ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

05/07/16 『女王の教室』『ドラゴン桜』2本の学校ものドラマ

2005-07-16 23:31:42 | テレビ
★『女王の教室』:土曜夜9時~日本テレビ
天海祐希がけっこう好きなので2回目から観たが、「うーん、これは学校ものドラマとしてはちょっといただけないぞ」と思ってしまった。実家でご飯を食べながら両親とも一緒に観たのだが、父親まで「こういう先生はやりすぎだね」とひとこと。
鬼のような教師という描き方だが、にこりともしない天海祐希の般若面のような美しさの魅力を前面に出したかったんだろうけど、全部見てはいないのだが、これはちょっと恐すぎる。恐さを際立たせるために小学校を舞台にしてるんだろうけど、小学校でこんな先生がいてクラスメイトの前であんなに見せしめのような扱いを受けたら、一生心の傷を引きずりそうな生徒も出ないとはいえない。
実は、わが娘は小学校3年生の時の担任の男性教師から何回も何回もクラスメイトの前にひとり立たされて「グズ、のろま」他いろいろ糾弾された経験をもっている。それを見ていた同級生の男子生徒(クラスの男子の1名を除く全員)グループによるいじめにあい、フラッシュバックにより相当なダメージを受けているのだ。その根は教師が生徒の前で個人の尊厳を傷つける行為をしたことによる。そういう行為は「生徒の将来のため」という金看板のもとで行われているのだ。
すでに製作者側の予想を超えた反響があり、1万を越す意見が寄せられていて賛否両論だという。「番組打ち切り」要望もかなりあるらしいが、製作者側は全ストーリーを通して考えてほしいという姿勢のようだ。確かに番組のキャッチコピーには「このドラマは悪魔のような鬼教師に小学校6年の子どもたちが戦いを挑んだ1年間の記録」とある。主人公・阿久津真矢(天海祐希)の冷酷さを滑り出しのところで際立たせるところで、後半の子どもたちの戦いが盛り上がるのかもしれない。しかしながら毎週連続で長期間見ないといけないドラマの形式ではこういう内容はふさわしくないと私は思う。阿久津真矢の冷酷な行為を「生徒の将来のため」にはこういうのもあっていいとTV局が言っていると誤解されても仕方がないだろう。きちんと本意を伝えたいのであれば、長時間で見せるスペシャルドラマか映画の方がいいと私は思う。
天海祐希が出演した劇団☆新感線の『阿修羅城の瞳』の女王阿修羅の彼女に惚れこんだ人が企画したんじゃないのだろうか。しかしながら、ちょっと悪ノリしすぎた企画だと思う。大体、防犯実演でナイフを護身用だからって取り出すかあ、教師が!!

☆『ドラゴン桜』:金曜夜10時~TBS
こちらは倒産確実の私立高校を再建するために債権者の代表として乗り込んだ元暴走族の弁護士(阿部寛)が主人公。偏差値平均30台の生徒に世の中の負け組になりたくなければ考えろ、「馬鹿とブスほど東大へ行け」とか激を飛ばしている。まあ、自分も金を手にしたいからというのが前提にある。原作が人気のある漫画だということだ。
こちらも「生徒の将来のため」に極端な主張を主人公にさせるドラマだが、こちらは高校を舞台にしているし、最初からコメディというつくり丸出しなので、救いがある。だから気楽に観ることができて、同じドラゴンの『タイガー&ドラゴン』の後番組として、毎週観ることにしている。

それにしても、教育現場を描くドラマが2つともスパルタ教師が主人公ってどういう時代になっちゃったんだろう。『金八先生』のようにスパルタ教師もいるが人情味あふれる熱血教師が主人公で、教師たちにも人間的な弱さも見えて、生徒とともに悩み苦しみながら愛情を注ぎ、自らも成長していくのを一緒に見守れるようなドラマがやはり欲しいのだが、どこのTV局ももうやってくれないのだろうか。やってくださいよ~。

写真はNTVの『女王の教室』のサイトより。