Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

『ウィーンのワルツの最高峰=こうもり』来日公演紹介(No.1555)

2008-05-22 22:56:01 | 演奏会案内
ちょうど「シューベルトのワルツ」を書いている時に、ウィーンフォルクスオーパー「こうもり」引越公演が来日した。本日「ゲネラル・プローベ(最終総稽古)」を聴いて来たので紹介したい。


偉大なるローカルの雄 = ウィーンフォルクスオーパー「こうもり」


 ウィーンフォルクスオーパーほど「好き嫌いの評価が真っ二つに分かれるオペラ団」も少ないだろう。

  • 絶賛派 → ウィーンにまで通い詰める
  • 無視派 → 全く歯牙にも掛けない

である。 ウィンナワルツが全編にちりばめられた「こうもり」を久しぶりにフォルクスオーパーで聴き、シュターツオーパー(小澤征爾が音楽監督している「ウィーン国立歌劇場」のこと)との違いがはっきり浮き彫りに感じられたので、報告したい。

  1. 弦楽器が10型の小型編成(10,8,6,4,4)で、無理に大きな音を出さないので「管楽器が相対的に大きい」のが特徴

  2. ウィンナワルツの「2拍目を長くするリズム」を伴奏だけに用い、旋律線はインテンポで演奏するので「すっきりした感触」が強い

  3. オケだけでなく、歌手もやや小粒だが無理に大きな声では歌わせない。拠って、東京文化会館ではやや広すぎる


 舞台は東京文化会館大ホールを 3/4 にした程度に寸詰めし、高さは 2/3 程度か? GP は、第1幕は「ハーフボイス」で歌うソリストが多かったが 第2幕以降は ほぼ8~10割の声量で歌った(ように思う)。

 「以前のフォルクスオーパーのこうもり」に比べると、バレエダンサーに掛け声を掛けさせたり(ブダペストオペレッタの影響だろう)、日本語のダジャレが無かったり(本番ではあるかも)、いろいろと細かな変化はあるが

濃密な演技のフォルクスオーパー


が、女声主要2役に色濃く出ており、私高本としては楽しめた1夜である。明日金曜から日曜まで3日連続で東京文化会館大ホールにて。今回公演の「看板」の コロ と コヴァルスキー は両者共にフルボイスで歌った箇所が少なかったので、本領は不明。むしろ、

  1. アデーレ役 = ファリー
  2. ロザリンデ役 = グスタフソン

が魅力あった。アイゼンシュタイン役のケルシュバウムは、個人的にはやや不安がある(高音が大丈夫?)が、本番は万全に聴かせてほしい。
「ウィーン訛のこうもり」を聴きたい人は、是非是非逃さず聴いてほしい。本日昼段階では、全4日残席余裕ありだった。
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