耳を楽しませ、目を楽しませ、心を楽しませる「オペラの王道」路線の 香月修「夜叉ヶ池」
「新国立劇場委嘱新作オペラは6作品」と、香月修「夜叉ヶ池」公演プログラムP22 に関根礼子が明記してくれている。有難い限りだ!
團伊玖磨「建・Takeru」1997
原嘉壽子「罪と罰」1999
一柳慧「光」2003
三木稔「愛怨」2006
池辺晋一郎「鹿鳴館」2010
香月修「夜叉ヶ池」2013
「オープニング記念の1999年」までを除外すると、
4年に1作品づつ = 芸術監督任期に1作品の法則 がきちんと受け継がれている
もう1度、整理しよう。オープニング記念を除外すると、次のようになる。
「イタリアオペラ & フランスオペラ しか興味の無い」五十嵐喜芳芸術監督 → 一柳慧「光」2003
「日本語オペラには全く興味が無く、丸投げだった」ノヴォラツスキー芸術監督 → 三木稔「愛怨」2006
若杉弘芸術監督が発注したが、上演時は「尾高忠明芸術監督代行」が上演 & 来年の再演が既に決定 → 池辺晋一郎「鹿鳴館」2010
尾高忠明芸術監督 が狙い澄ましたオペラ → 香月修「夜叉ヶ池」2013
上記6公演、全て「世界初演」を見届けた私高本が、明言する。
香月修「夜叉ヶ池」は、團伊玖磨「夕鶴」を越える『日本の代表オペラ』になる!
ことを。
上記6作品について、(極めて粗っぽく)総括する。
團伊玖磨、原嘉壽子、一柳慧、三木稔、池辺晋一郎 は「音響の豊かさ」を最優先したが、香月修は「音響よりも、演出上の舞台転換の素早さ」を重視!
この差は大きい。香月修 が「音響の充実」を求めなかった、ワケでは無い。
「音響の充実」は求めた。それは『香月修のオーケストレーション』で全て実現した! オケは10型編成!! これで、『新国立劇場中劇場』を満たせる!!!
実際に満たしてくれた。上記6つの「新国立劇場委嘱新作」初日 = 作曲家や演出家が全員カーテンコールに登場する日に立ち会っている私高本が証言する。
作曲家 (今回は 香月修) に対して「ブラヴォーだけが振り注いだ」のは、新国立劇場委嘱新作6作品で初めて!
である。
私高本も、google検索で「香月修」は事前にしてあり、「桐朋音楽大学の作曲科の重鎮」は理解していた。だが、オペラ作品が掲載されていなかったので、「過去に2作品のオペラあり」は公演プログラム入手以前は全く理解していなかった。だが、その2作品も、40年以上前。「フツーに考えれば、経験無いオペラ作曲家」と思う方がフツー。(以下、続々編に)