冒頭の写真は、23日に新橋演舞場夜の部に行った時に撮影した新しい歌舞伎座の工事現場。右側の小屋根の上に作業員が乗っていて瓦葺の作業中。正面のブルーシートもはずれて、内装もかなり進行していることがうかがえた。先日、1階ロビー絨毯の敷き込みが報道されていたっけ。
歌舞伎座と歌舞伎座タワー(オフィスタワー)から成る複合施設の名称を「GINZA KABUKIZA」と洒落た感じにしつつ、ファサード部分は旧観をよく踏襲してくれていると感心至極。
しかしながら、こけら落し公演のチケット申し込み方法の説明リーフレットを演舞場でもらってきて、座席表が大きく出ていて3階席が大きく変わっていることに驚いた。
両袖が左右ともA席になってしまっている。B席がかなり少ないと思い、家でPCを開いて演舞場の座席表と数えながら比べてみた。
新橋演舞場の3階B席の数=96席
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新しい歌舞伎座の3階B席の数=80席
前の歌舞伎座から新橋演舞場での公演になった際も、3階B席の数はかなり減っており、新しい歌舞伎座ができるまでの我慢と思っていた。そうしたら、少ない演舞場よりもさらに減ってしまうのだ。激減といってよい!(怒)
一幕見席は設けてくれたようだが、3階B席を多くしてそちらが売れて高い席が残ると収益を上げる妨げになるとばかりの露骨な席割政策だ。能などと違って歌舞伎は江戸時代にも経済的に豊かな人からそうでない人までが楽しめる娯楽的要素の強い芸能だったはずだ。歌舞伎がこれからも伝統芸能として、さらに時代の変化の中でも生き残れる芸能・芸術であるためには、安い席もきちんと提供して、観客層の裾野を広げていくようにすべきだろう。
松竹は私企業であり、そんな役割は国立劇場が果たせばよいとでもいうのだろうか?
国立劇場も独立行政法人化した後は、採算重視ということになったせいか、大劇場の一番安い席は最上の1列だけになってしまった。そしてその列はやたらと前の列との間が狭くなっている(先日もその列で観たから確かだと思う)。
大学の授業料も官民格差を高い方に揃えてならしたという日本はひどい国だが、文化行政のレベルも先進国の中ではひどいと思う。
「そうだった、もう日本は先進国ではなくなりつつあるのだ」と自虐的に言いたくなる。いろいろと考えると頭にきて眠れなくなりそう・・・。
ここできちんと怒りを表明しておく。こうして電脳社会の中でも声をあげておくことが大切だと思うから。