Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

シューベルト : 幻想曲について(9) (No.1489)

2007-07-14 22:45:32 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
 今日は「原資料に幻想曲と記載」がある曲の内で最後(1969年)に発見された曲 = ピアノソロ幻想曲 ハ長調 D605A のアナリーゼである。 「さすらい人幻想曲 D760」や「わが挨拶を送らん幻想曲 D934」に比べて、少々問題ある構造になっている。この「構造に難あり」がシューベルト自身が出版意欲を掻き立てられなかった原因だろう。

幻想曲 ハ長調 D605A アナリーゼ



  1. 第1楽章 Moderato con espressione ハ長調 2/2 54小節 全体の呈示部の第1主題 通作形式

  2. 第2楽章 Alla polacca 嬰ヘ長調(その後次々に転調) 3/4 160小節 全体の呈示部の第2主題+展開部開始 通作形式

  3. 第3楽章 Moderato con espressione ホ長調 4/4 31小節 全体の展開部の継続部 主題と3つの変奏曲

  4. 第4楽章 (テンポ指示変更無し) ト長調 12/8 39小節 全体の展開部の終結部 通作形式

  5. 第5楽章 Tempo I (Moderato con espressione) ハ長調 2/2 24小節 全体の再現部(但し第1主題のみ) 特に形式無し


となる。
 問題点として

  1. 4楽章に収まらなかった

  2. 主題呈示が「第2楽章」にはみ出してしまった


がある。「ロマンティックな古典派主義者 = シューベルト」としては、形式に満足行かなかった曲の可能性が高い。
 内容が充実している曲だけに、私高本個人としては「生前出版しても良かった曲」と感じている。
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