ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

05/03/01TVドラマ『溺れる人』、篠原涼子、栗原小巻

2005-04-03 00:17:35 | テレビ
アルコール依存症と格闘し、家族の愛情で克服した女性の実話を原作にしたドラマだという。帰宅が遅くなり、途中から観たが印象深いので書いておく。
主人公は夫と娘との幸せな生活をしている主婦麻里(=篠原涼子)だが、結婚前から酒なしではいられない。夫もその異常さに気づいて注意するが、飲まないではいられない。娘が発熱してイオン飲料を買いに出てお酒を飲んで帰れなくなる始末だ。不安になるとお酒に逃げているように見えた。
その後、実母(=栗原小巻)のひとり娘麻里への度を越した溺愛も描かれる。この辺に鍵があるなと睨みながら観て行ったが、ピアノの発表会で母の期待に応えられずに失敗してしまったというエピソ-ドが出てきたので確信した。母親の期待に応えられないことから自分を肯定できずに苦しんで、不安になるとアルコールでごまかしているのだ。
何に依存するかはそれぞれの依存症によって違うが、アルコールに依存するのがアルコール依存症で、幻覚などにも苦しめられるという。麻里は自分からすすんで入院し、禁断症状とたたかう。その幻覚症状はCGで黒い虫のようなものが麻里のベッドの周りに出てきて『となりのトトロ』の真っ黒くろすけのようでちょっと可笑しかったが、本人には本当に恐ろしい幻覚なのだろう。
夫は麻里の母親との関係に原因があると気づき、入院中の麻里の姿を母親に見せる。母親は禁断症状で暴れてベッドに縛られてしまう麻里を見てひどい扱いだから連れて帰ると言う。こういう母親になってはいけないという姿がくっきり。麻里は夫の正しいサポートがあり、克服できたという終わり方だった。
家族、特に親との関係で期待に応えられない自分を肯定できなくなるということが原因だったという分析をした『東電OL殺人事件』の本を斜め読みしたこともある。
私にはとても胸のつかれるドラマだった。親業は本当に難しい。

さて、篠原涼子は市村正親と共演した蜷川『ハムレット』のオフィーリアで初めて見た。その前のアイドル?時代は知らない。市村さんのハムレットがけっこう年なのであまり若いオフィーリアは起用できないからこのあたりの人なのかなあとか思ってみていた。下手でもなかったがあまり記憶に残っていない。この共演がきっかけでおつきあいされたという話だが、それが本当なら素晴らしい師匠を得たことになる、今回の麻里役はとても自然な演技で感心した。

栗原小巻は『欲望という名の電車』のブランチ以来だが、ずいぶん年をとったなあというのが率直な感想。でも常軌を逸した溺愛をする母親(孫のいる)をそれらしく演じていてさすがと納得。ブランチは小巻さんが焼きついていて、大竹しのぶで上演される時も食指が動かなかった。篠井英介さんの時も同様。スタンリーだったか、妹の夫役が誰が演じるかかというのも大事(古田新太さんではちょっとね)。
写真は朝日新聞のTV欄の紹介記事より。

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3 コメント

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全然関係ないんですが・タケル (お茶屋娘)
2005-04-03 20:57:29
段治郎ヤマトタケル見てきました。

まあ、詳細は、ご自身で見ていただくとして、去年4月の三国志から、彼は、どこが変わったのか?わかりましたよー。玉さんの相手役で、彼はこれを学んだのだ、とわたしは確信しましたね。

主役としての自信と華。これです。演技の巧拙なんぞ、あとからついてくるんです。

彼に、鳴神上人と知盛をやらせたい!と思いました。

そういえば、今日の義経で岡幸二郎さん出てましたね。公家装束御似合いじゃないですか。
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Unknown (かつらぎ)
2005-04-03 22:34:07
>ぴかちゅうさん

溺れる人は未見(というか、実はあまりドラマを見る機会が少ないのです)、レポを興味ふかく読ませていただきました。

篠原涼子さんは芝居が的確、「輝く季節の中で」(フジテレビ)の頃からそのカンのよさは群を抜いていましたね。最近ではクドカンの「ぼくの魔法使い」でも怪演していますよね。実に目の離せない女優さんです。





>お茶屋娘さん

義経、きょうも見そびれました。残念!

岡さんが出てらしたのですか!再放送、録画しなくては!

段治郎は、いい形でどんどん大きくなってきていますね。まぶしいばかりのオーラ、玉さまから吸収できた様子、嬉しい限りです。
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訂正 (お茶屋娘)
2005-04-04 19:54:07
上のコメント、巧拙、じゃなくて巧緻さ、に訂正します。

一日たって、あと1回しか段治郎タケルを見れないのかと、残念になってきました。いけない、いけない。今月は子供の学費を払うので貧乏なんだからね。

かつらぎさん、岡さんは、以仁王の役です。おひげが素敵でした。話の展開からして、来週で討死かも。お見逃しになりませんように。
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