のロック・ポップス

あいつ夏、もといあつい夏が一段落したので、録りためたままで未見だった
ドラマ「風のなかのあいつ」を3日かけて全て見た。主題歌を沢田研二が歌い
主演が萩原健一というのも凄いのだが、ショーケンの子分役で大口広司が出ているのが
PYGファンには嬉しいところ。おお、PYGの1/3。(笑)

そしてスカパーのTBSチャンネルで「悪魔のようなあいつ」の再放送が始まったので
またまた見始めてしまった。以前、DVDに焼いたものを頂戴したことがあるのだが
今回はブルーレイに焼いて保存しよう。これは沢田研二主演で同僚に、ここにも
大口広司。岸部修三も出演しているので、おお、PYGの1/2(笑)が揃う。
両方のドラマに共通して出演しているのは安田道代。好きです。(笑)

ショーケンと大口広司絡みと言えばPYG以前のテンプターズを忘れてはいけない
というわけで、掲載写真はテンプターズの2枚目のアルバム「5-1=0 テンプターズの世界」。
全曲オリジナル(洋楽カバー無し)というのが特筆すべきところか。
3枚目のシングル『エメラルドの伝説』から5枚目のシングル『純愛』の両面を全て
収録しているので、リアル・タイムで購入した人にはお得感が無いと感じた人も
いたかもしれないが、それが商売というものである。

6枚目のシングルにして大傑作の『雨よふらないで』はバージョン違いでの収録。
テンプターズといえば、世間ではショーケンのことばかりが云々されるが、ロック者と
してはギタリストでボーカリスト、優れたコンポーザーである松崎由治の存在あっての
テンプターズであることを意識せざるを得ないアルバムである。

ミディアム・テンポのサイケ・ナンバー『テル・ミー・モア』やゾクゾクするような
リフが堪らない『秘密の合言葉』、台詞入りのクラシカルな『宮殿に通ずる長い橋』
ビートルズ・ファンも思わずニヤりとするであろう『きどったあの娘』と、様々な
スタイルの曲を書き分けるセンスには恐れ入る。ドラマーの大口に1曲歌わせる
というのも、ビートルズを意識しての所作であろう。

テンプターズの大箱が出たけれど、全てアルバムは持っているしコンプリート・
シングル集もあるので、アレは買わないことにした。
もう少し安ければ考えたのだけど。

コメント (3)
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YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN - 54 & 55

2015-08-25 00:26:19 | 日本のロック・ポップス

前回の「YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN」シリーズでは#79と
#80で同時に一人&一組の女性たちをとりあげた。これはその時にボブ・ディランの
『RAINY DAY WOMEN #12 & #35』が流れていたから(笑)に他ならないのだが
今回もそういった趣で・・・。

掲載写真は杉本美樹と池玲子の映画に於ける全歌唱を収録したとの触れ込みのCDで
その名も「杉本美樹VS池玲子 女番長流れ者 / ふうてんぐらし」。全23曲中、
杉本の歌唱は4曲、池の歌唱は3曲のみであとは劇伴で構成されている。だからといって
このCDに不満なわけではない。

両者が同時主演デビューした71年の「温泉みみず芸者」からのトラックがあるし、
この手の作品に欠かせない荒木一郎が音楽を担当した「徳川セックス禁止令 色情大名」
からのトラックもある。二人最後の共演となった73年の「前科おんな 殺し節」の
主題歌は池の歌唱だから収録されて当然で、二人が関わった映画の「音」として美味しい
ところはほぼ収録されているのではないだろうか。

ところで、私がこんなCDを所持しているのは前提に彼女たちが出ている映画にそれなりの
インパクトを感じ、彼女たちにそれなりを超える魅力を感じたからに他ならない。
個人的な趣味を書かせていただければ、杉本美樹のほうが好きである。
ほら、私はドMだから。(真偽は定かではない。笑)

杉本の映画で一番印象に残っているのは74年の「0課の女 赤い手錠」である。
登場人物は、どいつもこいつも腐れ外道。その中にあって何があろうと女の強さと
したたかさを見せつける杉本に圧倒されたものだ。脇役での出演であった「祭りの
準備」での原田芳雄との絡みも印象的で、その設定のいやらしさに見入ってしまった。

池玲子の方は歌手宣言をしたこともあるだけに71年に「恍惚の世界」という
フル・アルバムを残している。これはなかなか強力なジャケットと中身で持っている
だけで家族が眉を顰めるのは間違いない。

それはともかく、ポルノという言葉をキャッチ・コピーにあてがわれた当時まだ10代の
二人が放出した熱量こそ、今の日本の映画界や歌謡界に欠けているものかも知れない。
アンダーグラウンドなレベルでは、それを上回る作業は行われているのだろうけど、
娯楽のド真ん中で行うにはレベル・オーバーだろうし、そんなものはもう求められて
いないのかもしれないけど。

太陽ギラギラ・・・である。

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YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN - 52

2015-08-19 00:04:42 | 日本のロック・ポップス

真夏の夜のロック第三夜。

今年のROCK IN JAPANは8月1日(土)に参戦したのだが、もしこれが8月8日
だったら、どうしただろう。当初はグラス・ステージにユニコーンが登場する予定で
あったので、順当にいけばそっちを見ただろうが、同時間にあまり大きなキャパを
要しないウィング・テントに素晴らしいバンドが出たのだ。まあ、その日見に行かな
かった」のだから何の話をしているのやら、なのだが。(笑)
もし、見に行ったとしたらユニコーンが出ないのが確定していたので行動は
自ずと決まったであろうが。

ウィング・テントに登場したバンドとは、北海道の女性5人組「Drop's」である。
掲載写真は彼女たちのメジャー3枚目のアルバム「WINDOW」。3枚目だから
このCDは特殊ジャケットでクルクルと円盤が廻る仕様になっている。
3枚目だから。「Ⅲ」だから。(笑)

メジャー展開するバンドで、この音はちょっと類を見ない。失礼を承知で書けば
演奏しているのは若い女の娘たちであるのにも驚く。重く引き摺るようなブルーズ、
横にも縦にも揺れるロック。フェンダーとギブソンの音を上手く使い分けた二台の
ギター、フレーズの豊かなベース、絶妙のタイム感をキープして重いスネアの一発を
叩きだすドラムス、そこに彩を添えるキーボード。一体どのような学習や体験を
すればこの若さでこの次元に到達できるのだろう。

たまたま、それを可能にしたメンバーが同じ高校の同級生であったというのは
ある種奇跡のようにも思えるが、伝説的なバンドにはそういった話は古今東西を
問わず、必要であり必然なのだ。

ボーカルが異様に大きくミックスされているような気がしないでもないが
そのごつごつとした感じが、また新鮮に思える。

今の日本の音楽界を取り巻く状況を思えば、彼女たちがテレビで歌って一夜で
大きな支持を得られるかと言うと、それは難しいだろう。何しろ何十年もの間、
聴き手は売り手(演じ手ではない)の思惑通りに動かされ考えることも無くそれに
慣れきっているのだから。

しかしながら、Drop'sの音を回顧主義の年寄の賞賛だけで終わらせるのはあまりに
勿体ない。できれば彼女たちと同世代或いはそれ以下の年代に熱烈に支持して欲しい。
それが今後の良質な日本のロックの未来に繋がるような気がするし、Drop'sの
音にはそれを期待させる何かがある。

オリジナル曲の数々が素晴らしいのは当然として、カバー曲でその確かな歌唱力と
演奏能力を確認することもできる。

  アルバムに先駆けてリリースされた
シングル「未来」のカップリングで収録されたキャロル・キング・カバー『YOU'VE
GOT A FRIEND』は実に素敵なカバーであった。

日本のロックの歴史に於いて、私が気になった女性だけのロック・バンドは
タイプは全く異なるがオリジナル・メンバー時の少年ナイフ以来である。

この事実だけで十分だろう・・・。

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