Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

カンブルラン+読響「全ベートーヴェン」プログラム批評(No.1930)

2011-09-05 23:14:13 | 批評
 1年に「3週間 × 3回来日」を基本に実行している「名実ともに常任指揮者」の読響とカンブルラン。就任後1年半が経過したが、これから1年半後までのプログラムも発表され、

カンブルランが「読響と実行したい壮大な全貌」が徐々に見えてきて、また「実際の音」で聴こえた1夜


となった。
 カンブルランは SWR との演奏会と録音で「世界のトップ指揮者」になった。特に有名なのが、メシアン全曲録音&演奏。読響初共演もメシアンで、この縁で常任指揮者就任となった。だが、就任後は SWR時代とは違う顔 を見せて、そして音で成果を挙げている、と私高本は感じる。

カンブルランが最も傾注している作曲家の1人 = ベートーヴェン!


なことがはっきり聴こえて来た。

カンブルランのベートーヴェンの最大の特徴は「古典的な設計」の上に、繰り返し部分で細やかな違う表情を豊かに表す


 余りにも正攻法なのだ!モーツァルトでは実行していた「ノンビブラート奏法」もベートーヴェンでは特にしない。少なめではあったが。
ピアノ協奏曲第4番では、あまりにも老いてしまった コワセヴィチの音量が不足していたため、音楽作りに苦労していたが、『響きを保ちながら、ベートーヴェンのアーティキュレーション遵守』が最初から最後まで貫いていたのには驚いた!
 冒頭の「エグモント」序曲から、ベートーヴェンの「暗い情熱」が噴出する演奏。あたかも「不吉な物語」劇音楽が「今ここで」上演されているかのような感じ。

 休憩後のメインの交響曲第7番が圧倒的名演。

繰り返しの際のダイナミクスやアーティキュレーションや楽器間バランスの「絶妙な移ろい」が絶妙!


 第1~第4の全部の楽章で素晴らしかったが、特に「第2楽章」は息を呑む絶妙さ、だった。カンブルラン と 読響 に感謝するばかりである。


 明日、以降に苦言も少々。東京オペラシティホールは「ホルンの返りが悪い」ホールで苦戦したことはわかるが、「下野指揮ブルックナー交響曲第4番」であれだけの名演を2ヶ月前に聴かせてくれたばかり! 今日の「ホルンの演奏水準」は「読響」としては、合格点にはなっていないだろう。2番ホルンはソロ部分では頑張っていたことは認めるが、パートとして 明日の「サントリー名曲」では今日以上の演奏をしてほしい > ホールトーンもホルンに良いし

来年12月には「カンブルラン + 読響 + 新国立劇場合唱団」のベートーヴェン「第9」


も発表された。「常任指揮者就任」から数えると、「第5 → 第7 → 第9」である。いやがおうでも、これは期待してしまう!!!
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