真夏の夜のロック第三夜。
今年のROCK IN JAPANは8月1日(土)に参戦したのだが、もしこれが8月8日
だったら、どうしただろう。当初はグラス・ステージにユニコーンが登場する予定で
あったので、順当にいけばそっちを見ただろうが、同時間にあまり大きなキャパを
要しないウィング・テントに素晴らしいバンドが出たのだ。まあ、その日見に行かな
かった」のだから何の話をしているのやら、なのだが。(笑)
もし、見に行ったとしたらユニコーンが出ないのが確定していたので行動は
自ずと決まったであろうが。
ウィング・テントに登場したバンドとは、北海道の女性5人組「Drop's」である。
掲載写真は彼女たちのメジャー3枚目のアルバム「WINDOW」。3枚目だから
このCDは特殊ジャケットでクルクルと円盤が廻る仕様になっている。
3枚目だから。「Ⅲ」だから。(笑)
メジャー展開するバンドで、この音はちょっと類を見ない。失礼を承知で書けば
演奏しているのは若い女の娘たちであるのにも驚く。重く引き摺るようなブルーズ、
横にも縦にも揺れるロック。フェンダーとギブソンの音を上手く使い分けた二台の
ギター、フレーズの豊かなベース、絶妙のタイム感をキープして重いスネアの一発を
叩きだすドラムス、そこに彩を添えるキーボード。一体どのような学習や体験を
すればこの若さでこの次元に到達できるのだろう。
たまたま、それを可能にしたメンバーが同じ高校の同級生であったというのは
ある種奇跡のようにも思えるが、伝説的なバンドにはそういった話は古今東西を
問わず、必要であり必然なのだ。
ボーカルが異様に大きくミックスされているような気がしないでもないが
そのごつごつとした感じが、また新鮮に思える。
今の日本の音楽界を取り巻く状況を思えば、彼女たちがテレビで歌って一夜で
大きな支持を得られるかと言うと、それは難しいだろう。何しろ何十年もの間、
聴き手は売り手(演じ手ではない)の思惑通りに動かされ考えることも無くそれに
慣れきっているのだから。
しかしながら、Drop'sの音を回顧主義の年寄の賞賛だけで終わらせるのはあまりに
勿体ない。できれば彼女たちと同世代或いはそれ以下の年代に熱烈に支持して欲しい。
それが今後の良質な日本のロックの未来に繋がるような気がするし、Drop'sの
音にはそれを期待させる何かがある。
オリジナル曲の数々が素晴らしいのは当然として、カバー曲でその確かな歌唱力と
演奏能力を確認することもできる。
アルバムに先駆けてリリースされた
シングル「未来」のカップリングで収録されたキャロル・キング・カバー『YOU'VE
GOT A FRIEND』は実に素敵なカバーであった。
日本のロックの歴史に於いて、私が気になった女性だけのロック・バンドは
タイプは全く異なるがオリジナル・メンバー時の少年ナイフ以来である。
この事実だけで十分だろう・・・。
ヴィンテージ・トラブルもですが、この、ドロップスは気になってました。タワーの視聴コーナーで聴いただけなのですが、太い音だすなと。
こういうバンドがさらっと出てくるところがおもしろいですね。
"ボーカルが異様に大きくミックス"、、先入観かもしれませんが、日本のCDってそういうのが多いような気がしてます。なんか平板で聴いていて疲れる。。
すけべな爺として、この手の女の子バンドに惹かれてしまうのは、やむをえないことです。
少しつまみ食いしてみましたが、ベースの娘の立ち位置が、なかなかのものでした。
ただし、自分の好みでは、キーボードの入らない、もう少し隙間のある音の方を聴いてみたいかな?
おとといのストライプスもそうですが、若者はこのような(若干昔目な)音を聴いて、どのように感じているのでしょう。
確かに太い音です。よーくよ~くじっくり聴くと、それなりに危ういところもあるのですが、そこがロック・バンドの醍醐味でもあるので、決してマイナス要因ではありません。
平板なミックス、というのは私もそう思う時があります。耳障りがいいという想定の音が個性を削ぐ一因なら、ミュージシャンはミックスにも真剣に口だししても
いいはずですけど、なんてことも思います。(笑)
きっと4作目はタイトルが無くて、その時に使用された
ジャケ次第でいろいろな呼ばれ方をされるのです。(笑)
すけべ心は無いことも無いですが、ボーカルのルックスがそれなりにまとまっているのが大きいなとは思います。ベース、なかなかいいですよね。
古臭い音、で済まさなければいいと思うのですが
どうなんでしょう。今の若者には取っつきにくい音かも
知れませんねぇ。