Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

新国立劇場バレエ「シェイクスピアダブルビル」Bキャスト2023.05.05批評(No.2685)

2023-05-10 23:38:22 | 批評

  1. イギリス生まれの ジェラルディン・ミュシャ 1965年頃チェコ・プラハで作曲バレエ組曲「マクベス」(15分)
  2. 高円宮妃が「バレエ化」を吉田都芸術監督に提案
  3. ロイヤルオペラ初の「ROH2 クリエイティブ・アソシエイト」= ウィル・タケット に振付打診
  4. ロイヤルバレエ「マノン」「ドン・キホーテ」編曲オーケストレーション = マーティン・イェーツ に補筆依頼
  5. チケット発売時は30分で稽古
  6. 開幕直前60分に

補筆作曲家=イェーツ 作曲が 3/4を占めるタケット振付「マクベス」




Aキャストに匹敵の「ブラヴォーの嵐 + スタンディングオベーション」Bキャスト:マクベス=奥村康祐、マクベス夫人=小野絢子


素晴らしかったBキャスト組マクベス夫婦。小野の妖艶さは過去1度も無い濃い表現。主要脇役(ダンカン=趙載範、バンクォー=井澤駿、フリーアンス=小野寺雄)がシングルキャストで固められ、踊り易かったことだろう。小野に影響受けたのだろう、マクダフ夫人=渡辺与布 の最後シーンが圧巻! 子供に手を差し伸べ、刺殺され方も目を覚まさせた。
この「マクベス」は聴衆から圧倒的な支持を得た。再演を期待する。


・・・で、初日に音楽が死んでいた「夏の夜の夢」。何と、序曲冒頭から「iイェーツ指揮シンデレラの棒」が蘇っていた。5日振って余裕出て来たのだろう、イェーツ。

・・・で、序曲途中でダンサー登場。これが信じられ無い小さな踊り&演技。主要8役全てがAキャスト

  1. ティターニア=柴山沙帆
  2. オーベロン=渡邊峻郁
  3. パック=山田悠貴
  4. ボトム=木下嘉人
  5. ヘレナ=寺田亜紗子
  6. ディミートリアス=渡邊拓朗
  7. ハーミア=渡辺与布
  8. ライサンダー=中島駿野

の方が圧倒的に良かった。
私高本は、ティターニア&オーベロンの出来が圧倒的差があったため、と感じる。柴山&渡邊に感謝すると共に、池田理沙子&速水渉悟 には録画も昔から(1964年初演)ある振付なので、もっと深く研究実践して欲しかった次第である。
初日には(「マクベス」の半分とは言え)終演直後からスタンディングオベーションが来たが、この日は2回幕が降りるまで皆無。2回幕が上がって中央最前列が僅か立ち上がった。舞台&衣裳は圧倒的に「夏の夜の夢」が豪華、ロンドンロイヤルバレエから借り受けです!


新国立劇場創立25周年記念シーズン=今シーズンである。
オープニング当初は「ロシア派」と「イギリス派」が拮抗していた。(「イタリア派」と「フランス派」と「アメリカ派」はいなかったように見えた。)均衡破ったのは「2005年 ビントレー振付:オルフ作曲:カルミナ・ブラーナ」公演からだった。私高本は、この公演見ていない。どこかの新聞批評で読んで、「行ってみるか」と思ったら、終わっていたのである(爆

再演時に観た。良い舞台であった。
カルミナ・ブラーナ
初演時の新国立劇場バレエHPである。絶賛批評ばかりである。「カルミナ・ブラーナ」は作曲家オルフ の最高傑作であり、バレエ化は良いアイデアだった、と思う。英国で大評判を取り、牧阿佐美芸術監督(当時)が日本初演を企画実行し、大評判を得た。続いて
新制作/世界初演デヴィッド・ビントレーのアラジン|バレエ|新国立劇場
を世界初演。音楽はデイヴィスに依頼、私高本としては「カルミナ・ブラーナ」以上の振付と感じている。ビントレー自身の評価も 2023-2024シーズンのビントレー振付演目=「アラジン」である。

タケット振付「マクベス」は、ビントレー振付「アラジン」までの人気は出ないが、ビントレー振付ブリテン作曲「パゴダの王子」よりは人気が上になる演目


「パゴダの王子」は世界初演初日観ました。悪くは無いが、「アラジン」「ペンギンカフェ」「カルミナ・ブラーナ」ほどの感銘は無し。
ビントレーはプログラムノートに「原台本が悪い」を書いていたが、私高本は「音楽の魅力が薄い」が原因と思う。
ビントレー振付「パゴダの王子」、記憶に拠ると、バーミンガム上演されたが、ロンドン上演されていない。

「アラジン」「ペンギンカフェ」は作曲家との共同作業、「パゴダの王子」は死んだ作曲家作品、「マクベス」は作曲家は没後だが、補筆作曲家=イェーツ との共同作業


チャイコフスキーもプロコフィエフも世界初演時は振付家との共同作業である。

タケット振付「マクベス」が英国でどれだけ評価されるか?


注目して行く。
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