ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

09/02/11 舞台のよさが生きてとにかく楽しい映画「マンマ・ミーア!」

2009-03-12 23:40:18 | 映画(映画館、DVD、TVを含む)

映画の感想アップが続いているので、2/11のレディスデイに観た「マンマ・ミーア!」も書いておこう。観てきた直後の簡単な記事はこちら
映画を観て帰宅後すぐに劇団四季の「マンマ・ミーア!」のプログラムを引っ張り出していろいろ見比べた。四季劇場「海」の2004年7/11のチケットが挟まっていた。
ウィキペディアの「マンマ・ミーア!」の項はこちら
今回の映画版も舞台版を生み出した女性3人組であるジュディ・クレーマー(プロデューサー)、キャサリン・ジョンソン(脚本家)、フィリダ・ロイド(演出家)を中心スタッフとしてつくられている。あの楽しかった世界がギリシャの風景の中で展開されるのをまたまた楽しむことができた。

主な配役は以下の通り。( )内は四季の「本日の出演者」より。
ドナ・シェリダン=メリル・ストリープ(保坂知寿)
ソフィ・シェリダン=アマンダ・セイフライド(吉沢梨絵)
ターニャ=クリスティーン・バランスキー(前田美波里)
ロージー=ジュリー・ウォルターズ(青山弥生)
サム・カーマイケル=ピアース・ブロスナン(渡辺正)
ハリー・ブライト=コリン・ファース(明戸信吾)
ビル・オースティン=ステラン・スカルスガルド(松浦勇治)
スカイ=ドミニク・クーパー(鈴木涼太)

以下、Yahoo!映画の記事のあらすじを引用。
「エーゲ海に浮かぶギリシャの小島で、シングルマザーの母ドナに育てられたソフィ。彼女のひそかな願いは、まだ見ぬ父親とバージンロードを歩くこと。結婚式を控え、父親探しをすることに決めたソフィは、内緒でドナの日記を読み、父親の可能性のある昔の恋人3人に招待状を出す」・・・・・・。

自分の父親が誰かわからない悩みを思春期に持ったソフィ。偶然見つけた日記で母親の恋愛に一波乱があった上でできたのが自分だとわかったことを友人二人に打ち明けるソフィの明るい場面「ハニー、ハニー」から一気に盛り上がる。
若い娘世代の親友3人組の登場に続いて母親の世代の親友3人組、母親の恋人3人揃っての登場。特にドナたち3人のバランスが私の観た四季のキャストのバランスに似ているので嬉しくなってしまった。
ABBAのポップな曲をうまく使ってこんなに面白い話のミュージカルがつくられたことを生みの親の女性3人組に感謝したいくらいだ。

上記のあらすじの書き出しとは違ってこの作品の主人公はやはりシングルマザーのドナだ。ドナとフィアンセのいたサムの恋がひょんな誤解から実を結ばなかったことを忘れようと続けざまにしたハリーとビルとの短い恋。これもありねって思えればこの作品は心底楽しめる。
ドナとサムにお互いを想う気持ちが残っていることを確認する「SOS」が一番せつなかった。

愛し合う人がいる暮らしができることは素晴らしい。それが正式な結婚の形をとろうととるまいとあまり関係はないと思っている。ターニャが結婚と離婚を繰り返し、若い男と束の間の恋を楽しむのも彼女なりの人生として充実していると思うし、ソフィとスカイが正式な結婚を先送りして恋人どうしのままで広い世界の見聞に二人してでかけるなんて日本ではなかなかない結末に感動する。ヨーロッパでは正式な結婚の形をとらないカップルが多いが、それは事実婚で生まれた子どもへの差別もなく正式に結婚しなくても不利益が少ない社会になっているからだ。

若い二人の結婚式をドナとサムの結婚式に切替えて島をあげての祝いの興奮が竜巻のようにスクリーンから客席へと伝わってくる。その中で独身を通してきたロージーもビルにモーションをかけてのをGETするだろう予感も花を添える。ハリーはドナを最後にゲイとしての伴侶を見つけているから問題ない。
中年の男女3人ずつ、「愛」の現役状態になったというのが実に愉快だ。この中高年を元気にし、若い世代にも年齢を重ねても人生は侘しくならないぞという明るい展望を指し示す、元気な女性が世に送り出した作品を堪能。

ミュージカル映画だが、歌の水準はあまり気にしないでいい。主演のメリル・ストリープが60歳近いなんて信じられないくらい、若々しく歌も踊りも頑張っていて好感度アップ。
結婚式前日に女性は女性どうし、男性は男性どうしのパーティがあって、ドナ&ザ・ダイナモスの頃の衣裳を身につけたオバサン3人組が昔とった杵柄パフォーマンスをするシーンも舞台の時から大好きだった。どうして昔の衣裳が着られるのよというあたりはツッコまないでおく(笑)物語が終って舞台のカテコにあたる部分も映画できっちり主要キャストがド派手衣裳で「恋のウォータールー」を歌って踊って盛り上がる。ジェームス・ボンド役者のピアース・ブロスナンまで胸が大きく開いたパンタロンスーツにハイヒールブーツだから、これは一見の価値あり!

この作品は幅広い世代に楽しんでもらえるようで、近くのシネコンでもけっこう上映がロングランで続いている(ちなみにMOVIXさいたまでは3/19までとのこと)。まだ観ていない皆さんにはおすすめしておきたい。

写真はこの映画のサントラCDの画像。主要キャストが楽しそうに写っている。


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4 コメント

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元気が足りてない人に (玲小姐)
2009-03-13 19:49:05
是非おすすめしたいですね!歌がどーの、とか、いいオジサン、オバハンがあの衣装はどーの、なんてことは言っちゃいけない(笑)。いやいや、むしろ失礼だ!あの衣装、歌を堂々とこなすのが、スターってもんです。

人生後半戦、明るく生きようねっ!みんな元気になろう。
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こんばんは (みゆみゆ)
2009-03-13 22:38:35
私も見てきました。
同じく保坂ドナでも四季の舞台版見ています。
良い感じで舞台が映画になっていたので楽しかったです。

TB送信しましたが、うまくいったでしょうか?
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楽しい! (hitomi)
2009-03-14 09:11:06
実に楽しい映画ですね。ホテル家業や人生の辛さを織り込みつつもう一度映画館で観たいぐらいです。ますますメルリが好きになります。
私、初めは、舞台版はそれほどでなかったのです。この役はこれぐらい貫禄がないと詰まりませんね。コメントありがとうございます!TBよろしくお願いします。
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皆様TB、コメント有難うm(_ _)m (ぴかちゅう)
2009-03-15 01:57:26
★玲小姐さま
>歌がどーの、とか、いいオジサン、オバハンがあの衣装はどーの、なんてことは言っちゃいけない(笑)......舞台の方で歌が下手でずっこけさせられたり声量がなくて聞き取れなかったりして金返せ~状態になったことがありますから、今回は全て許容範囲で盛り上がれました。
衣裳はさすがに皆さんスターのオーラで衣裳に着られるのではなく堂々と着こなしてました。堪能しました!
★みゆみゆ様
いただいたTBもこちらからのTBもうまくいかなかったようで残念です。せっかくなので下記でご紹介させていただきますm(_ _)m
http://blog.goo.ne.jp/miyupiyo/d/20090204
舞台と映画の製作が同じ女性3人組だったということで舞台の良さが生きていたし、ドナとサム、ドナとソフィの関係が浮かび上がるようにうまくまとまっていたのも多くの人に楽しんでもらえるようになっていたと思います。是非多くの人に楽しんでもらいたい映画でした。
★hitomiさま
>ホテル家業や人生の辛さを織り込みつつ......「マネーマネーマネー」の場面なども女手ひとつでホテル経営者をやってきたドナの逞しさもわかり、その後のサムとの「SOS」もせつなくて人生のいろいろな場面を思わせてよかったです。メリル・ストリープが本当に素敵でした。
YahooブログへのTBがうまくいかないので楽天の方にもトライしてみますね(^O^)/
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