ぱたの関心空間

関心空間と徒然なるままに。

「いまどきPTA 嫌われ組織からの脱却」(石原慎子著)

2024-02-04 18:19:20 | 読後感想など
儂もPTAの事いろいろ考えて、会長までやって(で、校長と喧嘩して辞めて(^^))。。。
PTAの本も何冊か読んだけど、この本で一つの答えに到達した感がある。

著者の石原慎子さん(猫紫紺さん@nekoshikon )は、PTA問題の先達。
2021年に他界されていて、残念乍ら接する機会はなかったけれど、儂がPTAの事考え始める前からこの問題に取り組んでいてくれたのだ。石原さんをはじめ、この本に寄稿されている方や他のPTA問題にかかわったたくさんの人の尽力があってここまできたのだと実感する。

寄稿者のみなさんの猫さんとの関わりを思えば、その人たちの猫さんへの敬意に比べると安っぽくかんじられちゃうかもしれないけれど、やっぱり儂も猫さんに(そして、この本を届ける為に尽力された皆さんに)ありがとうを何百回も言いたい気分。



最後の大塚玲子さんの言葉を借りるなら、儂もPTAに希望を持っている。
正確に言うと、現在みんながイメージするブラックPTAではなく、戦後民主主義の実践場としての理念を持ったPTAにだ。
その理念は、決して古い時代遅れのものではなく、今こそ必要なものだと思うからこそ、儂もPTAの事を未だにあれこれ考えているのだ。その為にどうするべきか、ちゃんとここには書かれていて、ある意味PTAについて一つの答えに到達したと言える気がする、というのはそういうこと。

PTAの問題、と一括りに言ってしまうけれど、何が問題なのか?そして、どうすれば問題でなくなるのか?という論点。PTAはどうあるべきなのか?という論点。さらにPTA自体が必要なのか必要でないのか?という議論。
それぞれは別の話なのに、どうも一緒くたにして語られがちなのは、多くの人の中でまだそう言った事が整理されていないからなのだと思うのだ。
もちろん、儂も。
それがわかりやすく整理された形で書かれているのはとてもありがたい。ようやく建設的な議論ができる。

とくに吹上小の下方丈司さんのまとめ。
・社会の3つの変化
・これから必要な3つのアップデート
・アップデートのための3つの課題
・課題のための3つのポイント
わかりやすい。うん、めっちゃわかる。

まぁ、それも含めてそもそもの考え方のパラダイム転換が実は必要で、実はその壁を越える事が大前提なのだ。
多分、この本がすんなり入ってくるのは、執筆されているみなさんが、すでにPTA問題に長く取り組んでいる中でそれをすでに共通認識として持っているから、とは言えるのかもしれない。逆に、まださしてPTAの何が問題かわからないというような人(古いパラダイムのままの人)にはこの本でもやっぱりわかってもらえないのかもしれない。

例えば、社会にはいろんな状況の人がいて何か活動をするにしても同じスタンスではできないし、そもそもできる人とできない人がいるし、もっと元から言えば興味がある人もいれば全くない人もいる。前提が多様であるという当たり前すぎるくらい当たり前である事が、強制PTAを容認する人たちにはその部分を共通認識として話をする事ができない。
PTAは入退会自由の任意団体、という大前提も、その揺るがし難い位置付け以前に意識の部分で話が食い違うのだ。

あと、理念に伴う具体的な形だよね。
松戸の竹内幸枝さんが実現した「チーム栗っ子」の概要みたいなものを根っこにきちんと置くと引き継いでいく方もわかりやすいし、ベースにそういうのがあるとそれが原則になって活動できるから、単なる前年踏襲にはならない。めっちゃ共感する。

次はそれをちゃんと現実のPTAに反映していけるのかどうか。
まぁ、それがまた大変なんだけど、そんな事言っていたら猫紫紺さんにきっと怒られてしまう。

今さらですが、あらためて石原慎子さんのご冥福を。
そして感謝と猫さんの想いを(勝手に)継いでいく決意を。

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