Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

D845「第1グランドソナタ」の魅力(No.1652)

2009-06-11 03:51:47 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
体調も戻って来て、4日で3回の演奏会を聴くまで回復した。今日からは毎日ブログ更新する予定です。


 「さすらい人」幻想曲D760作品15 の出版に成功し、『次はピアノソナタ出版だ!』と意気込むシューベルトが、もう1つのイ短調ソナタD784 と ハ長調ソナタD840 の出版を見送ってまでして「第1グランドソナタ」として出版したのが イ短調ソナタD845 である。

  1. 規模が大きい(特に D784 と比較して)
  2. 人気高かった「変奏曲」を第2楽章に据えた
  3. 人気高かった「ロンド」を第4楽章に据えた

が「構造上」から「グランドソナタ」としての風格を備えている。続く「第2グランドソナタ D850 作品53」も「1」と「3」の条件を満たしており、「第4グランドソナタ D894 作品78」も D850 と同じ構造である。


 この D845 には「固有の魅力」が存在する。

D845 は「全楽章に変奏手法」が駆使されており成功している


ことだ!
 第2楽章は「変奏曲」なので、誰が見てもお解り頂けることだろう。他の楽章について記す。


  1. 全楽章の主題が「第1楽章第1主題」から派生している『循環ソナタ』で構成されている

  2. 第1楽章の第1主題が A,B,C と3つあり、第2主題は「B+C」の動機

  3. 第1楽章第1主題C が 第1主題B の変奏になっている

  4. 第3楽章スケルツォ主部は「単一主題ソナタ形式」で冒頭主題が展開(=変奏)されて行く

  5. 第4楽章ロンド主題自体が「第1変奏と第2変奏」を持つ


と、全曲が統一されているのだ!
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