パリ・コンセルヴァトワールの所有ピアノ台数=10台・第9位のフォイリッヒ
株式会社グランドギャラリー|コラム ピアノなんでもコラム 最高峰のピアノとは? 約20年前のことだが、パリ・コンセルヴァトワールの所有ピアノ台数一覧である。
- Rameau(ラモー) 40台
- Steinway&Sons(スタインウェイ・アンド・サンズ) 24台
- Yamaha(ヤマハ) 23台
- Grotrian(グロトリアン) 20台
- Kawai(カワイ) 20台
- Sauter(ザウター) 17台
- Hoffmann(ホフマン) 13台
- Seiler(ザイラー) 11台
- Feurich(フォイリッヒ) 10台
- Bosendorfer(ベーゼンドルファー) 8台
- Bechstein(ベヒシュタイン) 7台
- Euterpe(オイテルペ) 6台
上位12ブランド中、ヤマハ&カワイを抜くと、フォイリッヒは7位、製造元のオイテルぺは10位。
ベーゼンドルファーは8位、ベヒシュタインは9位なので「肩を並べる」は間違い無し。
第1位の「ラモー」については、日本総代理店であった 淘汰 | ベヒシュタインジャパン公式サイト をご覧頂きたい。フランスの国策ピアノ製作会社であり、パリ・コンセルヴァトワールの最大購入台数になって当然である。グランドピアノは、188cm1種類だけが特徴(スタインウェイ A と同寸法)。「ラモー」時代のプレイエル・エラール・ガヴォー は独シンメル社がドイツで製作していたので、学内の所有台数は古いピアノだけであった。
また、 プレイエル ~ショパンが愛したピアノ~も分かり易いし、広島市のコンサートチューナー 馬場さんの
も詳しい。
群馬県長野原町の調律師 pianoakikoさんのブログ も詳しいです。
帝国ホテルの看板ピアノ = フォイリッヒ
Amazon - 文庫 日本のピアノ100年: ピアノづくりに賭けた人々 (草思社文庫) | 孝則, 前間, 裕一, 岩野 |本 | 通販 の432-433頁にフォイリッヒの記述がある。(「日本のピアノ・・・」題名の本である)
<引用>
やや個人的なことになるが、筆者の母方の親類には音楽教師らが何人かいて、祖母の家には七十数年前の昭和の初めに購入したドイツのピアノがあった。昭和三(一九二八)年、長女の叔母が「上野の音楽学校」(東京音楽学校)の在学中、帝国ホテルで開かれたフランスのヴァイオリニスト、ジャック・ティボーの演奏会に列席し、そのとき伴奏に使われたドイツ製のピアノの音色に感動して、同じものを祖母にねだったのである。
祖母はあっさりと承諾したらしく、当時、家の一軒も建つであろう金一二〇〇円もするドイツ製ホイリッヒを銀座の十字屋経由で購入したのであった。
<引用完>
「日本のピアノ100年」に出て来る外国ピアノブランドは
- カラード・アンド・カラード(英)
- スタインウェイ(米・独)
- ブロードウッド(英)
- ジョンプリンツ・ミード(独)
- チッカリング(米)
- エラール(仏)
- ベヒシュタイン(独)
- ブリュートナー(独)
- イバッハ(独)
- クラマー(英)
- ローゼンクランツ(独)
- キンボール(米)
- メーソン・アンド・ハムリン(米)
- グロべスティーン(米)
- アメリカン(米)
- エオリアン(米)
- エステー(米)
- ブラドベリー(米)
- アウガスト・フェルスター(独)
- ボールドウィン(米)
- ベーゼンドルファー(墺)
- ウーリッツァー(米)
- カルブランセン(米)
- プレイエル(仏)
- ガヴォー(仏)
- フォイリッヒ(独)
の26ブランドである。
この中で高級ピアノとして徹頭徹尾描かれているのがスタインウェイ。そのスタインウェイを差し置いて、「帝国ホテルのティボー演奏会」で使用されたのがフォイリッヒ(原文ではホイリッヒ)。
1929年(昭和4年)日比谷公会堂開館前のクラシック演奏会は、帝国ホテルや三越が主たる会場であった。2022年現在のサントリーホールの位置付けである。
渋沢栄一が発起人に名を連ねている帝国ホテル、東京音楽学校に「どのピアノが良い?」と訊ねて、独フォイリッヒを宴会場に購入したのであった。