Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

1825年5月に何を作曲していたのか?(No.1661)

2009-06-29 03:13:44 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
D946/1&2 のちょうど3年前 = 1828年5月 に「第1グランドソナタ」D845 は作曲された。この当時はどのような曲を作曲していたのだろうか? > シューベルト
 例によって、「シューベルト主題カタログ」新版(1978)の D845 前後を開く。


 う~ん、唸る。たった1作品しか無い! つまり

1825年5月作品 = 「第1グランドソナタ」イ短調作品42 D845


と「シューベルト主題カタログ」新版には掲載されている。
 確かに「初出版のピアノソロソナタ」なので、全力を挙げた! って可能性は否定はできない。だが

シューベルトの気質 = 複数の大曲を同時に作曲する方が常態化


からすると違和感を覚える。
 「シューベルト主題カタログ」だけでなく、他の資料も総ざらえする(爆


「シューベルト後期」は1825年3月の「グレート」作曲で開始される!


を思い出す。自筆譜コピーはあちらこちらに写真版で見ることができる。

  1. Marz.1825 を

  2. Marz.1828 に必死に訂正した後が鮮明な「浄書楽譜」


である(爆
 作曲完了時期は(D960 と異なり)明記されていない。状況証拠としては

交響曲ハ長調「グレート」D944第2楽章 & 第3楽章 は ピアノソナタ第17番ニ長調「第2グランドソナタ」D850 と同時期の作曲 と推測


される。D850 は 1825年8月作曲と署名されている。
 D944 と D850 は「第4楽章は全く違う感触」なので、おそらく作曲時期がずれているだろう。どちらが先だかは断定はできないモノの

第1楽章が後から作曲されてスピードが追いついた D850 の第4楽章が先に作曲完了された確率の方が圧倒的に高い!


と考えられる。


 もう1回、冒頭に戻ろう。

1825年5月作品 は、「グレート」D944 と 「第1グランドソナタ」D845


が、ほぼ間違いなく正しいようだ!
 「人生最大の交響曲」と同時期に「初出版のピアノソロソナタ」が作曲され、充実度はますます上昇していった時期に当たる!
コメント
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