Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

佐伯周子がシューマンピアノ協奏曲op.54を弾く 2(No.2496)

2016-10-05 19:33:08 | 作曲家・シューマン(1810-1856)

ピアノ協奏曲のピアニスト=オペラのタイトルロールと同じヒロイン!


  多くのピアニストが誤解しているのが、「ピアノ協奏曲では、ピアノパートをきちんと演奏すれば、何かあれば指揮者が教えて下さるだろう」と言う誤解。結構蔓延している。至近な例で言えば

N響首席指揮者=パーヴォ・ヤルヴィは良い指揮者であるが、協奏曲指揮者としては「普通のタイプ」。つまりピアニストが必要を申し出れば対応、無ければ楽譜通りタイプ


  人気指揮者であり、共演希望が殺到しているのだろう、ピアノ協奏曲はN響招聘の月にほぼ毎回ピアノ協奏曲がある。9月来日では2人のピアニストと共演したが、先の ラルス・フォークト とのモーツァルトピアノ協奏曲第27番変ロ長調を聴いたが、第1楽章協奏曲的呈示部のオーケストラを14型の弦配置で「ジュピター」のように盛大に鳴らして開始、「フォークトってこんな大きな音量のピアニストだったっけ???」と思いながら聴いていたら、案の定「小さな可憐な音」で不釣り合いだった><
  思えば、2月来日では カティア・ブニアティシュヴィリ とのシューマンピアノ協奏曲イ短調(佐伯周子と同じ曲!)でも、「春」か「ライン」かのように盛大にオケを鳴らしていて、いらいらしたのか第3楽章ロンドソナタ形式で最後にロンド主題が戻って来る箇所で ブニアティシュヴィリ が2小節飛ばしてN響も聴衆も困惑。勿論「ブラヴォー」も来なかった><

 パーヴォ・ヤルヴィ は、縦の線はきちんと合わせるし、「モーツァルトらしさ」「シューマンらしさ」も表現する。ただただ「音量基準が作曲家の交響曲並み」なだけである。「パーヴォ・ヤルヴィのモーツァルト交響曲の音量基準」とか「パーヴォ・ヤルヴィ」のシューマン交響曲の音量基準」をピアニストが事前に知る必要な全くないが、オケ合わせ(N響定期だと、通常練習所で3日X3時間)とゲネプロでピアニストが確認して申し出る必要がある。何も合わなければリハーサル通りに本番も実行する。
 ピアニストの音量は相当に巾があり、私高本が聴いた範囲では、故ペトロフ、小川典子、川上敦子 は音量が桁外れに大きかった。小さいピアニストはあまり協奏曲演奏会では聴かない。向き不向きがあるからなあ><
 録音では、クララ・ハスキル と ラローチャ が音量が小さい(が、極めてうまい)ピアニストである。佐伯周子 はその中間の「普通の音量のピアニスト」である。佐伯周子に感心したのは、オケピアノ=リダクション版の2番ピアノ にきちんと指示を出していたことである。シューマンの楽譜は相当神経質に書かれているのだが、ところどころ「どう合わせるの?合わせなくていいの?」ってところがあり、綿密に時間を掛ける。「ここが合わない箇所なんだ!」と私高本も感服した次第である。


 N響でモーツァルトピアノ協奏曲第27番を弾いた フォークト は「音量バランス」をパーヴォ・ヤルヴィに申し出ていない。(練習所の音量はともかく)ゲネプロの音量チェックが甘過ぎなことは、明らか><
 N響でシューマンピアノ協奏曲イ短調を弾いた ブニアティシュヴィリ も以下同文。「スコア読めてますか?」のレヴェル。こんな人々が「N響定期公演」にご出場なさっているのです><


 オペラに付言する。先日の

二期会「トリスタンとイゾルデ」公演は、Bキャストだけ聴いたが、イゾルデ = 池田香織 は、発散するオーラがオケまで伝わったが、トリスタン = 福井敬 は「声量ペース配分」が制御できず、第3幕では「歌っているだけ」の惨状><





 私高本が大好きなピアニストの1人 = 中村紘子 が、追悼番組で明かされた「15才(14才?)」の逸話が放映された。「サイトウキネンオーケストラ」メンバーに伝承している逸話、とのことである。

中村紘子「斉藤秀雄先生の指揮では弾けません!」発言


  生存者も高齢になっているので、「どんなタイミングでどんな状況下で発言したのか?」は不明確。だが、この後、「演奏会が流れた」情報は無いので、多分「中村紘子のテンポで渋々斉藤秀雄が棒を付けた」のであろう。おそらく「日本音楽コンクール優勝コンサート」なんじゃないだろか?


 私高本が見た番組では「中村紘子の気の強さ」が強調されていたが、

「ピアノ協奏曲のピアニスト = オペラのプリマドンナ」を実行しただけ


である。「ピアノ協奏曲のテンポ」はピアニストが決める、は当たり前である><


 

 「佐伯周子のシューマンピアノ協奏曲イ短調作品54」は、事前準備が「オーケストラパート」まで目配せ万端! ホールの音響とか、わからないことも山積しているのだが、「シフトの広さ」は奥行きがある感触。「デッドホール シフト」は時間の無駄! に感じたが、「準備万端」を感じさせた次第である。

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